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第155話「2020年度東京・神奈川私立中学校入試速報(2)」

2020年3月19日

東京には私立女子中学校が67校ありますが、千代田女学園は2019年より募集停止、また小野学園女子は2020年4月から共学化しますから、2020年入試で女子校として生徒募集を行ったのは65校です。
そのうち多摩地区にあるのは9校で残りの56校は23区内にあります。
神奈川には私立女子校が21校ありますが、聖ヨゼフ学園が2020年4月より共学化しますから、2020年入試で女子校として生徒募集を行ったのは20校です。
そのうち横浜市に6校、鎌倉・藤沢・逗子の湘南3市に7校、川崎市に3校、その他に4校あります。


①東京の女子校(その1)

・桜蔭(文京区)
都内女子校のトップであると同時に全国女子校のトップ校です。2020年入試の応募者は529→555名と5%増で、倍率は合格者を296→283名と絞ったために1.7→1.9倍と上昇しています。合格最低点は非公表です。
近年は従来の筑波大附、慶應中等部の他に渋谷教育学園幕張の合格者からも辞退が出るようになり補欠合格が増えた年もありましたが、今年は少なめだったようで、補欠が30名発表され10数名が繰り上げになったようです(昨年は32名発表で15名が繰り上げ合格)。
・女子学院(千代田区)
プロテスタント系ミッション校で1870年(明治3年)にアメリカ人女性宣教師によって築地の外国人居留地で設立され創立150年目を迎えました。1880年に千代田区一番町の現在地に移転しています。同じプロテスタント系ミッション校の横浜のフェリス女学院と並ぶ日本最古の私立女子中学のひとつです。2020年入試の応募者は794→798名と1%増で、倍率は2.6→2.7倍とやや上昇。合格最低点は非公表です。繰り上げ合格の人数は非公表ですが5名程度だったようです。
・雙葉(千代田区)
カトリック系ミッション校で1909年にフランスに本部があるカトリック女子修道会「幼きイエス会」によって雙葉高等女学校として創立され、1910年には四谷の現在地に移転しました。世田谷の田園調布雙葉と横浜の横浜雙葉は姉妹校です。中学募集の定員は100名で隣接する併設小学校からの内部進学者を含めて1学年が190名程度の小規模校です。2020年入試の応募者は375→419名と12%の増加です。募集定員100名からすれば大幅な増加といってよいでしょう。そのため倍率は合格者を絞ったことも相まって2.7→3.3倍と上昇し厳しい入試になっています。
合格最低点は188/300で補欠の発表はありませんでした。
・豊島岡女子学園(豊島区)
今や女子御三家にならび、桜蔭・女子学院との併願者が多い学校です。2020年入試の応募者は1回が1074→1096名と2%の増加で、倍率は2.5→2.5倍と変わらず、2回は945→993名と5%増で、倍率は6.9→7.2倍と上昇、3回は699→790名と13%の大幅増で、5.7→8.2倍と大幅に上昇です。合格最低点は1回が207/300、2回は226/300、3回は209/300でした。
2019年は3回合わせて58名の補欠が発表され20名の繰り上げ合格がいましたが、今年は52名の補欠が発表され26名が繰り上げ合格になっています。
・白百合学園(千代田区)
白百合学園1881年(明治14年)にフランスに本部のあるシャトル聖パウロ修道会によって神田猿楽町で創立されたカトリック系ミッション校で、1927年に九段の現在地に移転しています。神奈川の湘南白百合、函嶺白百合は姉妹校です。高いレベルの大学合格実績の学校で、特に医学部に強い女子校として知られていて、2019年は東北大1名、筑波大2名や慶應大1名、東京慈恵会医大4名、順天堂大5名、日本医大8名など国公立大・私大合わせて39名の医学部合格者を出しています。中学の募集定員は60名で、併設小学校からの内部進学者を含めて1学年が180名程度の小規模校です。
調布市に併設の白百合女子大があり35人が現役合格していますが進学者は8名でした。2020年入試の応募者は311→373名と20%の増で、募集定員が60名ですから大変な増加です。倍率は2.1→2.8倍に上昇しています。合格最低点は251/350でした。2019年は繰り上げ合格が4名ありましたが今年は不明です。併願校は例年通りミッション校が多く、多い順に雙葉、浦和明の星、東洋英和女学院、女子学院ですが、それ以外では共学校や付属校などもかなりいて多岐にわたっています。なお受験生の居住エリアは東京が68→75%に増え、神奈川と埼玉は7%で変わっていませんが、千葉は14→9%に減ったとのことです。
・東洋英和女学院(港区)
カナダのメソジスト教会の女性宣教師によって1884年(明治17年)に現在地(港区六本木)で設立されたプロテスタント系ミッション校で創立146年目を迎えました。
中学部の募集定員はAが80名、Bが30名で合計110名の小規模募集校です。併設小学校からの内部進学者と合わせて1学年は200名程度、高等部からの募集はありません。2019年入試の応募者はAが269→235名と12%の大幅減、曜日の関係で2/3から2/2に入試日移動したBは495→380名と23%の大幅減でした。2020年入試では前年の反動でAが235→294名と25%増、入試日を2/3に戻したBは380→531名と40%の大幅増で2年前の応募者を大きく超えて集めています。Bの受験者のうち118名はAが不合格だったリベンジ受験者でそのうち35%が合格しています。倍率はAが2.1→2.7倍と上昇、Bは合格者を81→53名と大きく絞り2.7→4.6倍と急上昇しています。合格最低点はAが205/320、Bは216/320で、補欠合格は出ていません。
なおBのみの受験生にとったアンケートによれば多かった併願校(10名以上)は、雙葉、立教女学院、女子学院、フェリス女学院、頌栄女子学院、吉祥女子だったとのこと。
・鷗友学園女子(世田谷区)
本校は旧制東京府立第一高等女学校(現都立白鷗高校・附属中学校)の同窓会・鷗友会によって1935年(昭和10年)に設立されました。東京の女子校で最も学校改革に成功して大きく伸びた学校で、30数年前までは入学しやすいレベルの学校でしたが、現在では女子御三家につぐグループの学校になっているのはご存じのとおりです。募集定員は1回が180名、2回が40名で合計220名、高校からの募集はありません。
2019年入試の応募者は1回が486→515名と6%増、2回が509→642名と26%の大幅増でしたが、2020年入試の応募者は1回が515→510名と1%減、2回は642→608名と5%減となっています。倍率は1回が2.2→2.0倍、2回は3.9→3.5倍とやや低下しています。
合格最低点は1回が239/400、2回は286/400と7割超えの厳しい入試となりました。受験生の居住エリアが広がり、神奈川の湘南地区や千葉からの受験生が増えたとのこと。なお合格は全て正規合格で欠員があっても追加合格は出しません。
・吉祥女子(武蔵野市)
吉祥女子1938年(昭和13年)に創設された帝国第一高等女学校が前身で1945年に現在地(武蔵野市吉祥寺東町)に移転、2007年には高校募集を停止し完全中高一貫校になっています。以前は芸術コースがありましたが現在はありません。募集定員は1回が114名、2回が90名、3回は30名で合計234名です。武蔵野市の学校ですが杉並区との市区境にあり最寄り駅は杉並区の中央線の西荻窪駅です。前述の鷗友学園女子と並び最も伸びた学校のひとつで東京西部では近くの立教女学院を抜いて最も入試レベルが高い学校です。
2019年入試では1回の応募者が5%、2回が12%の大幅増で入学者が2年連続で超過してクラス増設(6→7クラス)となりましたが、2020年入試では1回が601→581名と3%減、2回は899→959名と7%増、3回は589→603名と2%増となりました。倍率も各回とも入学者が超過しないように合格者を絞り込んだため1回が2.5→2.7倍、2回は2.7→3.3倍、3回は7.7→10.3倍と軒並み上昇して難易度も上昇しています。合格最低点は1回が230/340、2回は253/340、3回は244/340でした。2019年は18名の追加合格が出ていますが今年は出していません。なお2021年入試より2/4の3回(定員30名)が廃止され2回入試になります。定員は2/1の1回が114→134名、2/2の2回が90→100名に変わります。
・立教女学院(杉並区)
米国聖公会の宣教師によって1877年(明治9年)に築地で設立されたプロテスタント系ミッション校で、関東大震災で校舎が全焼し1924年に現在地(杉並区久我山)に移転しました。井の頭線の三鷹台駅から徒歩1分という立地ですが、一歩キャンパスに入ると緑あふれる別世界が広がっています。東京西部の女子校では最もブランドイメージが高い学校で、1932年に完成した聖マーガレット礼拝堂は杉並区の有形文化財に指定されています。
中学の募集は110名と小規模募集校で、併設小学校からの内部進学者と合わせて1学年は約200名です。高校からの募集はなく完全中高一貫校です。
入試は2/1に1回入試で4科入試。ちなみに東京の女子校で1回入試の学校は桜蔭・女子学院・雙葉・白百合学園と本校の5校のみです。2019年入試の応募者は291→338名と16%の大幅増でしたが、2020年入試の応募者は338→358名と6%増で3年連続の応募者増です。倍率は2.4→2.5倍とやや上昇しています。合格最低点は229/300と70%を超えています。補欠については非公表です。
・学習院女子(新宿区)
学習院大学・学習院女子大学の併設校で男子校の学習院中等科と同様に東大や難関私大などの他大学進学者が多い半付属校で人気の学校です。男子の学習院とは場所が離れた新宿区戸山の高台にあり、明治通りを挟んで早稲田大学理工学術院の斜め向かいにあります。キャンパスには女子大学もあり、隣は都立戸山高校です。中学の募集はAが90名、Bは40名、合計130名で、学習院初等科からの内部進学者を含めて1学年が200名強、高等科からの募集はありません。例年の学習院大学への進学は6割程度で学習院女子大学への進学者はほとんどいません。ここ1、2年は難関国立大合格者が増えており、2018年は東大2名、京大1名、一橋大1名、東工大1名、2019年は東大3名、東北大1名、筑波大1名などでした。
2019年入試の応募者はAが248→304名と23%増、Bは東洋英和女学院Bの入試日移動(2/3→2/2)の影響もあり414→533名と29%の増加でした。2020年入試では前年の応募者急増で敬遠されたのかAが304→289名と5%減、Bは東洋英和女学院の入試が2/3に戻って533→487名と9%減となりました。A・Bともに前年の応募者急増でやや敬遠されたようです。倍率はAが2.7→2.5倍とやや低下、Bは合格者を70→40と絞ったために4.0→6.5倍と大きく上昇しています。補欠は原則Aでは出さず、Bで39名発表されていますが繰り上げ人数は不明です(例年は6〜7割が繰り上げ合格となる)。

(つづく)


〔次回予告〕2020年度東京・神奈川私立中学校入試速報(3)

次回は今回に続き東京の女子校の入試レポートです。

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