コラム「そうだったのか!中学入試」
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第157話「2020年度東京・神奈川私立中学校入試速報(4)」

2020年3月30日

①東京の女子校(その3)

・光塩女子学院(杉並区)
1931年に開校したカトリックミッションの女子校です。中学の募集定員は95名で同じ敷地にある併設の初等部からの内部進学者と合わせて1学年は150名前後の小規模校です。入試は3回すべて午前入試で1回は総合入試(算国の基礎問題と総合問題)、2回、3回は4科入試です。2018年は応募者が合計で304→366名と20%の大幅増でしたが、2019年入試では314名と元に戻ってしまいました。2020年入試では1回が91→98名と8%増、2回は118→133名と18%増、3回は105→107名と2名増でした。倍率は1回が1.4倍、2回も1.4倍、3回は1.8倍で3回とも前年の倍率と同じでした。合格最低点は1回総合が108/200、2回が165/300、3回は179/300でした。補欠は例年通り出ていません。
・田園調布学園(世田谷区)
田園調布学園中学の募集定員は200名で高校募集のない完全中高一貫校です。在校生の6割以上は神奈川から通学しています。近年理系にも力を入れていて理系進学が45%と非常に高く医学部への進学も増えています。2020年入試では大きな入試改革があり注目されました。最も大きい変更は2/1午後の算数1科入試(定員20名)の新設です。また面接を廃止して理科と社会の試験時間を30→40分に延ばしました。2020年入試の応募者は、定員を100→80名と減員した1回は223→210名と6%減でしたが、新設の算数入試は356名の応募者を集めました。2回も442→593名と34%の大幅増、3回は357→399名と12%増でした。倍率は新設の算数入試が2.3倍でしたが、1回が2.1→2.4倍、2回は1.7→2.4倍、3回は3.1→4.5倍と全て上昇し厳しい入試となりました。2/1に午前・午後と本校を受験したのは48名、午前に受験した主な他校は、洗足学園、横浜共立学園、鷗友学園女子、フェリス女学院などのトップクラスの女子校が多かったようです。また2回の平均点は予想以上に高く受験生の学力レベルも上がっているようです。
・東京女学館(渋谷区)
中学校の募集定員は150名で高校は2012年に募集停止し完全中高一貫校になりました。また2017年に東京女学館大学(町田市)は廃止されています。隣接する併設の東京女学館小学校からの内部進学者と合わせて1学年は250名前後です。1学年は5クラス編成で一般学級が4クラス、国際学級が1クラスです。2020年入試の応募者は一般の1回が132→156名と18%増、2回は512→579名と13%増、3回は500→478名と4%減、4回は389→383名と2%減、国際学級は106→147名と39%の大幅増で受験者の総数では1162→1414名と22%の大幅増となりました。倍率は1回以外の合格者が絞られ、1回が3.3→3.5倍、2回は1.7→2.5倍、3回は1.9→2.8倍、4回は3.8→5.8倍と全て上昇しています。国際学級は2.2→5.0倍と大きく上昇して厳しい入試になりました。14名の補欠が発表されましたが繰り上げ合格はなかったようです。
・跡見学園(文京区)
跡見学園創立145年目の名門校ですが、多くの都内の中堅女子校で学校改革が成功していた時期に、学校改革の遅れから応募者が急減、入試レベルも低下し生徒募集に大苦戦していました。中学校の募集定員は260名ですが入試の低迷のため1学年の生徒数が200名を切っている学年があります。入試は一般入試が2回、特待入試が4回で特待の3回は思考力入試、英語CS入試です。2018年に就任した松井真佐美校長は本校OGの数学の先生で積極的に学校改革・入試改革に取り組み昨年の入試でも一定の結果を出しましたが、2020年入試では応募総数で1109名→1440名と30%の大幅増です。倍率も一般の1回が1.2→1.9倍、2回が1.2→2.4倍、特待の1回が1.6→2.0倍、2回が1.2→1.8倍、3回は1.6→2.7倍、4回は2.3→4.5倍とすべて大きく上昇しています。合格者も一般2回以外は絞り込まれて難易度が上昇しているのは間違いないでしょう。
・日大豊山女子(板橋区)
日大豊山女子1966年(昭和41年)に設立された日大系列では唯一の女子中高です。高校には理数クラスがあり医療系学部への進学者も多い学校です。日本大学への内部進学は例年60%前後です。中学校の募集定員は140名、高校からの外部募集の定員も140名です。入試は4科・2科型・適性検査型・2科型・2科選択型・英語インタビュー型・思考力型の6タイプで9回の入試があります。昨年は日大系列校の多くが大学の不祥事で応募者を減らしましたが本校はあまり減りませんでした。2020年入試の応募者は新設の英語インタビュー型と2科型3回を除く7回で増加しています。応募総数では502→726名と45%の大幅増でした。他の日大系列校と同様に日大人気が復活しているようです。ただし合格者を多めに出しているので難易度には変化がなさそうです。
・三輪田学園(千代田区)
1887年(明治20年)に創立された都心(千代田区九段南)の伝統校です。中学の募集定員は170名で高校の募集のない完全中高一貫校です。入試は5回で1回午前、2回Aと3回が2科・4科選択、1回午後が2科、新設の2回Bは英検級による得点と算国2科です。
2019年入試では応募総数が、1146→881名と23%の大幅減となりましたが、2020年入試では新設の2回Bを除いて881→914名と4%増となりました。新設の2回Bの応募者は16名しかいませんでした。すべての回で合格者が絞られたので倍率は1回午前が1.4→1.6倍、1回午後は1.3→1.7倍、2回Aが1.2→1.9倍と上昇、新設の2回Bは13名受験で全員合格、3回は1.5→2.9倍と大幅アップです。
・山脇学園(港区)
山脇学園都心の伝統校の中でもお嬢様学校のイメージが強い学校でしたが、2008年の短大募集停止に続き「山脇ルネサンス」という大掛かりな学校改革が始動し、かつてのイメージは大きく転換しています。6年間の教育プログラムも海外研修やキャリア教育のなどが体系的に組まれた先端的なプログラムになっています。進路状況も大きく変わり、国公立大学、難関私大、医学部などに実績を出すようになっています。中学の募集定員は280名で高校募集のない完全中高一貫校です。2020年入試より2/2午後に定員10名で探究サイエンス入試が新設され、全部で8回の入試になりました。英語入試が3回、一般入試が3回、2/1の1科入試(国語または算数)と新設の探究サイエンス入試です。2020年入試の応募者は英語入試が3回の合計で102→87名と15%減、一般入試は3回合計で972→1101名と13%増と大きく増え、2/1午後の国算1科入試は502→670名と33%の大幅増でした。新設の探究サイエンス入試を含めた応募総数では1529→1894名と24%の大幅増です。一般A、Cの手続き率が高く、上位校との併願願者が多い2/1午後の国算1科入試も国語が32%、算数が21%と前年に続き高くなっています。そのため繰り上げ合格は出ていません。
・江戸川女子(江戸川区)
城東地区の中堅女子校では人気の高い学校で、千葉方面からのアクセスが良いため在校生の6割近くが千葉からの通学生です。2016年以来東大合格者は出ていませんが、2019年の卒業生は390名で主な大学合格実績は、国公立大に54名(文科省所管外を含む)、早慶上理64名、GMARCH150名と中堅女子校の中でもかなりの実績です。中学校の募集定員は200名で、高校からの外部募集の定員は150名(うち英語科が50名)です。2020年入試は5回の入試のうち3回が微増、2回が微減でトータルでは819→822とほぼ前年並みです。倍率は1回・2回が合格者を絞って倍率上昇、4回は前年と変わらず、3回・5回は合格者を増やしたため倍率が低下しています。補欠が7名出ていますが繰り上げ人数は不明です。
・実践女子学園(渋谷区)
1899年(明治32年)に設立され今年でちょうど120年目を迎える伝統校です。中学の募集定員は220名で高校の募集はなく完全中高一貫校です。2019年の卒業生は251名で併設の実践女子大学には63名(25%)が内部推薦で進学しています。多くの中堅女子校がグローバル教育に力を入れ始める中で、それに逆行するように1998年4月よりグローバルスタディーズクラス(GSC)を廃止したのが裏目に出たのか、2019年入試の応募総数が1509→1244名と18%減、2020年入試では1244→1057名と15%減で2年連続の大幅減です。倍率はほとんど前年と変わっていません。入試は2/1から2/4まで6回ありますが2回と4回の一部は英語資格入試です。6回の入試のうち1回から4回までが大きく減っていますが、2/3午後の5回と2/4の6回は駆け込み出願が多くそれぞれ5%増、8%増です。今年は都内の女子校で合格者を絞り込んだ学校が多く2/1、2/2の入試で合格を得られなかった受験生がまわってきたようです。2/1、2/2に受験した併願校は近くの東京女学館の他、大妻中野、昭和女子大附、恵泉女学園、香蘭などほとんどが都内の女子校でした。5回と6回は手続き率が高く、応募者が減ったにもかかわらず今年の入学者は昨年の19%増になったそうです。GSCは2年前に募集を停止して中3から高3までの学年しか残っていませんが、今年の大学入試では高3が過去最高の実績を出しているとのことです。
・普連土学園(港区)
1887年(明治20年)にアメリカのキリスト教普連土派(クエーカー)の婦人伝道会によって設立された、慶應義塾大学に近い三田の高台にあるプロテスタント系ミッション校です。中学の募集定員は120名で高校募集のない完全中高一貫校で、各学年は1クラス40名で3クラスの小規模校です。入試は4回で2/1午後は昨年新設された算数1科入試です。2019年入試では新設の2/1午後の算数1科入試に299名が集まるとともに、定員の減った他の回は合格者が絞られて倍率が上昇し厳しい入試となりました。2020年入試は前年の倍率上昇の反動で4回の入試すべてで応募者が減り、4回の合計では1081→925名と14%減になりました。倍率は2/1午前が1.9→1.8倍、2/1午後の算数1科入試は1.9→1.5倍、2/4は2.8→2.0倍と下がりましたが、2/2午後の2科入試は1.8→2.1倍と上昇しています。

(つづく)


〔次回予告〕2020年度東京・神奈川私立中学校入試速報(5)

次回は東京の女子校のつづき(その4)です。

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