コラム「そうだったのか!中学入試」
トップページ > コラム「そうだったのか!中学入試」 > 第166話「2020年首都圏 国立大学付属中学校・公立中高一貫校入試レポート(2)」

第166話「2020年首都圏 国立大学付属中学校・公立中高一貫校入試レポート(2)」

2020年5月11日

今回は国立大学付属中学校・公立中高一貫校のレポートの続きで千葉大附、埼玉大附と都立中高一貫校11校中の8校です。なお主要大学合格実績は可能な限り2020年春のものを掲載していますが、現時点で未公表の場合は2019年春のものを掲載しています。また合格者の人数は現浪合計です。


①千葉・埼玉の国立大付属中学校

・千葉大学教育学部附属(千葉市稲毛区)
1965年(昭和40年)に千葉大学教育学部附属第一中学校と千葉大学教育学部附属第二中学校が統合、現在地(千葉市稲毛区弥生町)に移転し、千葉大学教育学部附属中学校と校名変更しました。募集定員は一般生が60名、帰国生が12名、計72名です。併設の千葉大学附属小学校からの内部進学者と合わせて1学年は150名ほどで、男女比が1:1になるように調整されています。高校はないので他校への進学になりますが、東京学芸大附属、県立千葉、県立千葉東、開成、渋谷教育学園幕張、市川、早慶大附属などの難関校への合格者が多くなっています。今年から入試は2段階選抜となり、1次が書類選考、2次は4科入試から自己アピールのプレゼン、作文、総合問題(記述問題2問程度)、集団討論による総合判定になりました。2020年入試の応募者は作文や記述を敬遠する男子受検生が多かったのか234→199名と15%の大幅減でしたが、女子は184→205名と11%増でした。男子の大幅減は前年の応募者急増(172→234名と36%増)の反動もありそうです。倍率は男子が7.9→5.6倍とかなり低下、女子は5.2→5.6倍と上昇しました。補欠が男子、女子ともに38名ずつ発表されましたが、繰り上げ人数は非公表です。
・埼玉大学教育学部附属中学校(さいたま市南区)
1947年(昭和22年)に埼玉師範学校附属中として開校、1951年に現校名に校名変更し現在地(さいたま市南区別所)に移転しました。中学校の募集定員は併設小学校からの連絡進学者を含めて一般生が男女各70名、帰国生が15名で計155名です。実際には1学年は170名ほどで、男女はほぼ同数です。高校はないので他校への進学になりますが、お茶の水女子大附、筑波大附、県立浦和、県立大宮、県立浦和一女、県立春日部、開成、慶応志木、早大本庄、開智、豊島岡女子などの難関校への合格者が多くなっています。入試は一般が全8教科、体育実技、報告書、帰国生は2科と作文による選考です。2020年の一般の応募者は男子が148名、女子は146名で、合格者は男子が25名、女子は26名でした。受験者数が不明なため倍率は分かりません。

②東京の公立中高一貫校

東京の公立中高一貫校は都立中等教育学校が5校、併設型の都立高校附属が5校、千代田区立の中等教育学校が1校の計11校です。所在地は23区が7校、多摩地区が4校です。併設型の5校は数年以内に高校募集が停止され中学募集のみとなりますが、次回(第167話)で詳細をお伝えします

・都立小石川中等教育学校(文京区)
小石川 1918年(大正7年)に創立された東京府立第五中学校を前身とする都立小石川高校を母体校とし、2006年に中等教育学校に改編され中高一貫教育校となりました。名門府立五中以来の自由な校風と理系重視の教育が特色です。都内に11校ある公立中高一貫校の中では入試レベルも大学進学実績でも最も高いレベルの学校で、私立の難関校との併願者が多い学校としても知られています。定員は男女各80名ずつの計160名です。入試は5名以内の特別枠と一般枠があり、特別枠の応募基準は「自然科学分野の全国的なコンクールで個人の部上位入賞し入学後もその能力の伸長に努めることができる者」です。一般の定員は特別枠の合格者のうち入学手続きをした男女別の人数を80名から差し引いた人数です。特別枠は作文と報告書による選考、一般枠は適性検査Ⅰ・Ⅱ・Ⅲと報告書による選考です。2020年入試の特別枠は男子2名、女子3名が受検し女子3名が合格、一般枠の応募者は157名の定員に男子が506→434名と14%減、女子は526→448名と15%減と男女ともに大幅な減少となりました。減った原因としては2019年入試の倍率が男女とも6倍前後と高かったので、チャレンジ層に避けられた可能性が高いでしょう。流出先は東京学芸大附竹早、城北、巣鴨などが考えられます。2020年入試の倍率は男子が5.8→5.0倍、女子は6.0→5.2倍と下がっていますが、難易度はあまり変わっていないでしょう。一般枠合格者159名のうち未手続者が26名(男子16名、女子10名)いたので、少なくとも26名の繰り上げがあったはずです。
・都立武蔵高校附属(武蔵野市)
旧第9学区のトップ校だった都立武蔵高校を母体校として2008年に併設型中高一貫校として開校しました。上記の都立小石川が23区の都立中高一貫校を代表する学校とすれば、都立武蔵高附は多摩地区を代表する学校です。中学の募集定員は男女60名ずつの120名で、高校からの募集定員は78名です。中学校の入試は適性検査Ⅰ・Ⅱ・Ⅲと報告書による選考です。2020年の応募者は男子が302→240名と21%の大幅減、女子は291→272名と7%減、倍率は男子が4.8→3.8倍、女子は欠席者が29→10名と大きく減ったため、4.5→4.4倍とわずかな低下にとどまりました。合格者120名のうち未手続者が9名(男子3名、女子6名)いたので、少なくとも9名の繰り上げがあったはずです。
・都立白鷗高校附属(台東区)
1890年(明治21年)に創立された東京府立第一高等女学校を前身とする都立白鷗高校を母体校として、2005年に都立初の中高一貫校として開校した併設型の中高一貫教育校です。中学の募集定員は160名で内訳は特別枠が6名、海外帰国・在京外国人生徒枠が24名、一般枠は130名です。実際の一般枠の定員は男女各68名から特別枠で合格したうち手続きをした男女それぞれの人数を差し引いた人数です。高校からの募集定員は62名。中学の特別枠は実技試験と面接と報告書、海外枠は日本語または英語による作文と面接と報告書、一般枠は適性検査Ⅰ・Ⅱ・Ⅲと報告書による選考です。2020年の特別枠は受検者が男子5名、女子5名で合格者は男子1名と女子2名でした。海外枠は男子38名、女子34名が受検し合格者は男子9名、女子15名でした。一般枠は定員134名に対し男子が395→382名と3%減、女子は537→514名と4%減でした。倍率は海外枠の男子が6.0倍、女子は7.6倍、一般枠の男子は5.8→5.4倍、女子は7.6→7.3倍とやや低下です。合格者134名のうち未手続者が9名(男子6名、女子3名)いたので、少なくとも9名の繰り上げがあったはずです。
・都立桜修館中等教育学校(目黒区)
桜修館 1929年(昭和4年)に開校した7年制の府立高校を前身とする都立大学付属高校を母体校として2006年に開校した中等教育学校で、開校に当たって新校舎が完成。都立大学付属高は旧第2学区では都立戸山高、都立青山、都立新宿、都立駒場に次ぐ学校でしたが、城南地区では公立一貫校が本校だけで競合校がなく優秀な受検生が集まるせいか、中等教育学校に改編されて最初の1期生以来都立小石川につぐような高いレベルの大学合格実績を出しています。2020年春の実績は卒業生数139名で、東大9名を含めて国公立大が計54名、早慶上理142名、GMARCH157名でした。前期課程(中学校に相当)の募集定員は男女各80名ずつ計160名で、後期課程(高校に相当)からの募集がない完全中高一貫教育校です。入試は報告書と適性検査Ⅰ・Ⅱによる選考で、報告書が300点、適性検査が700点、計1000点満点です。2020年入試の応募者は男子が378→389名と3%増、女子は598→568名と5%減でした。倍率は男子が4.5→4.7倍とわずかに上昇、女子は欠席者が43→27名と大幅に減ったため6.9→6.8倍とわずかに低下にとどまり、男女ともほぼ前年並みといってよいでしょう。合格者160名のうち未手続者が11名(男子7名、女子4名)いたので、少なくとも11名の繰り上げがあったはずです。
・都立両国高校附属(墨田区)
1901年(明治34年)に設立された府立第三中学校を前身とし、2006年に都立両国高校を母体校とする都立両国高校付属中学校として開校しました。旧制府立第三中学校は芥川龍之介や堀辰夫を輩出した名門校で、公立志向が強い旧第6学区のトップ校でした。2019年春は卒業生194名で東大5名を含めて国公立大が75名、早慶上理124名、GMARCH155名でした。中学校の募集定員は男女各60名で計120名、高校の外部からの募集定員は78名です。入試は報告書と適性検査Ⅰ・Ⅱ・Ⅲによる選考で、報告書が200点、適性検査が800点、計1000点満点です。2020年入試の応募者は男子が407→398名と2%減、女子は405→453名と12%の大幅増でした。倍率は男子が6.5→6.3倍とわずかに低下、女子は6.6→7.2倍と上昇しています。合格者120名のうち未手続者が5名(男子3名、女子2名)いたので、少なくとも5名の繰り上げがあったはずです。
・都立大泉高校附属(練馬区)
大泉 1941年(昭和16年)に開校した府立第二十中学校を前身とし、2011年に都立大泉高校を母体校として併設型中高一貫教育校として開校しました。旧第3学区では都立西、都立富士につぐレベルの学校でした。2018年、2019年と2年連続で大学合格実績が低調でしたが、2020年の大学合格実績は卒業生195名で東大6名を含めて国公立大が41→49名、GMARCHは175→137名と減りましたが、早慶上理67→70名と国公立大と早慶上理で躍進しています。中学校の募集定員は男女各60名ずつの計120名で高校からの外部募集の定員は78名です。入試は報告書と適性検査Ⅰ・Ⅱ・Ⅲによる選考で、報告書が200点、適性検査が800点、計1000点満点です。2020年入試の応募者は男子が375→306名と18%減、女子は394→405名と3%増でした。倍率は男子が2年連続の大学合格実績の低迷のせいか6.0→4.9倍と大きく低下しましたが、女子は6.2→6.5倍と上昇しています。合格者120名のうち未手続者が9名(男子4名、女子5名)いたので、少なくとも9名の繰り上げがあったはずです。
・都立富士高校附属(中野区)
1920年(大正9年)に創立された府立第五高等女学校を前身とし、2011年に都立富士高校を母体校とし併設型中高一貫教育校として開校しました。旧第3学区では都立西につぐレベルの学校でした。2020年の大学合格実績は卒業生192名で東大2名を含めて国公立大が42名、早慶上理57名、MARCH95名でした。中学校の募集定員は男女各60名ずつの計120名で高校からの外部募集の定員は78名です。入試は報告書と適性検査Ⅰ・Ⅱ・Ⅲによる選考で、報告書が200点、適性検査が800点、計1000点満点です。2020年入試の応募者は男子が375→306名と18%減、女子は394→405名と3%増でした。倍率は男子が6.0→4.9倍と大きく低下、女子は6.2→6.5倍と上昇しています。合格者120名のうち未手続者が9名(男子4名、女子5名)いたので、少なくとも9名の繰り上げがあったはずです。
・都立三鷹中等教育学校(三鷹市)
三鷹 1949年(昭和24年)に創立された三鷹町立三鷹新制高校(定時制→同年中に全日制となる)を前身とし、2011年に都立三鷹高校を母体校とし中等教育学校として開校しました。旧第10学区では都立国立高校につぐレベルの学校でした。2019年春の大学合格実績は卒業生158名で東大4名を含めて国公立大が47名、早慶上理98名、GMARCH153名でした。前期課程(中学校に相当)の募集定員は男女各80名ずつの計160名で後期課程(高校に相当)からの外部募集のない完全中高一貫校です。入試は報告書と適性検査Ⅰ・Ⅱ・Ⅲによる選考で、報告書が200点、適性検査が800点、計1000点満点です。2020年入試の応募者は男子が478→456名と5%減、女子は前年491→600名と大幅増した反動で600→486名と19%の大幅減でした。倍率は男子が5.8→5.5倍と低下、女子は7.3→5.9倍と大きく低下しています。合格者120名のうち未手続者が9名(男子3名、女子6名)いたので、少なくとも9名の繰り上げがあったはずです。

(つづく)


〔次回予告〕2020年首都圏 国立大学付属中学校・公立中高一貫校入試レポート(3)

そうだったのか!中学入試 コラムTOPにもどる

  


TOP