コラム「そうだったのか!中学入試」
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第158話「2020年度東京・神奈川私立中学校入試速報(5)」

2020年3月30日

①東京の女子校(その4)

・大妻中野(中野区)
1941年(昭和16年)に開校して1971年に大妻女子大学の付属校になり、1995年に中学校が開校、2008年には高校募集を停止して完全中高一貫校になりました。以前は別法人でしたが現在は大妻女子大学と法人統合されて完全付属になっています。中学の募集定員は257名でアドバンスト入試が4回、グローバル入試が2回、新思考力入試と算数1科目入試が1回ずつ、帰国生入試が2回の計10回の入試があります。2020年の応募者は前年の応募者増の反動か、アドバンスト入試が4回合計で1217→1176名と3%減、グローバル入試は2回計で38→32名と6名減、新思考力入試は73→60名と18%減、算数1科目入試は19→16名と3名の減で総数が1347→1284名と4%減でした。帰国生入試の応募者はこの3年間で78→95→105名と増え続けていて、都内の女子校では帰国生の入学者が最も多い学校のひとつになっています。
・大妻多摩(多摩市)
1988年(昭和63年)に多摩キャンパスで高校が開校した大妻女子大学の付属4校では最も新しい学校です。中学校は1994年に開校し、現在では高校募集を停止し完全中高一貫校になっています。中学の募集定員が130名の小規模校です。総合進学クラスは定員110名で入試は4回、新設の国際進学クラスは定員20名で入試は3回です。2020年の応募者は国際進学クラスの新設で減員された総合進学クラスは4回合計で637→633名と微減ですが、国際進学クラスの実際のクラス編成が中2からということでインパクトに欠けるためか、応募者が15名と定員に足りませんでした。今年の応募者減は新設の国際進学クラスが周知しきれなかったことにくわえ周辺の晃華学園、日本女子大附、カリタス女子、恵泉女学園などとの競合によるものでしょう。
・玉川聖学院(世田谷区)
1950年(昭和25年)に創立されたプロテスタント系のミッション校で、現在の学院長(校長)の安藤理恵子先生は練馬区にある教会の牧師です。地味な中堅の女子校ですが、近年は少しずつ大学合格実績が伸びていて、2019年は卒業生が164名で、慶應大2名、上智大2名、ICU1名、東京理科大1名、GMARCH34名などの難関私大のほか、東京女子大5名、日本女子大5名、津田塾大1名、東洋英和女学院大10名など有名女子大にも相当な実績を挙げています。なおプロテスタント系の青山学院大と明治学院大の指定校推薦枠はどちらも16名もあるのも魅力です。中学校の募集定員は115名で、高校の募集定員は140名です。入試は一般入試が新設の2/3午後の4回を含めて5回、適性検査型入試と多文化共生入試が1回ずつの計7回です。一般入試は応募者総計が383→516名と35%の大幅増、適性検査型入試は18→9名と半減ですが、導入して4回目の多文化共生入試(海外体験や特別な技能、資格を持つ生徒が対象でポートフォリオを提出、面接の比重が高い)は徐々に定着してきたのか9→15名と増えました。おもな併願校は香蘭女学校、昭和女子大附、神奈川学園、田園調布学園、東京女学館等の女子校が多く、共学校では文教大学付が多かったようです。なお今年は併願した学校が合格者を絞ったところが多いため手続者数が増えて91→121名と入学者が定員を満たしました。
・女子聖学院(北区)
女子聖学院1905年(明治38年)に設立されたプロテスタント系ミッション校です。1907年に現在地(北区中里)に移転しました。隣接する男子校の聖学院は同じ法人に属している兄弟校です。中学の募集定員は170名で、高校募集のない完全中高一貫校です。併設の聖学院小学校(共学)からの内部進学者と合わせて現在1学年は130名前後です。併設の聖学院大学がありますが、2019年の合格者は3名でほとんどは他大学進学です。入試は一般入試が5回と英語表現・日本語表現入試、言語・理数リテラシー入試の計7回です。2020年入試の応募者は、一般入試の5回の合計で645→496名と23%の大幅減、英語表現・日本語表現入試は24→27名、言語・理数リテラシー入試は7→3名と微増微減でした。一般入試の大幅減は周辺の順天や淑徳巣鴨などの共学校との競合によるものでしょうか。
・十文字(豊島区)
1922年(大正11年)に文華高等女学校として設立されました。中学校の募集定員は170名、高校の外部募集の定員は140名です。入試は帰国入試のほかに6回あり、1回・3回が2科・4科選択入試、2回・4回は2科入試、2/1の思考力入試は理科系・社会系の記述式総合問題、2/3午後の1教科入試は英語・国語・数学からの選択です。2020年入試の応募者は帰国入試を除いて総数で859→766名と11%減でしたが、志望順位の高い受験生が増えているようで、一人で4回、5回と出願する受験生が増えると同時に上位校との併願受験者が多い2/1午後の2回の手続き率が上昇しています。2021年入試では3年間授業料免除、1年間授業料免除を含む特待制度をさらに拡充させていくとのことです。
・中村(江東区)
中村1903年(明治36年)に設立され創立117年目の下町の伝統校です。中学校の募集定員は124名で、高校の外部募集の定員は80名です。入試は一般入試が5回、特待入試が4回とポテンシャル入試とグローバル入試が2回ずつ、適性検査型入試が1回で12月の帰国生入試と合わせて合計13回です。2020年入試では一般入試で2/2午前と2/5午後を新設、特待入試も2/1午前を新設、グローバル入試でも2/5を新設しています。応募者は新設の入試回を含めて一般入試が81→162名と倍増、特待入試は102→111名と9名増、ポテンシャル入試は15→18名と3名増、グローバル入試は5→1名と4名減、適性検査型入試は27→17名と10名減でした。この2年間応募者減が続きましたが、応募者の合計では230→309名と34%増と3年前の水準に戻っています。受験者数から見る入学手続き率は59%→70%に大きく上昇して入学者も増加。また併願校も昨年は上位10校が女子校でしたが、今年は安田学園や日本大学第一と2校の共学校が上位5位以内に入っています。なお都内からの入学者が減り、千葉県からの入学者が増えているとのことです。

②神奈川の女子校(その1)

最初に横浜山手の丘のミッション系のブランド校3校から。

・フェリス女学院(横浜市中区)
1875年(明治8年)にアメリカ人の女性宣教師によって設立された創立145年目のプロテスタント・ミッション校です。県内の女子校ではトップ校ですが、近年では神奈川の女子トップ層でも東京の女子御三家や豊島岡女子学園を選ぶ受験生もいるようです。今までほとんどやっていなかった広報活動に一昨年から取り組み始め、昨年は応募者が397→441名と11%の増加となりました。入試は2/1の1回で4科入試です。2020年入試の応募者は441→405名と8%減でした。合格者を5名減らしていますが、倍率は2.1→2.0倍とわずかに低下しています。合格最低点と繰り上げの人数は非公表です。昨年の繰り上げは10名前後でしたが、今年はやや増えているようです。
・横浜共立学園(横浜市中区)
横浜共立学園1871年(明治4年)にアメリカ人の3人の女性宣教師によって設立された創立149年目のプロテスタント・ミッション校です。2018年には創立150周年記念事業として南校舎が完成しています。中学校の募集定員は180名で高校からの募集がない完全中高一貫校です。入試は4科入試の2/1のA方式と2科入試の2/3のB方式の2回入試ですが、2019年は2/3が日曜日だったので、Bが競合校の入試がない2/4に移動し、応募者は492→670名と激増しました。2020年入試ではBの入試日は例年の2/3に戻っています。応募者はAが323→355名と10%増、入試日が戻ったBは970→446名と33%減です。倍率はAが1.6→1.8倍とやや上昇、Bは5.1→3.1倍と下がっています。合格最低点はAが239/400、Bは130/200でした。昨年は繰り上げが10名前後出たようですが、今年はまったく出ていないようです。
・横浜雙葉(横浜市中区)
1872年フランス人の4人の修道女によって設立された創立148年目のカトリック・ミッション校です。中学校の募集定員は100名で高校募集のない完全中高一貫校です。併設の横浜雙葉小学校から内部進学生と合わせて1学年は185名前後です。入試は2/1の1回で4科入試です。2020年入試の応募者は221→175名と21%の大幅減です。倍率も2.0→1.5倍と低下しています。合格最低点は205/360です。繰り上げ合格の人数は非公表ですが10名程度出ているようです。過去に例がないような応募者減、倍率低下で相当に緩和した入試になったようです。2021年入試では今年の応募者減と倍率低下の反動で応募者が増加する可能性があり要注意です。
・洗足学園(川崎市高津区)
洗足学園1924年(大正13年)に創立されました。神奈川では最も学校改革に成功した学校として知られ、今や県内の女子校ではフェリス女学院とならぶ入試レベルの学校となっています。中学校の募集定員は帰国入試の20名を含めて240名で、高校からの募集のない完全中高一貫校です。併設の洗足学園小学校からの内部進学者と合わせて1学年は250名前後です。2020年入試の実受験者はこの4年間で最も多く第一志望者も増えています。応募者は1回が322→375名と16%増、2回は654→740名と13%増、3回は494→588名と19%増で、全て10%以上の増加で3回の合計では1470→1703名と16%増でした。倍率も1回が3.3→3.7倍、2回は3.3→3.8倍、3回は5.4→6.0倍と全て上昇です。また帰国生入試の応募者も過去最多の232名でハイレベルの選抜となっています。合格最低点は1回の2科が147/200、4科が247/350、2回は2科が135/200、4科が229/350、3回は209/300でした。繰り上げ合格が23名出ています。受験生の居住エリアは地元川崎市が横ばい、東京都、特に大田区、世田谷区が顕著に増え、横浜市はやや減っています。
・鎌倉女学院(鎌倉市)
1904年(明治37年)に設立され県内の女子伝統校では唯一の宗教色のない学校です。中学の募集定員は160名で高校からの募集がない完全中高一貫校です。入試は2回で2日と4日の午前入試です。山手の丘のミッション3校との定番の併願校として知られています。2020年入試では1次が520→477名と8%減、2次は612→487名と20%の大幅減となりました。倍率も1次が1.7→1.5倍、2次は2.5→2.1倍と低下しています。合格最低点は1次が269/400、2次は237/400でした。

(つづく)


〔次回予告〕2020年度東京・神奈川私立中学校入試速報(6)

次回は神奈川の女子校のつづきです。

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