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第165話「2020年首都圏 国立大学付属中学校・公立中高一貫校入試レポート(1)」

2020年4月18日

全国には国立大学の付属中学校が66校、中等教育学校が4校あります。そのうち首都圏の国立大学付属中学校(中等教育学校2校をふくむ)は、東京に8校、神奈川に2校、千葉と埼玉は1校ずつあり、合計12校です。東京の8校には併設の高校がありますが、神奈川、千葉、埼玉の4校には併設の高校がありません。


①東京の国立大学付属中学校・中等教育学校

東京学芸大の付属校は中学校が3校と中等教育学校が1校ありますが、高校は世田谷区にある1校しかないので附属中学校3校から併設高校に進学するための内部選抜試験があります。

・東京学芸大学附属竹早(文京区)
東京学芸大学附属竹早 1954年(昭和29年)に東京第一師範学校と東京第二師範学校の付属中が統合されて現在地(文京区小石川)で共学校として開校しました。中学の募集定員は併設小学校からの内部進学者数によって多少の増減がありますが、2020年の定員は男女43名ずつです。入試は報告書、4科の筆記試験、グループ面接により総合的に判定されます。2020年入試の応募者は男子が141→198名と40%増、女子は180→183名と微増で、倍率は男子が3.3倍、女子は3.2倍でした。合格最低点は非公表です。また補欠候補が男子15名、女子16名発表されましたが繰り上げ人数は非公表です。
・東京学芸大学附属世田谷(世田谷区)
1947年(昭和22年)に共学の東京高等師範学校男子部附属中学校として開校しました。1952年には現在地(世田谷区深沢)に移転しています。併設高校は近くですが別の場所です。中学の募集定員は男女合わせて60名です。入試は4科の筆記試験のみです。2020年の応募者数は男子が151→134名と11%減、女子は163→127名と22%の大幅減でした。倍率は男子が合格者の絞り込みで2.6→3.0倍と上昇していますが、女子は2.9→2.0倍と低下しています。補欠が男子9名、女子12名発表されていますが繰り上げ人数は非公表です。
・東京学芸大学附属小金井(小金井市)
1947年(昭和22年)に共学の東京第二高等師範学校男子部附属中学校として現在地(小金井市貫井北町)で開校しました。募集定員は併設小学校からの内部進学者の人数によって多少の増減がありますが、2020年の中学の募集定員は前年より10名多い男女合わせて60名です。入試は報告書、4科の筆記試験、面接によって総合的に判定されます。2020年の応募者数は男子が71→69名と3%減、女子は64→54名と16%減でした。倍率は受験者数が非公表のため不明です。合格最低点も非公表です。補欠は男子が15名、女子は10名発表されていますが繰り上げ人数は非公表です。
・東京学芸大学附属国際中等教育学校(練馬区)
東京学芸大学附属国際 2006年(平成18年)に東京学芸大学附属大泉中学校と東京学芸大学附属高校大泉校舎を統合して開校しました。他の付属3校とは全く異なるタイプの学校です。前身の東京学芸大学附属大泉中学校は帰国生クラスがあり、東京学芸大学附属高校大泉校舎は帰国生のみの学校でした。現在の東京学芸大学附属国際中等教育学校もその名の通り多くの帰国生が通う国際色豊かな学校で海外大学への進学者も多い学校です。開校時は併設小学校から内部進学してきた生徒が多かったのですが、外部からの入学者のレベルが上がってきて併設小学校から来る生徒は減ってきています。なお中等教育学校ですから高校からの募集のない完全中高一貫教育校です。2010年には国際バカロレア中等教育プログラム(MYP)の認定を受け、2011年にはユネスコスクール加盟校になっています。2014年には文科省からSSHの指定を受け、2015年にはSGHの指定も受けています。募集定員は男女合わせて60名です。入試は定員30名のA方式(外国語作文と基礎日本語作文)と定員30名のB方式(適性検査Ⅰ・Ⅱ)があります。2020年入試の応募者はA方式が206→192名と7%減、B方式は168→145名と14%減でした。倍率はA方式が5.0→5.2倍とやや上昇、B方式は4.8→4.2倍と低下しています。B方式は入試日が同じで、すぐ近くの都立大泉高校附属などの都立中高一貫校と競合しています。
・筑波大学附属(文京区)
1872年(明治5年)に師範学校が文京区湯島で設立され(翌年に高等師範学校となる)、1888年に高等師範尋常中学科として創立されました。1940年に現在地(文京区大塚)に移転、1950年に共学化され、1978年には筑波大学附属となりました。2014年に文科省からSGHに指定されています。かつては都内の国立大附属中では最も名門校とされていました。併設高校への進学は「内部連絡入試」で上位80%に入れば進学できます。中学校の募集定員は2020年から65→80名と増員されました。定員は男女合わせた定員で、男女の入学者がほぼ半々になるように合格者を決定しているようです。高校の外部募集の定員は80名です。2019年までは併設の筑波大学附属小学校からの内部進学者を合わせて1学年は約200名でしたが2020年は変更があったかどうか不明です。入試は4科の学力検査、体育の実技試験と報告書による総合的判定です。2020年入試では定員増にも関わらず応募者は男子が247→226名と9%減、逆に女子は266→293名と10%増でした。倍率は男子が5.1→3.3倍と大きく低下、女子は4.8→4.0倍とやや低下しています。合格最低点(割合)は男子が72%、女子は74%でした。男子の応募者の大幅減は近くの東京学芸大附竹早との競合の可能性があります。補欠が男子15名、女子30名発表されました。繰り上げ人数は非公表ですが例年は10~15名です。なお2021年入試より全8教科の入試から国・算・社・理4教科の入試に変わります。また今まで配点は非公表でしたが国語(50)、算数(50)、社会(25)、理科(25)、報告書(36)、合計186点満点になります。
・筑波大学附属駒場(世田谷区)
筑波大学附属駒場 1947年(昭和22年)に東京農業教育専門学校附属中学校として開校、1952年に東京教育大学附属駒場中高(普通科)となり、1978年に現校名になりました。全国の国立大付属校で唯一の男子校で、都内の国立大学付属校では東京大学附属中等教育学校と並び併設小学校からの進学者がいない学校で、また併設高校へ無試験で全員が進学できる学校です。1970年頃より急激に大学合格実績が伸び、卒業生数が160名前後と少ない学校ながら例年東大合格者数で全国順位が3位以内、卒業生数に対する東大合格者の割合では全国トップです(ただし2020年の東大合格者数は119→93名と大きく減りました)。ちなみに東大教養学部からは700mほどの距離にあり最上位レベルの学校の中では地理的にも最も東大に近い学校です。中学の募集定員は120名、高校からの外部募集の定員は40名です。入試は1次の応募者が募集人員の8倍以上の時に抽選による選考が行われますが、もう長いこと8倍を超えたことがなく抽選は行われていません。2次入試は4科(各100点)と報告書(100点)の計500点満点で判定されます。2020年入試の応募者は1次が736→694名と6%減、2次は欠席者が10名で728→684名と6%減でした。2020年の合格最低点は340/500でした。繰り上げの人数は非公表ですが、今年は例年より多い10数名だったようです。
・お茶の水女子大学附属(文京区)
1875年(明治8年)に開校した東京女子師範学校の付属校として1882年(明治15年)に創設された東京女子師範学校附属高等女学校が前身です。1949年にお茶の水女子大学設置により1952年にお茶の水女子大学教育学部附属となり、1980年にはお茶の水女子大学附属に改編されています。高校は女子校ですが小学校と中学校は共学校のため、中学校の男子生徒は高校進学で他の私立高校、都立高校へ進学します。中学校の募集定員は一般入試が男子25→20名と減員、女子は30名で変わらず、帰国入試は男女合わせて15名です。併設のお茶の水女子大付属小学校からの内部進学者と合わせて1学年は110~120名で、高校からの外部募集の定員は女子のみで約60名です。中学校の入試は4科と報告書による総合的判定です。2020年入試の応募者は男子が55→60名と微増、女子は246→199名と19%の大幅減でした。倍率は男子が1.4→2.1倍、女子は6.1→4.6倍でした。男女で入試レベルが大きく異なり、男子は女子より偏差値20ほど下になります。合格最低点や繰り上げ人数は非公表です。なお2021年入試より大きな入試変更があります。従来の4科の学科試験は廃止され適性検査を導入します。ただし基礎的技能を重視するので漢字や計算問題は出題されます。なお都内の国立大附属では唯一併設大学への約10名程度の内部推薦入学制度(高大連携特別入試)があります。
・東京大学附属中等教育学校(中野区)
東京大学附属 1948年(昭和23年)に旧制東京高校尋常科を改編して新制の東京大学附属中学校として開校、1949年には共学化、1951年に東京大学教育学部に移管されました。1953年には全国で唯一の「双生児募集枠」が設けられています。また2000年に中等教育学校へ移行しました。東京大学の付属校ですが、もちろん東京大学への優先入学制度はありません。中等教育学校前期課程(中学校に相当)の募集定員は12/20の推薦が男女各15名、2/3の一般入試は男女各40名(双生児枠の男女各10名を含む)の110名で、後期課程の募集は若干名の編入のみです。推薦選抜は適性検査と面接、一般選抜は適性検査と実技で選抜されます。2020年入試の応募者は推薦が507→612名と20%増、一般は543→673名と24%の大幅増で、一般の内訳は一般児530名、双生児は71組143名(三つ子が1組)でした(2019年は一般児と双生児の内訳は非公表)。倍率は推薦が20.3倍、一般は一般児6.4倍、双生児は10.1倍でした。

②神奈川の国立大付属中学校

・横浜国立大学教育学部附属鎌倉(鎌倉市)
1947年(昭和22年)に神奈川師範学校男子部附属中学校として現在地で開校しました。中学校の募集定員は男女各40名と別枠の帰国生15名です。併設小学校からの内部進学者と合わせて1学年は170前後です。入試は国算2科、面接、報告書による選考です。入試は一般入試、帰国入試ともに2/2に行われます。2020年の応募者は一般が123→101名と18%減で、帰国は8→2名と6名減でした。受験者数は非公表で合格者は一般が50名、帰国は2名とも合格でした。
・横浜国立大学教育学部附属横浜(横浜市南区)
1947年(昭和22年)に神奈川師範学校女子部附属中学校として開校し1981年に現在地(横浜市南区弘明寺(ぐみょうじ))に移転しました。中学校の募集定員は男女60名と別枠の帰国生15名です。併設小学校からの内部進学者を含め中1は120名、中2・3は編入学者によって増え135名になります。入試は4科で一般生は面接がありません。入試は一般入試、帰国入試ともに2/3に行われます。2020年の応募者は一般が308→261名と15%減で、帰国は27→35名と30%増でした。倍率は一般が3.7倍、帰国は1.8倍でした。なお2012年より県立光陵高校との中高連携(定員40名の事実上の指定校推薦です)が行われています。

(つづく)


〔次回予告〕2020年首都圏 国立大学付属中学校・公立中高一貫校入試レポート(2)

次回は千葉・埼玉の国立大付属中学校と公立中高一貫校の入試レポートです。

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