コラム「そうだったのか!中学入試」
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第160話「2020年度東京・神奈川私立中学校入試速報(7)」

2020年4月8日

①東京の共学校(その1)
東京の別学校(男子校・女子校)は一部の例外(早大、立教大などの付属校)を除きほとんどが大学進学を目指す受験校ですが、共学校、特に上位校は逆に一部の例外(渋谷教育学園渋谷など)を除いてほとんどが大学付属校です。
大学付属上位校
都内の大学付属の上位校の所在地には大きな偏在があり、都心の港区、渋谷区以外は全て多摩地区です。明治大学付明治は以前千代田区猿楽町にありましたが現在は調布市に移転、早稲田実業も以前は新宿区早稲田にありましたが現在は国分寺市に移転しています。またほとんどの大学付属校は小学校、中学校、高校、大学の各段階で児童、生徒、学生の募集をしています。なお上位校とか中堅校というのは漠然としているので、本稿では上位校は市進偏差値でSS58以上、中堅校は市進偏差値でSS57以下としておきます。ただし入試回で偏差値が異なる場合は高い方を採用します。

・慶應義塾中等部(港区)
全国の大学付属校の頂点に位置する名門校です。中等部の募集定員は男子が140名、女子は50名と著しく女子が少なくなっています。併設の慶應義塾幼稚舎(幼稚園ではなく小学校です)からの内部進学者と合わせて1学年は250名前後です。入試は1次、2次の2段階選抜です。1次(2/3)の筆記試験合格者は2次(2/5)の体育と面接の選考を受けて最終合格が決まります。男子の応募者は2019年が1016→991名と3%減、2020年は991→956名と4%減、女子の応募者は2019年が492→511名と4%増、2020年入試では511→458名と10%減でした。男子は2年連続の減少です。最終倍率は男子が2.5倍で前年と変わらず、女子は2.9→2.7倍とやや低下しています。
合格最低点は非公表ですが女子の方がかなり高いのは間違いありません。繰り上げ合格の人数は非公表ですが、今年は昨年より20名ほど少ない40名前後だったようです。
・青山学院(渋谷区)
青山学院おしゃれな都心にあって富裕層の子供が多く通い、エスカレーター式に大学まで行ける学校という典型的な付属校のイメージを代表する学校です。特に女子受験生に人気が高く倍率が高くなることで知られています。中等部の募集は男女合わせて140名で併設の青山学院初等部からの内部進学者と合わせて1学年は250名前後です。高校からの外部募集の定員は180名です。プロテスタント系のミッション校のため、今年の入試は2/2(日)を避けて2/3(月)に移動しています。2019年入試の応募者は男子が404→465名と15%増、女子は529→629名と19%増でしたが、2020年入試の応募者は男子が465→519名と12%の増加で2年連続での増加で、女子は629→619名と2%の微減です。2/1、2/2の他校合格による欠席や2/3に青山学院以外を受けた受験生がいたためか、欠席者が男子123名、女子130名と例年になく増えています。倍率は前年と同じく男子が3.3倍、女子は5.4倍で、合格最低点は男子が178/300、女子は200/300でした。補欠候補が男女10名ずつ出ていますが(10名で足りなければ2次補欠が出ます)繰り上げ人数は不明です。
・中央大学附(小金井市)
中央大学の付属校は3校ありますが、中央大杉並は高校しかないので中学があるのは中央大附と中央大附横浜の2校です。中学校の募集定員は150名で高校の外部募集の定員は120名です。2019年の卒業生は84%が併設の中央大学に進学しました。入試は12月の国算2科の帰国生入試と、1回(2/1)と2回(2/4)の一般入試でどちらも4科入試です。2019年入試の1回の応募者は男子が前年と同数でしたが、女子は9%増でした。2020年入試の1回は男子が222→234名と5%増、女子は266→258名と3%減でした。倍率は男子が3.1→3.5倍とやや上昇、女子は4.2→3.6倍とやや低下です。2回は男子が19%の大幅増、女子は387→386名とほぼ前年同数で、倍率は男子が4.0→6.1倍と大幅アップ、女子は7.2→7.8倍とやや上昇でした。合格最低点は1回の男子が222/320、女子は225/320で、2回は男子が201/320、女子は209/320でした。
・法政大学(三鷹市)
法政大学の付属校は3校ありますが、法政大学国際高校(横浜市鶴見区)は高校しかないので中学があるのは法政大学中高と法政大学第二中高(川崎市中原区)の2校です。2007年に吉祥寺から隣の三鷹市の旧東京女子大学牟礼キャンパスに移転と同時に共学校化し、校名を法政大学第一中高から法政大学中高に校名変更しました。中学校の募集定員は140名、高校からの外部募集の定員は92名です。入試は2/1の1回、2/3の2回、2/5の3回ですべて4科入試です。定員は男女合計の表示ですが、合格判定ではなるべく男女の入学者数が等しくなるように調整しています。そのためほとんどの場合、女子の合格点の方が高くなっています。2019年入試の応募者は1回が327→324名と微減、2回は589→595名と微増、3回は649→626名と微減でした。2020年入試の応募者は1回が324→306名と6%減、2回は595→540名と9%減、3回は前年と全く同数の626名でした。合格者を3回とも絞っており、倍率は1回が3.6→3.5倍とわずかに低下ですが、2回は5.1→5.9倍と上昇、3回は8.2→10.6倍とかなりの上昇です。合格最低点は1回の男子が347/500、女子が364/500、2回は男子が340/500、女子が361/500、3回は男子が369/500、女子が388/500でした。補欠は合計195名発表されましたが現時点では繰り上げ人数は不明です。
・明治大学付明治(調布市)
明治大学付明治1911年(明治45年)に神田駿河台で開校し、1922年に神田猿楽町に移転、2008年に調布市の富士見町に移転し共学化しました。明大系付属の3校の中では唯一の直系の付属校です。毎年9割が明治大学に進学しています。GMARCH系の付属校の中では最も入試レベルが高く、慶應系(男子)や早稲田系(男女)ともあまり差がありません。
中学の募集定員は150名で、高校の外部募集の定員は100名です。今まで男女別の定員ではありませんでしたが男女比が6:4になるように合否判定をしてきました。入試は2/2と2/3の2回で4科入試です。2019年入試では1回・2回合計の応募者は男子が796→833名と5%増、女子は773→622名と20%の大幅減でしたが、2020年入試より男女比を1:1の定員とすることになりました。合格者が男女半々となれば、事実上男子の定員減、女子の定員増となるため、男子の応募者減少と女子の応募者増加が予想されましたが、実際の入試でも予想通りの展開となり、応募者は1回の男子が421→334名と21%減、女子は303→358名と18%増、2回の男子は412→320名と22%の大幅減、女子は319→327名の3%増でした。1・2回の合計では男子が833→654名と21%減、女子は622→685名と10%増でした。倍率は1回が2.8倍、2回は5.1倍で、合格最低点は今まで女子の方が高かったのですが今年は男女共通になり、1回が211/350、2回は223/350となっています。
・明治大学付中野八王子(八王子市)
明治大学の付属校ですが明治大学とは別法人(中野学園)の経営です。1984年に現在地(八王子市戸吹町)で開校しました。八王子市西部の山中の森の中にあります。明治大学には85%以上が進学しています。中学校の募集定員は160名で高校からの外部募集の定員は150名です。中学入試は午前入試のA方式(2/1と2/3)と午後入試のB方式(2/5午後)の3回でA方式は4科入試、B方式は4科総合です。定員は男女合わせた表示ですが合否判定は男女別です。2020年入試はAの1回が427→379名と11%減、2回も519→462名と11%減、Bは366→365名とほぼ全年同数です。倍率はAの1回が3.9→3.3倍、2回は5.4→5.0倍と下がっていますが、Bは11.8→12.3倍とやや上昇です。合格最低点はAの1回男子が198/300、女子が194/300、2回男子が186/300、女子が185/300、Bは男子が72/120、女子は78/120でした。併願校はほとんどが大学付属校で、2回入試の受験者から11名の追加合格が出ています。
・早稲田実業(国分寺市)
早稲田大学の系属校で早稲田大学の関係者によって早稲田の地に創立されました。2001年に国分寺市に移転、2002年に共学化されました。高等部の商業科は2002年に廃止されています。中等部の募集定員は男子85名、女子40名で計125名、高等部からの外部募集の定員は180名です。中等部は併設の早稲田実業初等部からの内部進学者と合わせて1学年は240~250名前後です。入試は2/1の1回だけで4科入試です。2020年入試の応募者は男子が442→397名と10%減、女子は245→241名と2%減でした。この減少は入試日が同じ早稲田系の早稲田大学高等学院中や早稲田中との競合のためでしょう。倍率は男子が4.1→3.5倍とやや低下、女子は4.1→4.0倍とわずかに低下しました。合格最低点は男子が194/300、女子は214/300でした。人数は非公表ですが、繰り上げ合格が数名出ているようです。
・成蹊(武蔵野市)
成蹊1906年(明治39年)に学生塾「成蹊園」として開設され、1924年に池袋から吉祥寺に移転しました。学園創立時より三菱財閥の岩崎小弥太の支援を受けていたので三菱系のイメージが強い学校です。戦前は旧制の6年制高校だったのでほとんどの生徒は東大に進学していました。成蹊大学は1949年に旧制高校を母体としてできた大学で、中学・高校と大学は上下関係ではなく並列的な関係です。旧制高校時代からの伝統で、東大をはじめとする国公立大や早慶上理等の難関私大進学者が多く、系列大への進学者は25%程度で東大などの国公立大学や早慶上智などの難関私大への進学者が多い進学色の強い学校です。中学校の募集定員は国際学級が男女合わせて15名、他の回は男子70名、女子60名の計130名の男女別定員で、入試は2/1と2/4の2回で4科入試です。入試レベルは中央大や法政大系の付属校とほとんど変わりません。2020年入試の応募者は1回が男子4%増、女子4%減ですが合計では、347→347名と前年同数、2回は男子が5%増、女子も4%増でした。倍率は1回の男子が2.7→2.5倍、女子は2.9→2.5倍、2回の男子は3.8→3.4倍、女子は4.7→4.9倍と、2回の女子以外は合格者を増やしたため低下しています。合格最低点は1回の男子が183/300、女子が191/300、2回の男子が205/300、女子は222/300とすべて女子の方が高くなっています。国際学級と帰国入試の合格最低点は非公表です。入学手続き締切り時点で手続き率が100%と驚異的な歩留まりでした(その後辞退者が5名出ました)。そのため繰り上げ合格は出ていません。地元武蔵野市、三鷹市の受験生が増えています。
・國學院大學久我山(杉並区)
共学校ではなく学習スペースが男女別の男女別学の学校です。國學院大學の付属校ですが、ほとんどの卒業生は他大学に進学しています。2019年春の主要大学合格実績は卒業生443名で、東大4名、一橋大4名、東工大4名など国公立大が計80名、早慶上理211名、GMARCH411名、医学部医学科39名などです。中学校の募集定員は320名、高校の外部募集の定員は145名で、中学からの入学生は高校入学生とは別クラスです。入試は一般クラス入試が2回とSTクラス入試が3回です。2020年入試の応募者は一般クラス1回・2回の合計で773→1019名と32%の大幅増、STクラスは3回の合計で1547→1661名と7%増でした。倍率は一般1回の男子が3.2→3.8倍、女子が2.3→2.1倍、一般2回の男子が2.3→3.5倍、女子が3.0→2.4倍、ST1回の男子が2.4→2.6倍、女子が1.9→1.9倍、ST2回の男子が5.9→7.5倍、女子が4.1→4.6倍、ST3回の男子が6.0→12.0倍、女子が3.3→5.9倍でした。併願校は共学校より別学校が多く、近隣の大学付属校や都立中高一貫校(おもに都立武蔵と都立富士)が多くなっています。

(つづく)


〔次回予告〕2020年度東京・神奈川私立中学校入試速報(8)

次回は東京の共学校(その2)です。

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