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第150話「2020年東京・神奈川中学入試予想②――東京・神奈川の共学校――

2020年1月16日

前回に続き予定を変更して11月の大手公開模試の動向から東京・神奈川の2020年中学入試の動向を予測します。昨年志望者数の集計方法を変えた模試があり、模試志望者動向の正確な前年比較ができなくなっています。そのため各種模試データから確実に推測可能な学校に限って入試予想をお伝えします。今回は東京・神奈川の共学校の2020年入試予想です。


東京と神奈川は明治初期から私学教育が盛んだった地域です。東京でも神奈川でも創立年が明治時代や大正時代の伝統校は当時の教育事情もありほとんどが別学(男子校と女子校)としてスタートしています。特に近代教育の黎明期にミッション校の果たした役割は大きく、女子学院やフェリス女学院、雙葉、東洋英和女学院などは現在も名門校として知られています。ちなみにあの麻布中高はミッション校ではありませんが、創立者の江原素六が元幕臣のクリスチャンだったので東洋英和女学院校長などの宣教師の支援を受けて東洋英和女学院の敷地内で誕生した学校です。
当時の東京は新宿や渋谷はまだ郊外で千代田区・中央区・文京区・台東などの皇居(江戸城)周辺の元武家地と中央区・台東区などの商業地に近代的な学校ができていきました。また神奈川でも開港後に開けて外国人居留地があった横浜山手や政財界の有力者の別荘が多かった鎌倉・逗子などの湘南地区に近代的な学校ができていきました。


このような歴史的背景から東京私学では伝統校(多くは別学)が23区のエリア、戦後に設立された新しい学校(ほとんどは共学校)は多摩地区のエリア、神奈川でも伝統校(多くは別学)が横浜中心部や湘南エリア、戦後に設立された新しい学校(ほとんどは共学校)は川崎北部、横浜西武、横浜北部や県央のエリアなどの郊外部という明確な所在地の分布があります。


近年共学化された学校が多いのはご存じのとおりですが2020年入試でも、小野学園女子(共学化後は品川翔英に校名変更予定)、聖ヨゼフ学園の共学化が予定されています。
共学化には大きく分けて3つのパターンがあります。

早慶やMARCH等の難関大学や有力大学の付属校の共学化。早実、明大明治、中央大附、中央大附横浜、法政大学、法政第二、東京農大第一、東京電機大学、東京都市大等々力、工学院大附、日大第一、日大第二、日大第三、神奈川大学附は中央大附横浜と東京都市大等々力以外は男子校からの共学化。これらの大学は戦後全て共学化されており、付属中高が共学化されるのは自然なことです。
中堅の女子大が共学化しそれに伴い付属中高が共学化する場合。文教大学付属、文化学園大学杉並、文京学院大学、武蔵野大学付属、東京成徳大学、東京立正、新渡戸文化、鶴見大学附など。同時共学化の場合と時期がずれる場合がある。
大学付属校でない別学中高の共学化。女子校からの共学化が多いが、男子校からの共学化も数校ある。青稜、桜丘、共栄学園、成立学園、宝仙学園理数インター、八雲学園、順天などは女子校からの共学化。郁文館、実践学園は男子校からの共学化。
*国学院久我山は元々男子部と女子部からなる併学だったが女子部の募集を停止。その後1991年に女子部の募集を再開した。共学ではなく男子部と女子部が独立した併学タイプの学校。



1.東京の共学校


・慶應中等部(港区)
慶應系の3中学でトップ校であり都内共学校のトップ校でもあります。11月模試の志望者は男子が2%減、女子は6%減ですがコアな受験者層は変わっていないと思われ難易度の変動はないでしょう。

・早稲田実業(国分寺市)
2001年(平成13年)に早稲田から国分寺市に移転し男子校から共学化されました。募集定員は男子85名、女子40名なので入試レベルはかなり女子の方が高くなります。11月模試の志望者数は男子が13%減、女子が6%増と男女で志望状況が大きく異なります。男子の志望者減は前年の応募者急増(372→442名と19%増)の反動でしょう。

・明治大学付明治(調布市)

2008年(平成20年)に千代田区から現校地に移転と同時に男子校から共学化されました。共学化以来男女別定員は設けていませんでしたが男女比が6:4になるように合格者を決定して来ました(男子約90名、女子60名の入学者が目標)。しかし2020年入試より男女5:5(男女各75名)と男女別定員を定めます。これにより男子は実質的に定員減、女子は定員増となります。11月模試の志望者数は1回が3%減、2回は12%の大幅減です。

・青山学院(渋谷区)
日本を代表するプロテスタント系ミッション校で幼稚園から大学までの一貫教育を行う典型的な大学付属校です。中学は偏差値的な学校評価とは別次元の都会的なおしゃれなイメージで富裕層の女子に人気が高い学校で、入試のボーダーは女子の方がかなり高くなります。2020年は2/3が日曜日のため入試日を2/2に移動します。11月模試の志望者は男子3%増、女子6%減でした。

・中央大学附(小金井市)
2001年(平成13年)に男子校から共学化されましたが女子に人気の高い学校です。募集定員は男女合わせて150名で男女別定員は定められていません。例年の合格最低点は女子の方が高いのですがそれでも女子の入学者方が多くなっています。11月模試の志望者は男子2%増、女子13%増でした。

・法政大学(三鷹市)
2007年(平成19年)に武蔵野市から三鷹市の旧東京女子大学の牟礼キャンパスに移転し、移転と同時に共学化し校名を法政大学第一中高から法政大学中高に変更しました。男女別定員は定められていませんが男女の入学者が1:1に近づくように合格者を決定しています。が、入学者は例年やや女子の方が多くなっています。女子の方が入学時の学力レベルが高いということになります。11月模試の志望者は1回が2%増、2回14%減でした。2/3の2回の減の多くは女子志望者の減で2/3に入試日移動した青山学院の影響でしょう。

・東京農大第一(世田谷区)

高校は男子部・女子部の併学でしたが1964年(昭和39年)に共学校になり、2005年(平成17年)に中学が開校しました。中学の定員は175名で高校は1学年が500名の大規模校になります。中学入試は男女別の定員がなく男女合同判定です。大学は農学部の評価が高い理系大学ですが、農学系しかないため高校しかなかったころから他大学進学者が多い学校でした。中学校が開校して以降は他大学進学の志向がさらに強まり、また東大や早慶上智などの難関大合格者が増えています。11月模試の志望者は2/1午後の1回が22%減、2/2午後で算国理3科入試の2回が42%の大幅増、3回は17%増です。2回の増では女子の159→262名の103名増が注目されます。

・渋谷教育学園渋谷(渋谷区)
1996年(平成8年)に開校した創立24年目の新しい学校です。1986年(昭和61年)に開校した姉妹校の渋谷教育学園幕張高附の蓄積と実績を背景に急成長し、共学上位校のほとんどが難関大学付属校の中で今や都内の進学校系共学校のトップ校です。2019年の卒業生は201名で、東大合格者は25→19名と減りましたが国公立大合格者の合計は97名と卒業人数のほぼ半数です。医学部医学科合格者も国公立大が12名、私大は延べ41名でした。11月模試の志望者は1回が8%減、2回は4%減ですが難易度が下がることを期待しない方がよいでしょう。

・品川翔英(品川区、現小野学園女子)
2020年に共学化されると同時に大きな教育改革で大注目の学校です。1932年(昭和7年)に京南家政女学校として設立された学校で現在は共学の幼稚園・小学校と女子校の中学校・高校があります。最寄り駅はJR横須賀線・湘南新宿ライン西大井駅徒歩5分、JR京浜東北線大井駅徒歩10分とアクセスの良い学校です。1999年に特進クラスを設置して大学進学に向けた学校への転換を図り、理系教育にも力を入れていたので、このレベルの女子校には珍しく理系進学者がかなりいます。現在の理事長・校長の小野時英先生は2020年4月からは理事長職に専念し、今年の年度中途に愛知県の海洋中等教育学校から招いて新体制の準備に取り組んでいる副校長の柴田哲彦先生が校長に就任予定です。入試も大きく変わり一般入試が5回と適性検査型入試が1回です。2019年入試までは非常に入学しやすいレベルの学校で、11月模試の志望者数はまだ増加が見られませんが2020年の共学初年度入試には入試状況が大きく変わるものと予想されます。

・東洋大京北(文京区)

1899年(明治32年)に京北尋常中学校として設立された創立121年目の伝統校です。 2011年に創立者が同じ井上円了である東洋大学と法人合併し現校名になりました。また2015年には文京区白山の新校舎に移転し共学化しています。中学の共学1期生は現在高2です。校長の石坂康倫先生は元都立桜修館中等教育学校校長であり前都立日比谷高校校長です。
2019年入試では応募者総数が958→1931名と102%増と激増しましたが、2020年入試ではさらに応募者が増えそうな勢いです。模試データが揃っていないので正確な予想はできませんが、応募総数で少なくとも10%~20%の増加が見込まれてボーダーの上昇は確実でしょう。

・広尾学園(港区)
1918年(大正7年)に順心女学校として設立された創立101年目の伝統校ですが、現在は最も先端的な教育を行っている学校としてのイメージが強いでしょう。
元々帰国生受け入れの実績があり、2006年には文科省からSGHの指定を受けました。2007年に共学化して広尾学園と校名変更して怒涛の進撃が始まりました。
2012年には広くはありませんが最新の教育設備が整った新校舎が完成しています。最寄り駅は東京メトロ日比谷線広尾駅徒歩1分です。
大学受験を目標として18歳の時点で最大瞬間風速的な学力をつけるような教育を批判し、急激に様変わりする社会で生きていくのに必要な力の育成を目指す教育は多くの人の支持を得て応募者が倍々ゲームのように増えて今では都内でもトップレベルの共学進学校になっています。
このところ入試状況は高値安定しており、11月模試の1回の志望者は前年比5%減ですが、減っているのはチャレンジ層でしょうから難易度の変動は考えられません。

・三田国際学園(世田谷区)
1902年(明治35年)に戸板裁縫学校として設立され、1916年に三田高等女学校となり今年で創立117年目を迎えました。1993年にはビジネス街の港区三田から静かな住宅街の世田谷区用賀の現在地に移転しています。港区の戸板女子短大は同じ法人の系列校ですが現在進学者はほとんどいません。最寄り駅は東急田園都市線用賀駅徒歩5分です。
本校の学校改革は前述の広尾学園の学校改革を成功させた、埼玉の塾経営者出身の大橋 清貴先生が2期8年の任期を終えて本校の学園長に就任して始動しました。2015年に共学化し校名変更し大人気となったのは記憶に新しいところです。中学の共学1期生は現在高2なので2021年の1期生が卒業し大学合格実績が大きく伸びることが予想されます。
2019年入試から今までの本科コースとインターナショナルコースに加えてMST(メディカル・サイエンス・テクノロジー)コ-スが新設され3コース制となりました。入試は計6回の入試がありますが、2019年入試ではインターの応募者が大きく増えMSTも458名集めて人気となりましたが、11月模試の志望者では1回が21%増です。インターの志望者は4回が30%以上増えていますが1回~3回とMSTは前年並みです。



2.神奈川の共学校


・慶應義塾湘南藤沢(藤沢市)

1992年(平成4年)に慶應義塾藤沢キャンパス(SFC)の広大なキャンパスに開校した慶應系の中学では最も新しい学校です。藤沢キャンパスには大学の総合政策・環境情報・看護医療の各学部があり、2018年には中高の西校舎が完成しています。アクセスは小田急線湘南台駅からバス15分、JR辻堂駅からのバス便もあります。
2019年入試では2019年4月に慶應義塾横浜初等部の1期生が内部進学するため学則を変更して中学の総定員を増やしましたが、外部募集の定員は120→100名(一般70名、帰国生30名)と減員されました。また入試は慶應中等部と同じ2段階選抜で入試方法にも多くの変更があり4科入試から4科・3科選択入試に変わりました。3科とは国語・算数・英語の3科目で英語は極めて高いレベルの出題で大きな話題になりました。
2019年入試は定員減のため応募者が692→541名と22%の大幅減となりましたが、11月模試の志望者は前年の反動か男子は3%増ですが、女子は25%の大幅増です。

・中央大横浜(横浜市都筑区)
1925年(大正14年)に設立された横浜女子商業が前身。2009年に中央大学と合併して順次中大の付属校化、校名変更、中学の共学化、高校の共学化、校地移転(横浜市中区の山手の丘から都筑区へ)して現在は中大の完全共学の付属校となり大人気の学校となっています。
アクセスは横浜市営地下鉄センター北駅徒歩10分。
入試は2/1と2/2午後の2回でいずれも4科入試。入試の合否判定は男女同一基準です。
2018年入試では1回の応募者が大きく減り、2回は増加しましたが、2019年入試では1回が34%増、2回は11%増とともに大きく増えました。
2020年入試は11月模試の志望者2回合計4%減から見ると、前年の反動で志望者がやや減る可能性が高そうですが、難易度の変動はないでしょう。

・法政大学第二(川崎市中原区)

1939年(昭和14年)に設立された法政大学の付属校で2016年に新校舎完成と同時に共学化されました。
アクセスは東急東横線、目黒線(東京メトロ南北線、三田線と直通)JR南武線、横須賀線、湘南新宿ラインの武蔵小杉駅から徒歩10分。
都心方面への利便性が高まり、駅周辺は高層マンションが林立(現在も数棟が建設中)していますが、法政二中にとっても地元川崎市内や横浜市内はもとより湘南方面や都内方面からの通学者が増えています。
中学入試では男女別に定員を定めており、男子が140名、女子が70名と男女の人数比は2:1です。そのため例年は合格最低点が女子の方が3~4点程度高くなっています。
共学化による人気と付属校人気による応募者増と難化によって少しずつチャレンジ層の減少と上位層の増加が続いています。
2019年入試の応募者は1回が11%増、2回は15%増とともに増えました。2020年入試は11月模試の志望者数で見る限り、1回が26%増、2回は6%減となっています。

・青山学院横浜英和(横浜市南区)
1880年(明治13年)に米国メソジスト教会から派遣されてきた女性宣教師ブリテンによって横浜山手の地に設立されたプロテスタント系ミッション校で、今年で創立140年目を迎えます。1916年に現在地に移転しました。2014年に青山学院大学の系属校となり、2016に校名変更し新校舎が完成、2018年に女子校から共学化されました。
アクセスは横浜市営地下鉄ブルーライン蒔田駅徒歩8分。校地は156段の階段を登った高台にあり中世の蒔田城跡(足利将軍家の分家吉良氏の居城。吉良氏は忠臣蔵の敵役で知られる吉良上野介義央の先祖)です。
2018年の共学初年度入試は3回の入試で男子の応募総数が338名でしたが女子の応募者は前年をやや下回る985名でした。しかし共学2年目の2019入試では男子が338→436名と29%増、女子は935→1151名と23%増で男女合計では1274→1587名と25%と大幅な増加でした。
2020年入試では11月模試の志望者数は2/1のAが15%以上の志望者増、また3回合計では前年比99%で前年の勢いが続いているようです。

・神奈川大学附(横浜市緑区)
1985年(昭和60年)に神奈川大学の付属の男子中高として横浜市緑区中山の地で開校しました。今年で創立35年目を迎える県内では新しい学校です。最寄り駅はJR横浜線・横浜市営地下鉄グリーンラインの中山駅徒歩15分です。開校を目指す大学の当初構想は神奈川大学への進学を目標とする付属校でしたが、筑波大学附属駒場中高の副校長だった初代校長の大澤清克先生が校長就任早々に進学校へシフト。開校5年目の1990年には共学化しました。その後2004年に第四代校長澤田敏志先生により進学校としての発展を目指した学校改革が行われ、週6日制、併設型中高一貫校への移行、大学受験に対応した少人数教室を備えた4号館の建設が行われ、現在では東大等の国公立大や難関私大で大きな実績を挙げています。2019年春の卒業生は202名で現浪合計の大学合格実績は、国公立大は京大1名、一橋大2名、東工大3名、北大5名、東北大2名、横浜国大12名など66名、難関私大は早慶上理が104名、GMARCHが243名、現役進学者で見ると国公立大48名(23.8%)、早慶上理が31名(15.3%)、GMARCHが35名(17.3%)でした。また海外大学合格者はThe University of Manchester1名など11名です。なお神奈川大学の内部推薦は15名(進学者は12名)でした。
2019年入試の応募者は前年の女子応募者減の反動で女子が855→981名と15%増でした。
2020年入試の11月模試の志望者は男女とも10%以上の減で合計では16%の減少です。

・桐蔭学園(横浜市青葉区)
1964年(昭和39年)に設立された県内の私学では新しい学校で、2020年に創立56年目を迎えます。最寄り駅は東急田園都市線市が尾駅、青葉台駅、小田急線新百合ヶ丘駅、柿生駅からいずれもバス便になります。かつて全国的にもトップレベルの大学合格実績を挙げていました。1992年には東大合格者114名を出して全国ランキングで開成、麻布に次いで3位でした。この前後の数年間は東大ベスト10の常連でしたが、2000年前後からベスト10に入るか入らないかというところまで後退し、その後急速に合格者数を減らしていきました。ここ数年は高校と中等教育学校の合計でも10名前後になっていました。
長く続いた低迷を打破するために数年前から学校改革のプロジェクトが立ち上がり、そのプロジェクトリーダーが現在の若き校長岡田直哉先生です。
2018年4月からスタートした改革の眼目は
  • アクティブラーニング導入による授業改革
  • 中学(男子部・女子部の併学)と中等教育学校(男子校)の2本立てになっていた中等教育を、2019年より中学校を廃止し中等教育学校(男女共学)に1本化。募集定員を375→190名に大幅に減員してスリム化。
  • 高校は2018年入試より男子部・女子部の併学制から完全共学化し中等教育学校とは全く別建ての組織となる。
以上のような大改革で2019年入試は入試状況が大きく変わりました。定員のほぼ半減により応募総数は2817→1149名となんと59%の大幅減。今まで合格者がかなり下まで広がっていましたが、下位合格者はすっぱり切られて合格者の平均レベルは急上昇です。
2020年入試は11月模試データが不完全なため確実とは言えませんがほぼ前年並みの応募者になりそうです。

・桐光学園(川崎市麻生区)

桐蔭学園の開校から14年遅れて1978年(昭和53年)に男子校として設立され1991年に女子部が設置され併学校となりました。2020年に創立42年目を迎えます。最寄り駅は小田急多摩線栗平駅徒歩12分です。開校から10数年は桐蔭学園の教育システムを取り入れ桐蔭学園に学んで発展してきましたが、現在は独自色を強めています。中学校の学校規模では桐蔭:桐光=375:320でしたが桐蔭の定員大幅削減によって190:320と逆転しています。なお桐蔭学園と桐光学園の所在地は桐蔭学園の横浜市に対して桐光学園は川崎市です。実は小田急線を挟んで両校は南北に向かい合うような位置にあり直線距離では5キロメートルほどしか離れていません。
2019年入試では桐蔭学園の入試改革の影響が注目されましたが、予想通り桐蔭学園の大幅な定員減によって受験生が流入し、応募総数で1426→1652名と16%増となりました。
2020年入試は11月模試の志望者数から見て男女ともに10%以上の応募者増になりそうです。

・聖ヨゼフ学園(横浜市鶴見区)
1957年(昭和32年)に開校した創立63年目で,県内のカトリック校では比較的新しい学校です。所在地は鶴見の高台で小規模な学校で知名度が高い学校ではありませんが、2019年に16年ぶりの東大合格者が出ました。実は今県内の私立中では大改革で大注目の学校のひとつです。来春より「輝きプロジェクト2019」に基づき以下のような大改革に突入します。
  1. 中学共学化
    • 近年女子校から共学化する私立中高は珍しくありませんが、県内のカトリック校は栄光学園、聖光学院、横浜雙葉などすべて別学校(男子校と女子校)で、本校の共学化は県内カトリック校では初となります。
  2. 国際バカロレア(IB)導入
    • 現在IB候補校申請中 / 2021.1月 認定予定
      MYP授業の完全実施(*MYPとは11~16歳対象のIBの教育プログラム)
      近年多くの学校でグローバル教育の重要性が語られていますが、その具体的な内容は英語4技能や海外研修の充実など学校によって様々です。文科省の呼びかけで全国の公立・私立の中学高校で国際バカロレア(IB)導入の動きが広まっていますが、神奈川の中学では本校が初の導入です。
    • *国際バカロレア(IB)は1968年にスイスではじまった、世界中の大学への進学が可能な教育プログラム。現在147か国(と地域)の1400校以上の学校で実施されている。導入を希望する学校は厳しい審査と研修を受けて導入が認められる。
小規模なカトリック女子校で地味なイメージのためいままでは受験生を大量に集める学校ではなく、定員の50名を満たすこともありませんでした。大手模試の志望者数ではまだはっきりと表れていませんが、学校説明会の参加者や各地の相談会での相談件数はかなり増えているとのことですから応募者が増えることは間違いありません、共学化とIBの導入によって受験生・保護者の間で注目を集めているものと思われます。

・森村学園(横浜市緑区)
創立者の森村市左衛門は現在のノリタケ、日本ガイシ、TOTO、日本特殊陶業、森村商事等を擁する森村財閥(現森村グループ)の総帥として渋沢栄一とともに日本の近代化に大きな貢献をした実業家です。教育にも関心が深く慶応大学、早稲田大学、日本女子大学、北里研究所(現北里大学)などへの後援活動で知られています。本校は1910年(明治43年)に森村市左衛門の高輪の自宅内に開設した私立南高輪幼稚園、南高輪尋常小学校が前身で2020年に創立110年目を迎えます。中高は女子校でしたが1950年に男女別学制となり男子部・女子部が発足、1978年の横浜市緑区の新校地への移転に際し完全共学化されました。併設の幼稚園と小学校があり高校からの募集はしていません。
アクセスは東急田園都市線つくしの駅徒歩5分、またはJR横浜線、田園都市線の長津田駅徒歩13分です。なお最寄り駅のつくしの駅は東京都町田市にありますが、駅から坂を下って行く途中すぐのところに都県境があり森村学園は神奈川県横浜市の学校です。
1997年より大学進学を柱とする中高一貫体制に転換し、それまで別組織だった中学と高校の職員組織を一体化させ、2000年には5クラス制がスタート、2004年には週6日制になっています。このような学校改革によって国公立大や難関私大、医学部などの実績が大きく伸びています。最近では「言語技術」の新たな取り組みによりグローバル社会に欠かせないコミュニケーションスキルの習得を目指し評価されています。
入試は3回あり1回と2回は2科4科選択入試、3回は4科入試で、午後入試はやっていません。合否判定は男女同一基準で行っています。元女子校だったためか女子の方に人気がありましたが、最近は進学校として認知されるとともに男子が増えきました。しかしまだ女子の人数の方が多くなっています。
ここ数年は応募者数が安定していますが、2020年入試は模試データが不足していて明確には言い切れませんが、若干減る可能性があります。

(おわり)



[次回予告] 「千葉県私立中推薦入試(第一志望入試)速報」

次回は千葉県私立中入試の前哨戦である推薦入試(第一志望入試)のレポートです。

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