コラム「そうだったのか!中学入試」
トップページ > コラム「そうだったのか!中学入試」 > 第152話「埼玉県私立中学校入試速報」

第152話「埼玉県私立中学校入試速報

2020年2月10日

2020年度の埼玉の私立中学校入試は1/10より始まりました。千葉の一般入試が始まる1/20からの数日を挟んで入試期間が大きく前半と後半に分かれます。前半は1/10から1/19、後半は1/22から1/31です。ただし2/4以降実施の学校が若干あります。今回は前半戦の入試状況をお伝えします。
埼玉の私立中学校は男子校が3校、女子校が3校、共学校が25校、計31校の学校があります。埼玉の私立中学校の入試は東京・神奈川の私立中学校の入試解禁日2/1より早い1/10から始まります。そのため埼玉の私立中の多くは東京・神奈川の受験生にとって格好の併願校として受験されており、中には延べ受験生が1万人を超える栄東のような学校もあります。


1.男子校

・立教新座(新座市)
立教大学の付属校であり埼玉男子校のトップ校です。入試は1回が1/25、2回が2/3のためまだ入試データはありませんが、1回は出願を締め切っており前年の1796名に対し今年は最終1929名で7%増です。
・城西川越(川越市)
東邦大付東邦
1972年(昭和57年)に開校した新しい学校です。城西大学の系属校で城西大学とは別法人です。城西大学への進学者はごくわずかで他大学進学が主流となっています。
中学の募集定員は85名で高校からの外部募集は200名です。
入試では1/20午後の特別選抜1回を4科→2科入試と受験しやすくしました。各回の応募者は特選1回が12%増、2回は18%増、総合一貫も1回が32%の大幅増、2回も20%増、3回は10%減、最後の総合一貫4回は2/5で未実施です。6回の入試のうち4回で前年を超える応募者を集めています。
・城北埼玉(川越市)
1980年(昭和55年)に開校しました。
難関大学合格者が多く、2019年の実績(現浪計)は卒業生223名での国公立大合格者は東工大1名、一橋大2名、北大1名、東北大1名など27名、早慶上理は46名、GMARCH89名です。
都内からの併願受験者が多いため入試会場は本校の他に所沢くすのきホール、さいたまスーパーアリーナから選ぶことができます。2/1午後の特待入試は440→483名と10%増ですが合格者を179→198名と増やしたために倍率は2.4倍で変わっていません。特待から一般へのスライド合格が171名出ています。他の回の応募者前年比は1回が2%減、2回は4%減、3回は前年同数でした。

2.女子校

・浦和明の星女子(さいたま市緑区)
埼玉県の女子校ではトップ校で、唯一のカトリックミッションの女子校です。
1967年(昭和39年)に浦和の地に浦和明の星女子高校が設立され、2003年に中学校が開校、2006年には高校募集が停止されました。なお「明の星」とは聖母マリアのことです。
中学の募集定員は160名で1回が120名、2回が40名です。入試科目はどちらも4科。2019年の大学合格実績は、国公立大が東大2名、一橋大4名、東工大1名、北大2名、東北大1名など39名、早慶上理111名、GMARCH115名などです。
このような高い進路実績があるので東京の女子御三家など県外の女子トップ層が多数併願受験するために1/14の1回入試は120名の定員に対し2000名以上の応募があります。
今年は応募者が2043→2098名と3%増、受験者が2053名で合格者を1061名出して倍率は前年と同じ1.9倍でした。なお2回入試は2/4なので未実施です。
・淑徳与野(さいたま市中央区)
東邦大付東邦
1946年に開校した浄土宗系の学校で大乗淑徳学園グループに属する学校です。1948年に淑徳与野高校となり、2005年に中学校が開校。2017年には中学校のある上落合に高校が新校舎を建設し移転して中高の校舎が一体化しました。
2019年の主な大学合格実績(現浪計)は卒業生421名で国公立大学・大学校が東大1名、北大1名、東北大1名、阪大1名、東京外語大5名、お茶の水女子大5名など65名(現役62名)、早慶上理147名(現役140名)、GMARCH359名(現役346名)などでした。
2020年入試より中学の募集定員を105→120名と増員しました。1回が85→95名、2/4の2回が20→25名となっています。1/13の1回は定員増の効果か応募者が1539→1756名と14%の増加し、受験者も437→480名と増え、合格者を821→896名とし倍率は1.8→1.9倍とやや上昇しています。
2回入試は2/4なので未実施です。
・大妻嵐山(比企郡嵐山町)
大妻中野の前身「文園高校」の系属校でしたが、1972年に大妻女子大の傘下に入り大妻嵐山女子高校となり、その後2003年に中学校を開校、2013年には大妻学院と法人統合し完全な付属校になっています。
現在学校を挙げての教育改革が進行中で予備校や大学の研究者と連携してのアクティブラーニングなど教員研修、また従来の大妻女子大への進学をメインとする進路指導から方向転換して国公立大や難関私大の実績向上のためのプロジェクトが進行中です。
入試は6回中4回で本校会場だけでなく大宮会場でもおこなわれています。2020年入試の応募者前年比は入試回ごとの増減はありますが終了している6回の入試の合計では470→563名と20%の大幅増加です。上記の学校改革が評価されているためでしょうか。

3.共学校

・栄東(さいたま市見沼区)
昭和学院
中学入試の世界では日本で唯一応募総数が1万名を超える学校として知られています。
1978年(昭和53年)に男子校の埼玉栄東高校として開校した創立42年目の学校です。1992年の中学校開校と同時に栄東中高と校名変更。1994年には共学化しています。その後の発展は目覚ましく、上記のように入試では大人気の学校となり、県内ではトップレベルの大学合格実績を挙げています。
2019年の大学合格実績(現浪計)は卒業生407名で国公立大が220名、早慶上理449名、GMARCH289名、国公私立医学部医学科が68名(防衛医大含む)などです。中学校の募集定員は240名で難関大A・B、東大Ⅰ・Ⅱの4回の入試があります。
2020年入試では東大ⅠがⅡと同じように4科入試から4科または算数1科の選択となっています。2020年入試では相変わらずの勢いが続いており都内などから大量の難関校を受験する併願者を集めています。応募者は難関が2回計で8757→9019名と3%増、東大は2回計で2327→2841名と22%の大幅増です。4回の応募総数では11084→11860名で7%増となります。また応募者数が1万名を超えるだけではなく、合格者総数も延べ5611名と5000名を超える超大規模入試です。なお東大Ⅰは30名の特待入試、東大Ⅱは特待選抜を兼ねています。合否判定は合格基準点を設定しての判定ですから応募者の増減による難易度の変動はないものと思われます。
・開智(さいたま市岩槻区)
1983年(昭和58年)に埼玉第一高校として開校しました。1997年には開智中学校が開校、1998年には法人名を開智学園と変更、1999年には高校も開智高校となりました。中学の募集定員は一貫部120名、先端部120名で計240名です。中3から合流する小中一貫教育校の開智総合部からの120名を合わせると360名です。高等部からの入学者180名は3年間カリキュラム、クラス、校舎とも別で合計では1学年540名と言う大規模校です。
2019年の大学合格実績(現浪計)は卒業生543名で国公立大学は東大14名、巨大1名、北大7名、東北大15名、一橋大5名、東工大5名など173名(現役158名)、早慶上理322名、GMARCH418名、国公立医学部医学科27名(防衛医大9名含む)、私大医学部医学科61名でした。
2020年入試では先端Aが1/15→1/14と1日前倒し、先端Bは1/23→1/17と大きく前倒しされています。応募者数は大宮開成の応募者急増の影響を受けたのか、先端部、一貫部ともに減っています。先端部は3回の計で3684→2822名と23%の大幅減、一貫部は2回の計で2769→2691名と3%減となりました。この結果長く県内の私立中の応募者数で栄東に続いて2位の位置をキープしていましたが、今年急増した大宮開成に逆転されて3位となっています。
・青山学院大学系属浦和ルーテル学院(さいたま市緑区)
昭和学院
県内の共学校では唯一のプロテスタント系ミッション校です。1953年に米国ルーテル教会ミズーリ派によって小学校が設立され、1963年に中学校が開校、1970年には高校が開校し小中高一貫教育の体制が確立しました。2015年に浦和美園の新校舎に移転しています。2019年に青山学院大学の系属校となり大人気となっています。小中高一貫教育をメインにしているため、中学校の外部からの定員は25名と非常に少なく、これに小学校からの内進生が加わります。
2019年入試は青学大系属校化により応募者が急増しましたが、2020年入試は更に前年を大きく上回る応募者を集めています。
1回が137→262名と91%増、2回は97→192名と98%増、合計では234→454名で94%の大幅増です。受験総数は404名で合格総数は141名、平均倍率は2.9倍です。なお3回は2/5で未実施です。
・獨協埼玉(越谷市)
獨協大学・獨協医科大学の付属校で1980年(昭和55年)に開校。2001年には中学校が開校しています。東京の獨協中高とは姉妹校ですが東京の獨協が男子校なのに対し、獨協埼玉は共学校です。中学の募集定員は160名、高校の外部募集の定員も160名です。
2019年の大学合格実績(現浪計)は卒業生364名で併設大学の推薦合格者は、獨協医科大学1名、獨協大学は72名でした。また外部受験では国公立大が北大1名、筑波大1名など13名、早慶上理17名、GMARCH114名、また医歯薬系34名などです。入試は3回ありすべて午前入試・4科入試とオーソドックスな入試です。
2020年入試の応募者は1回の男子が7%増女子も7%増、2回の男子は+-0、女子は7%減、3回の男子は4%減、女子は8%減でした。また男女別に定員が定められているため(男女各80名)、男女で合格点が異なり、2020年入試では340点満点で1回の男子141点、女子136点、2回は男子149点、女子125点、3回は男子210点、女子188点でした。
・大宮開成(さいたま市大宮区)
日出学園
1942年(昭和17年)に女子校として創設され1997年に共学の特進コースを設置、2005年には中学を開校し中高一貫部を設置しています。その後たびたびのコースの改編を経て、現在は全て共学化されています。2019年より中学の英数特科と特進の2コースは上位コースの英数特科コースに一本化されました。
一貫部の募集定員は120名、高校の募集定員は380名ですから高校卒業時には500名規模の学校になります。 大学入試では難関大合格実績が上がっており、2019年の主な大学合格実績(現浪計)は卒業生637名(一貫部46名、高校部591名)で国公立大学が東大2名、京大1名、東工大1名、一橋大2名、北大5名、東北大4名、埼玉大27名など120名、難関私大は早慶上理229名、GMARCH651名などです。まだ一貫部の卒業生が46名と少ないので主力は高校入学生ですが、現在の中学生は各学年100名(4クラス)~150名(5クラス)ですから今後は一貫部の卒業生の活躍が増えていくものと思われます。
入試は2/4を廃止して3回入試になりました。入試科目はすべて4科です。なお1/12は特待選抜です。
先にも触れましたが2020年入試の大宮開成は驚くべき応募者の急増で大注目の学校になりました。特待選抜は開智の先端Aと入試日が重複しましたが結果的には開智先端Aが7%減り、大宮開成特待選抜は649→1153名と78%の大幅増です。応募総数でも2312→3972名と72%の大幅増となり、倍率も1回が1.3→2.6倍、2回が1.7→6.0倍、特待選抜が5.3→12.0倍と急上昇し明らかに難化しています。
・西武学園文理(狭山市)
1981年(昭和56年)に高校が開校し、1993年に中学が開校しました。 中学の募集定員は140名、高校の外部からの募集定員は310名です。県西部では以前から人気の高い学校でしたが、近年は栄東や開智の勢いに押されているようです。
2019年の大学合格実績(現浪計)は卒業生390名で、国公立大は東大3名、京大1名、北大3名、阪大1名、名大1名など75名、早慶上理61名、GMARCH199名、医学部医学科28名などです。
2018年入試では4回に定員5名で一貫クラス入試が新設されています。
2019年入試は応募者数の変動がほとんどありませんでしたが、2020年は応募者数が相当に増加しています。1回~4回と算数1科・英語1科の応募者合計では1707→1980名と16%増でした。最後の思考力入試は2/5午後なので未実施です。
・浦和実業学園(さいたま市南区)
1946年(昭和21年)に開設された珠算塾が前身の商業高校でしたが、1963年に普通科を設置、1964年に現校名になりました。
中学校(中高一貫部)の募集定員は120名、高校の外部募集の定員は普通科が400名、商業科は240名で高校の1学年が760名という県内最大の大規模校です。中学から入学した生徒は原則的に中高一貫部で6年間学び、高校入学生とは別カリキュラム、別クラスです。
近年一貫部の進路実績が着実に上がってきており、2019年の中高一貫部の卒業生は63名で主な大学合格実績は国公立大が埼玉大1名、秋田大1名など12名、早慶上理12名、GMARCH23名でした。
2020年入試ではすでに終了した6回すべての入試で応募者が増えており、1/25実施の3回も締め切り前ですが出願者数は前年を超えています。6回の合計では1561→1831名と17%増です。
・西武台新座(新座市)
1981年(昭和56年)に高校が開校し2011年に中学が開校した新しい学校。高校の校名には「西武台高校」と「新座」がつきません。千葉の西武台千葉とは姉妹校ですが現在は別法人になっています。
中学の募集定員は80名で、高校の外部募集の定員は480名なので高校は560名規模の大規模校になります。中学から入学した生徒は高校から入学した生徒とは3年間別クラスです。
2019年の大学合格実績(現浪計)は卒業生510名で国公立大が京大1名、東工大1名など6名、早慶上理8名、GMARCH22名、日東駒專48名など 2020年入試の応募者は6回中5回の入試で男子が減少、女子が増加と男女で著しく異なっています。応募総数では464→498名と7%増でした。
・埼玉栄(さいたま市西区)
1972年(昭和47年)に高校が開校し2000年に中学校が開校した栄東と同一法人の学校です。
中学校の募集定員は116名、高校の外部からの募集定員は普通科が560名、保健体育科が160名、計720名という大規模校です。この2〜3年急激の大学合格実績が上がってきています。ここ3年の主な大学合格実績は国公立大が16→42→68名、早慶上智が5→12→14名、GMARCH+理科大が58 →79→101名という具合です。
入試は5回の入試で医学クラス、難関クラス、進学クラスの判定を行います(進学のみ1/10午後はなく4回)。2019年入試までは応募者数、倍率とも比較的安定した水準が続いていましたが2020年入試は激変しています。
2020年の応募者は医学クラスが350→922名と163%増、難関クラスが977→1429名と46%増、進学クラスは1020→1263名と24%増と大幅な増加です。応募総数では 2347→3614名と54%増でした。ただし合格者も増やしているのでさほど急激な難化はしていないようです。
・星野学園(川越市)
1964年(昭和39年)星野女子高校として開校し、2000年星野学園中学校が開校。2003年には高校が星野高校と校名変更、2009年に共学化しています。高校には共学部と女子部があり、中学からの内進生はほとんど全員が共学部に進学しています。 中学校の募集定員は併設小学校からの進学者60名を含めて160名、高校からの募集の定員は内進生を含めて共学部370名、女子部280名、計650名です。
大学合格実績は女子校時代に比べて大きく伸びており、2016年、2018年には東大合格者も出ています。2019年の主な実績は国公立大が、名大1名、東京外語大1名、埼玉大16名など84名、早慶上理が42名、GMARCHが147名などでした。
入試は今年からWEB出願になりました。理数選抜入試が2回、進学クラス入試が2回、総合選抜が1回で計5回の入試があり、応募者は理数選抜が3%増、進学が2%増、総合が7%減で総数では+0.4%と前年並みでした。
・細田学園(志木市)
1921年(大正10年)に創立された細田裁縫女学校が前身で1999年に共学化して細田学園高等学校と改称。中学校は2019年に開校したばかりの学校です。
中学校の定員は120名、高校の定員は440名で、一貫生は高校進学後も別クラスです。 開校初年度の2019年入試では8回の入試で応募総数が392名で、受験総数は277名、合格総数は103名ですから平均倍率は2.7倍でした。なおDots入試とは適性検査型入試です。開講2年目の2020年入試の応募総数は392→478名と22%増になっています。

(おわり)



〔次回予告〕千葉県1月私立中学校一般入試速報

1/20から始まった千葉の私立中学校一般入試は推薦入試(第一志望入試)と異なり併願受験者が多く、多くの県外性が受験しているため、入試規模も入試レベルも大きく異なるので全く別の入試になります。2月に後半の入試を構えている若干の学校がありますが、1/20〜1/25までのほとんどの入試は終わっています。次回は1/25までの入試状況をお伝えします。

そうだったのか!中学入試 コラムTOPにもどる

  


TOP