コラム「そうだったのか!中学入試」
トップページ > コラム「そうだったのか!中学入試」 > 第97話「2016年 大学合格実績が伸びた注目校(1)」

第97話「2016年 大学合格実績が伸びた注目校(1)

2016年8月24日

1・東大合格者数

毎年週刊誌や受験雑誌などで東大合格者数が大きな話題となりますが,ここでは上位校の東大合格者数の5年間の推移を見ながらいくつかの視点で考えて見ます。

*学校名の後ろの( )内は今春の卒業生数。%は現浪合わせた合格者(現浪計)の今春の卒業生に占める割合

(1)東大合格者数1位~10位

1位 開成(399) 203→170→158→185→171(43%)
2位 筑波大附駒場(162) 83→103→104→112→102(63%)
3位 麻布(299) 90→82→82→88→94(31%)
3位 灘(218) 103→105→104→94→94(43%)
5位 渋谷教育学園幕張(349) 49→61→48→56→76(22%)
6位 聖光学院(228) 65→62→71→74→71(31%)
7位 桜蔭(231) 58→66→69→76→59(26%)
8位 駒場東邦(237) 69→59→75→82→57(24%)
8位 栄光学園(176) 70→ 52→ 67→45→57 (32%)
8位 東京学芸大附(350) 55→68→56→54→57(16%)

これを見ていくつか注目される点をあげてみれば、

①10校中9校は順位こそ変わっていますが前年と同じ顔ぶれです。入れ替わった1校は栄光学園と海城で,昨年栄光学園が67→45名と大きく減ってベスト10から外れましたが今年は45→57名と大きく回復してベスト10に復帰、海城は40→56→30名と大きく減って22位と順位を落としてベスト10から外れました。
それにしても10校中9校が同じ顔ぶれというのは,上位10校の東大合格者数がいかに安定しているか,言い換えれば他の学校が上位10校に入るのがいかに大変かということでしょう。

②すでにベスト10の常連校となっている渋谷教育学園幕張は3年連続の増加で70名台となり,初のベスト5入りを果たしています。

③増減が大きい学校
開成は不動の1位ですが年度ごとの変動が結構大きく,今春は14名減ですがプラスマイナス20前後の増減は普通のことです。
今年の増加で目立つのは上記の渋谷教育学園幕張の20名増、また減少で目立つのは駒場東邦の25名減です。

④合格者の割合
学校規模を考慮して合格者数ではなく合格者数(現浪計)の卒業生数に占める割合(%)
で見ると筑波大附駒場の63%が群を抜いています。これに次ぐのが40%台の開成と灘で、さらにこれに次ぐのが30%台の麻布、栄光学園と聖光学院です。
東京学芸大附は卒業生が350名と学校規模が大きいので,割合で見ると16%と10校の中では唯一の10%台です。

(2)東大合格者数11位~20位

11位 都立日比谷(315) 30→29→37→37→53(17%)
12位 ラ・サール(215) 30→40→41→25→44(20%)
13位 豊島岡女子(344) 25→27→33→30→41 (12%)
14位 早稲田(307) 23→13→26→28→38 (12%)
15位 東大寺学園(218) 42→24→31→32→37 (17%)
16位 久留米大附(199) 35→24→38→37→37 (19%)
17位 女子学院(213) 23→37→24→30→34 (16%)
18位 西大和学園(321) 16→29→22→28→33 (10%)
19位 都立西(309) 24→34→31→22→32(10%)
19位 県立千葉(320) 31→25→21→23→32(10%)
19位 筑波大附(231) 31→38→29→17→32(14%)

これを見ていくつか注目される点をあげてみれば、

①目につくのが公立高校の健闘です。特に都立日比谷は大躍進で,ベスト10入りをうかがうところまで来ています。先日竹内彰校長に聞いたところでは内部的には現役東大現役50名合格が目標とのこと。(今年の合格者53名中現役は27名)また都立西や県立千葉も合格者を大きく伸ばしています。

②首都圏の私学では豊島岡学園女子と早稲田の大きな伸びが注目されます。
早稲田の躍進は海城や武蔵との競合関係にも影響があるでしょう。
また全国の女子校の中で桜蔭につぐ実績の女子学院と豊島岡女子が昨年は30名で同数でしたが,今春は女子学院が4名増,豊島岡女子学園が11名増と合格者数で豊島岡女子が上回りましたから2017年入試にも微妙な影響がありそうです。

③かつてはベスト10の常連だった筑波大附は昨年驚くほど合格者を減らし一気に40番台まで下がりましたが、今年は17→32名と大きく回復し19位に上昇しています。

(3)23位以下で注目される学校

23位 渋谷教育学園渋谷(206) 16→12→14→33→30 (16%)
27位 栄東(512) 11→12→14→9→27(5%)
31位 攻玉社(240) 19→14→21→21→21(9%)

23位の渋谷教育学園渋谷(渋谷区)は昨年14→33名と大躍進し今春入試では人気急上昇となりました。学内では「今年の東大は出来すぎ」との声もあったようですが,今春は3名減でベスト20からは外れましたが30名台をしっかりキープしています。

のべ10000名を超える受験生を集めることで知られる27位の栄東は9→27名と大躍進しベスト30入りを果たしました。

31位の攻玉社の3年連続21名は珍記録ですが,20名台を安定的に合格させる力があるのですから数年後には30名台をうかがうことになりそうです。

巣鴨(244) 41→25→26→21→13(5%)
桐蔭学園(1106) 15→18→17→16→8(1%)

巣鴨と桐蔭学園(男子部・女子部・中等教育学校の合計)はかつて東大合格者ベスト10の常連校だった時期もありますが,近年は合格者を大きく減らしています。今後の復活を期待したいところです。

2.国公立大合格者数が伸びている学校

ここでは国公立大合格者数が伸びている学校を何校かとりあげ合格者の3年間(2014年~2016年)の推移を見てみます。( )内は現役合格者数,「旧帝大クラス」は東大・京大・北大・東北大・阪大・名大・九大の旧7帝大に一橋大・東工大を加えた最難関国立9大学です。また「割合」は各年度卒業生に占める国公立大合格者の割合のことです。

本郷

東大 9(8)→9(7)→11(11)
旧帝大クラス 38(?)→40(31)→37(30)
国公立大計 91(73)→88(65)→101(79)
卒業生数 310→303→323
割合 29%→29%→31%

今年は東大合格者2桁にのり,しかも全員現役なのが注目を集めていますが、それ以上に国公立大の合計が3桁になったことの方が注目されます。なぜなら頂点の数名の生徒だけの成果ではなく,学年全体のレベルアップと国公立大に向けた勢いの表れにほかなりませんから。

高輪

東大 0(0)→2(1)→0(0)
旧帝大クラス 14(11)→12(9)→15(11)
国公立大計 40(28)→45(34)→64(52)
卒業生数 234→234→241
割合 17%→19%→27%

東大合格者は0名となりましたが国公立大合格者がこの2年大きく増えています。中堅男子校の中では話題になることは少ない学校ですが実は着実に力をつけている学校です。

逗子開成

東大 5(4)→2(2)→10(8)
旧帝大クラス 31(24)→36(27)→38(29)
国公立大計 91(68)→91(66)→89(66)
卒業生数 269→268→268
割合 34%→34%→33%

2013年に東大合格者が4→14名と大きく増えて2014年入試では大人気校となりましたが,2014年,2015年の東大は5名,2名と減っています。しかし今春は東大合格者10名と復活。また旧帝大クラスもさらに伸ばしています。東大合格者だけ見ていると2013年の14名をピークに下がったように見えますが国公立大合格者の割合は30%台を維持していますから全体的には決して実績が低下したわけではないことがわかります。

吉祥女子

東大 3(3)→5(2)→5(2)
旧帝大クラス 15(12)→31(26)→16(8)
国公立大計 63(54)→94(74)→88(57)
卒業生数 247→283→248
割合 26%→33%→35%

旧帝大クラスが減ったのは,昨年の卒業生が多かったのに加え国公立大の医学部医学科が6
→12名と増えたためでしょう。国公立大の割合が着実に上がってきているのがわかります。

洗足学園

東大 3(3)→5(2)→5(2)
旧帝大クラス 14(12)→16(15)→16(15)
国公立大計 44(38)→64(49)→62(55)
卒業生数 239→243→243
割合 18%→26%→26%

この2年間ほとんど変化は見られませんが,在校生の状況から数年後には東大や最難関レベルの国公立大がさらに増えて,国公立大の割合も30%台に乗るのは確実でしょう。しかもこの学校の場合,医学部医学科(国公私立)やハーバード大学などの海外大学合格者が急速に増えているので合わせて見ていく必要があります。

医学部医学科 17(6)→14(7)→23(10)
海外大学 5(4)→11(11)→20(17)

鎌倉女学院

東大 1(1)→0(0)→4(4)
旧帝大クラス 4(3)→2(2)→11(9)
国公立大計 35(29)→25(22)→48(39)
卒業生数 164→163→163
割合 21%→15%→29%

学校規模が小さいために大学別に見るとほとんど各大学1名でパッと見には目立たない学校です。今年は東大4名が目につきますが、ここで見ていただきたいのは今年の国公立大合格者の割合29%です。ミッション校の多い神奈川では伝統校ながら宗教色のない校風の2番手校で,数年前までは国公立大より早慶上智大やGMARCH大などの難関私大の実績が高い学校というイメージでした。今年も早慶上智大は151名(現役144名)ですがこのところ国公立志向が強くなってきているようです。

神奈川大附

東大 3(2)→4(3)→1(1)
旧帝大クラス 14(10)→19(17)→13(12)
国公立大計 73(61)→59(50)→68(55)
卒業生数 217→209→199
割合 34%→28%→34%

今年だけ見ると東大も旧帝大クラスも減って実績としては下がったように見えますが,国公立大合格者の割合は一昨年の34%に回復しています。平均的に見れば30%台ですから中堅の共学進学校の中では最上位に位置します。

開智

東大 9(8)→10(10)→15(12)
旧帝大クラス 21(18)→27(27)→44(39)
国公立大計 70(58)→93(86)→103(95)
卒業生数 207→313→333
割合 34%→30%→31%

東大の15名も注目されますが,旧帝大クラスの大幅な伸びがそれ以上に注目されます。
国公立大合格者全体に占める旧帝大クラスの割合は30%→29%→43%です。

最後に公立中高一貫校について見てみましょう

都立小石川中等教育学校

東大 5(5)→9(9)→14(9)
旧帝大クラス 21(16)→20(18)→27(21)
国公立大計 85(62)→73(58)→74(58)
卒業生数 156→157→148
割合 54%→46%→50%

2006年に名門都立小石川高校を母体校として開校した都立小石川中等教育学校は都内の公立中高一貫校ではトップ校です。上記は3期生から5期生の進路結果です。国公立大の割合はすでに2014年には50%台でしたが,この2年で東大が6→9→14名と伸びており,旧帝大クラスも今春大きく伸びています。ちなみに東大合格数について学校規模で換算して都立高校の進学指導重点校と比較すると,日比谷53名,西32名,小石川28名と3位になります。

神奈川県立相模原中等教育学校

東大 5(5)→7(6)
旧帝大クラス 22(22)→16(15)
国公立大計 55(55)→59(57)
卒業生数 152→154
割合 36%→38%

上記のデータが2年分しかないのは, 2010年の開校ですから2期生までしか卒業していないためです。この学校は1期生からご覧のとおりの予想を超える高いレベルの進路実績を挙げました。東京の公立一貫校の1期生と比べても最も高いレベルの実績と言えましょう。なお1期生は当然全員現役です。ちなみに旧帝大クラスの22名の合格者数/受験者数は東大5/13名,京大3/3名,東工大7/13名,一橋大4/6名,東北大2/2名,九大1/1名です。さらに2期生の国公立大合格者は55→59名と1期生を上回る実績を挙げています。旧帝大クラスが減ったのは医学部志望者が増えたのが一因と思われます。国公立大医学部医学科の合格者は2→5名と増えています。

(つづく)

ページの先頭にもどる

[次回予告] 「2016年 大学合格実績が伸びた注目校(2)」

次回は今回に続き難関私大の実績を伸ばしている学校について見ていきます。

そうだったのか!中学入試 コラムTOPにもどる

学校紹介

  • 江戸川女子中学校
  • 桜美林中学校
  • 洗足学園中学校
  • 千葉日大第一中学校
  • 東京成徳大学中学校
  • 共立女子中学高等学校
  • 女子聖学院中学校
  • 滝乃川中学校高等学校
▼高校受験・入試情報へ
市進 受験情報ナビ
▼小学校受験・入試情報へ
桐杏学園
▼小学生・保護者の皆さまへ
  • 港区三田の幼児保育・学童保育
    クランテテ
  • 市進教育グループの民間学童
    ナナカラ
  • 計算力・漢桐杏学園問題集字力アップ
▼市進教育グループの個別指導
一人と向き合いじっくり伸ばす個太郎塾
▼市進教育グループの家庭教師
プロ家庭教師ウイング
▼茨城の中高受験指導は
市進グループ 茨進
▼学校の先生へ
  • 指導者向け・技術者向けDVD販売 ジャパンライム
  • 市進研修サービス

facebook市進学校情報 市進学校情報へ


TOP