コラム「そうだったのか!中学入試」
トップページ > コラム「そうだったのか!中学入試」 > 第133話「10月公開模試からみる2019年中学入試動向(1)」

第133話「10月公開模試からみる2019年中学入試動向(1)

2018年12月14日

今回は大手公開模試の10月模試の志望状況から2019年私立中入試を予想します。

10月に入ると志望校選びもより現実的になってきます。10月の大手公開模試4社の受験者は9月より1,273名減っていて44,557名でした。また前年10月との比較では男子が4.2%増,女子は4.8%増でトータルでは4,5 %増です。
今回は10月の公開模試の志望動向から東京の主要校を見ていきます。なおコメントは9月模試以降の動きのある学校を中心にしています。

*首都圏模試センターの模試の複数回入試のある学校のデータは使えないので 採用していません。( )内はデータが3社しかなく前年との直接比較ができ ない学校です。データが2社しか取れない学校・入試回は割愛しています。
*学校名の後ろの数字は志望者数の対前年同月比(%)で2016年10月→2017年10月→2018 10月の3年間の推移。またMは男子,Fは女子です。

1.東京の男子校

まず最上位レベルの6校から見ていきます。

             
開成  106→109→96%
麻布   99→94→106%
駒場東邦  95→91→103%
武蔵  92→93→107%
海城 1回92→93→107%
2回92→93→107%
早稲田 1回116→107→(91)%
2回99→99→(90)%


ここで注目されるのは開成(荒川区)の志望者減少と麻布(港区)の志望者増加です。 最近の麻布は面倒見がよくなったとの声があり、校長の平秀明先生も通常の学校説明会以外の塾単位の小規模な説明会などにも参加して積極的に学校のアピールにつとめて好感をもたれているようです。さらに東大合格者が79→98名と大きく増えたこともあって 志望者増につながっているのでしょう。 また2年続いて応募者が減っていた武蔵(練馬区)が10月模試の志望者が7%増加および3年連続で応募者が減り続けていた駒場東邦(世田谷区)が増加に転じていて注目されます。

次に上記6校につぐグループの学校8校を見ていきます。

                                               
本郷 1回105→96→(115)%
2回107→98→(118)%
3回92→85→(105)%
城北 1回110→107→(92)%
2回104→113→(84)%
3回100→109→(94)%
巣鴨 Ⅰ期101→100→(109)%
Ⅱ期87→86→(86)%
Ⅲ期**→128%(2018新設)
算数0→296名(2019新設)
桐朋 1回 102→102→(87)%
2回93→94→(106)%
1回99→105→(97)%
2回99→97→(95)%
攻玉社 1回98→111→(93)%
2回118→118→(79)%
特選101→108→(75)%
世田谷学園 1次120→128→(111)%
2次97→92→(95)%
3次98→92→(94)%
算数0→299名
東京都市大付 1回101→106→(117)%
2回101→103→(140)%
3回98→102→(125)%
4回100→103→(135)%

本郷
本郷(豊島区)の国公立大実績は101→92名とやや減っていますが、最難関の東大・京大・一橋大・東工大の4大学の合計では29→40名と大きく伸びて大きな注目を集めています。前年入試で3回の入試すべてで応募者を減らしましたが、好調な進路実績のせいか10月模試の志望者は3回の入試すべてで大きく増えています。

巣鴨(豊島区)は2018年入試で2/4に3回を新設して329名の応募者を集めました。さらに2019年入試では2/1PMに算数選抜を新設します。10月模試では296名の志望者を集めています。


攻玉社(品川区)は2/5の算数1科と国語1科の選択入試のうち国語1科(10名)を廃止し2/2の2回の定員を70→80名に増員します。算数1科(20名)は今まで通りですが、10月模試の志望者は大幅な減少です。さらに定員増の2回も大きく減少しそうです。志望動向がこのままいけばかなり緩和した入試になりそうです。

世田谷学園(世田谷区)は2019年入試より2/1PMに算数特選を新設します。学校の目論見としては午前中に徒歩圏内の駒場東邦を受けた受験生に来てもらいたいようです。10月模試の算数特選の志望者は奇しくも巣鴨の算数選抜とほぼ同数の299名です。

東京都市大付(世田谷区)は10月模試の志望者が4回すべてで前年比を上回り以前の人気ぶりが復活しています。

次に有力私大付属の男子校4校の志望状況を掲載しておきます。付属校人気は続いており10月模試の志望者前年比は3年連続で上昇しています。

             
早稲田高等学院  120→116→(105)%
学習院 1回131→130→(108)%
2回127→127→(121)%
立教池袋 1回106→111→(112)%
2回114→118→(119)%
明大中野 1回104→105→(119)%
2回112→112→(105)%

1.東京の女子校

まず最難関レベルの3校(女子御三家)とこれに続くレベルの8校を見ていきます。

                                 
桜蔭  97→98→97%
女子学院  115→112→102%
雙葉  93→90→124%
豊島岡女子 1回111→105→(100)%
2回102→100→(96)%
3回112→101→(90)%
鷗友学園女子 1次99→101→(103)%
2次109→107→(123)%
吉祥寺女子 1回109→108→(121)%
2回118→115→(107)%
3回115→113→(105)%
学習院女子 A 115→117→(110)%
B125→121→(125)%
頌栄女子学院 1回130→121→(85)%
2回116→111→(87)%
立教女学院  119→106→118%
白百合学園  93→79→121%
東洋英和女学院 A94→97→(96)%
B 90→98→(85)%

桜蔭(文京区)の応募者は隔年現象が続いていて2019年入試では微減となりそうです。

女子学院(千代田区)は横浜のフェリス女学院とならび1870年(明治3年)創立の日本最古のプロテスタント系ミッション校です。2018年入試で応募者が676→760名と激増し倍率も2.3→2.6倍に急上昇しました。10月模試の志望者前年比からみて今春入試並み以上の状況が予想されます。

鷗友学園女子(世田谷区)の2018年の大学合格実績は国公立大が東大6名,京大4,一橋大4,東工大6など計92名,早慶上智大が227名,GMARCHが292名です。2016年入試から2回入試になり1次の定員が180名に増えて倍率が低下しましたが,2016年、2017年・2018年と2.5→2.6→2.7倍とジワジワ上がってきていています。10月模試の1次の志望者は前年比3%増ですからさらに倍率が上がりそうです。2/3の2次の志望者は23%の大幅増です。

学習院女子
学習院女子(新宿区)の卒業生は205名で,併設の学習院女子大(同じ敷地です)には1名しか進学していませんが,系列の学習院大学には123名(60%)が進学。他大学は国公立大が北大1名,神戸大1名、浜松医大など計5名,私大は早慶上智28名など53名です。付属校でありながら難関国私立大へも多くの合格者出しており人気が高いようです。10月の志望者はAが10%増,Bは25%増と前年に続き応募者が大きく増えそうです。

頌栄女子学院(港区)はプロテスタント系のキリスト教主義学校で、帰国生が多く上智大や慶応大などの難関私大の文系学部に強い学校として知られていましたが、近年では国公立大学や理系あるいは医学部などにも合格者が増えています。2018年の大学合格実績は東大2、一橋大5、東工大5、北大4、東北大1、阪大1など国立大51名です。また私立大はこの学校らしく早慶上理303名、GMARCH273名で早慶上理の方が多くなっています。
10月模試の志望者は前年の応募者急増、倍率上昇で敬遠されているようで1回が15%減、2回は17%減となっています。しかし減っているのはチャレンジ層でしょうからおそらく難易度は下がらないでしょう。

3.東京の共学校

都内の上位共学校は早慶大やMARCH大の付属校が主力です。御存じのようにここ数年で付属校人気が復活しています。その理由は3つほどありそうです。

①2020年からの大学入試改革に対する不安

②文科省による大都市圏の有力私大を対象とした入学定員の厳格化(入学者が超過した大学はペナルティで補助金カット)により早慶上智やGMARCHなどが合格者絞込みで難化。(付属校からの内部進学には関係なし)

③付属校の教育に対する評価の上昇
以前の付属校は併設大学のブランド力に頼って十年一律の教育が行われていましたが,近年では時代の状況変化に合わせたグローバル教育など学校改革にも積極的に対応し ています。
また大学側も付属校の生徒にも学習成績(内申)条件以外に,英検やTOEICなどの資格あるいは大学受験用の模擬試験の偏差値で基準を設定し,これを超えなければ入学を認めないなど付属生に対し一定の学力を担保させるようになっています。
かつては付属校から進学してきた学生は受験で入学した学生に比べて学力が低いといわれていましたが、近年では付属校でもしっかり勉強をさせるようになって入学後の成績も良好で首席卒業者は付附属校からの内進生という学校も多くなってきました。

まず早慶・MARCH付属校の10月模試志望者数の3年間推移です。

慶應中等部 M 123→123→96%
F 132→127→110%
早稲田実業 M 109→112→123%
F 109→109→111%
明大明治 1回 M 111→103→(106)%
F 122→119→(84)%
2回 M 96→108→(122)%
F 120→124→(84)%
青山学院 M 110→113→119%
F 109→104→121%
中央大附 1回 M 100→104→(111)%
F 98→92→(139)%
2回 M 114→121→(120)%
F 108→109→(137)%
法政大学 1回 M 110→108→(105)%
F 78→93→115%
2回 M 113→109→(112)%
F 111→118→(116)%
3回 M 109→110→(122)%
F 116→109→(90)%

慶應中等部(港区)は10月模試男子志望者の4%減は,2018年入試で応募者が851→1016名と急増(19%増)した反動でしょう。女子は応募者増が続いていますが,2019年入試でも増加が続きそうです。なお慶應湘南藤沢の定員減で男子受験生は主に慶応普通部へ向かい,女子受験生は慶應中等部へ向かっています(慶應普通部は男子校ですから女子は受験できません)。

早稲田実業(国分寺市)は今春入試で男女とも応募者が増加しました。10月模試の志望者は男子が23%増と大きく増加,女子も11%の増加で人気の高さがうかがえます。

明大明治
明大明治(調布市)は大学の人気の高さもあり,MARCH系付属校では最も難易度の高い学校です。多摩地区の学校ですが23区在住の生徒36%と多摩地区在住の生徒38%とほぼ同数です。神奈川在住の生徒も22%います。10月模試志望者は1回・2回ともに男子が増加,女子は減少と男女で大きく異なる志望状況です。女子の減少は次に述べる青山学院と関連していそうです。

青山学院(渋谷区)は2018年入試で男子は応募者が12%の大幅増,女子は6%増ですが3年連続の増加です。10月模試の志望者は男女とも増えていますが特に女子は大幅に増えそうで,明大明治から流れてきている可能性が大です。

次に進学校系の2校を見ておきます。

渋谷教育学園渋谷 1回 M 107→100→(100)%
F 115→104→(103)%
2回 M 104→104→(100)%
F 97→98→(107)%
3回 M 104→96→(98)%
F 101→94→(89)%
広尾学園 1回 M 90→90→(97)%
F 104→93→(105)%
2回 M 102→90→(94)%
F 96→82→(104)%
医サ M 99→88→(109)%
F 82→85→(102)%
3回 M 145→130→(104)%
F 95→86→(107)%

渋谷教育学園渋谷(渋谷区)は2015年の東大合格者が14→33名と大躍進し2016年も30名,2017年・2018年は25名でした。都内の共学系進学校としてトップの位置は盤石です。男子の模試志望者は前年並み。女子の志望者はやや増えそうな状況です。ただしこの程度の増減では難易度の変動はないでしょう。

広尾学園
広尾学園(港区)は2007年の共学化して毎年のように応募者が増加し大変な勢いで難易度もアップ。一時落ち着いた入試状況になりましたがここ数年は再び応募者増加,倍率上昇,入試レベルアップが続きました。

2017年入試ですべての入試回の受験者が前年を上回り、また大学合格実績も大きく伸びました。ここ3年間の東大合格者は1→2→6名です。2017年入試ですべての入試回の受験者が前年を上回った反動で2018年入試では大きく応募者が減りました。10月模試志望者を見ると男子はやや減少ですが,女子は前年の減少の反動か相当な増加です。

(おわり)

[次回予告] 「10月公開模試からみる2019年中学入試動向(3) 附千葉推薦入試速報」

今回に続き10月模試の志望動向から2019年入試を予想します。次回は神奈川・埼玉の注目される学校を中心に見ていきます。また12/1から始まった千葉の推薦入試の速報をお伝えします。

そうだったのか!中学入試 コラムTOPにもどる


学校紹介

  • 江戸川女子中学校
  • 桜美林中学校
  • 洗足学園中学校
  • 千葉日大第一中学校
  • 千葉明徳中学校
  • 共立女子中学高等学校
▼高校受験・入試情報へ
市進 受験情報ナビ
▼小学校受験・入試情報へ
桐杏学園
▼小学生・保護者の皆さまへ
  • 港区三田の幼児保育・学童保育
    クランテテ
  • 市進教育グループの民間学童
    ナナカラ
  • 計算力・漢桐杏学園問題集字力アップ
▼市進教育グループの個別指導
一人と向き合いじっくり伸ばす個太郎塾
▼市進教育グループの家庭教師
プロ家庭教師ウイング
▼茨城の中高受験指導は
市進グループ 茨進
▼学校の先生へ
  • 指導者向け・技術者向けDVD販売 ジャパンライム
  • 市進研修サービス

facebook市進学校情報 市進学校情報へ


TOP