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第131話「9月公開模試から見る2019年中学入試動向(1)

2018年11月7日

毎年大手公開模試3~4社の学校別志望者数から翌年の入試を予想していましたが、今年は首都圏模試センターが各中学の志望者数の集計方法を試験回別から学校別に変えたため、一部の学校を除いて志望者数の前年度同月比較ができなくなりました。やむをえませんので各模試の受験生のレベルや地域性などの模試の特性を考慮して入試動向を見ていきます。
首都圏模試センターが集計方法を変えたのは複数回入試のある学校だけなので入試が1回しかない学校(御三家など数校しかありませんが)は前年との直接比較が可能です。
なお首都圏模試センターの数字が使えない学校については他の模試会社の数字をもとに仮の数字を( )に入れて表します。また首都圏模試センター以外の模試会社は志望者数の少ない学校を省略、あるいは1月入試や2/4以降の入試のデータがない会社もあるため扱う学校や入試回が限定されることを御了承ください。
今回は上位校のうち東京の男子校と女子校についてのレポートです。


1.9月公開模試受験者数より 2019年中学入試受験者数を予想

2019年入試の受験者数を9月に行われた大手公開模試の受験者数から予想してみます。
( )内は前年比(%)です。

  2018.9 2017.9 2016.9
男子 23710(+3.0%) 23,022(+2.9%) 22,375(-1.4%)
女子 22,120(+4.2%) 21,236(+0.5%) 21,120(-0.7%)
45,830(+3.6%) 44,258(+1.8%) 43,495(-1.0%)

7月模試の受験者総数は前年比4.6%増でしたが、上記のように9月模試の受験者は前年比3.6%増とやや減りました(受験者数自体は7月→9月で1,572名の増加)。また7月では男女の増加率ほぼ同レベルでしたが、9月では女子の方の増加率が大きくなっています。
また首都圏(1都3県)の小6生の人数は2011年から減り続けていましたが、2018年度は7年ぶりに3.8%の増加に転じます。

 

これらを合わせて考えると、10月以降の模試での受験者数に多少の変動があるとしても、2019年国私立中学受験者数は4万7千名~4万8千名程度になると予想できるでしょう。

1.男子校の志望動向

*学校名の後ろの数字は2016→2018年の志望者数の対前年同月比(%)推移。

(1)東京の男子校

まず最上位レベルの4校から見ていきます。なお4校とも入試が1回の学校ですから前年との直接比較が可能な学校です。

開成 100→106→96%
麻布 102→99→104%
武蔵 90→92→106%
駒場東邦 92→95→104%

開成(荒川区)は前年の6%増から4%減で2016年並みになりそうです。難易度が変動することはないでしょう。減少分は麻布・駒場東邦・武蔵などに分散していると思われます。

麻布(港区)の志望者は4%増です。東大合格者が79→98名と大きく増えたためか上位層が厚くなっています。一部は開成からの流入がありそうです。

武蔵(練馬区)は2年連続の応募者減でした。今年の6%増はその反動でしょう。なおボーダーラインの偏差値はさほど上がっていませんが、受験者層はジワジワ上がってきています。


駒場東邦
駒場東邦
駒場東邦(世田谷区)の応募者は3年連続の減少で、2015年の応募者662名から見ると今年の応募者513名は38%減ですから大幅な減少と言えます。9月模試の志望者数は久方ぶりに増加に転じ、前年比で4%増です。以前の水準にはまだ遠いのですがひとまず一息ついたというところでしょうか。







次に上記の学校に続くレベルの4校の男子校を見ていきます。複数回入試の学校のため直接比較ができないので( )内の仮の数字で見ていきます。

海城 1回 101→95→(110)%
2回 99→104→(105)%
早稲田 1回 92→116→(87)%
2回 108→99→(91)%
1回 103→99→(94)%
本郷 1回 95→105→(110)%
2回 105→107→(110)%
3回 81→92→(110)%

海城(新宿区)は2016年の東大合格者数が56→30名と大きく減って、2017年9月模試の1回志望者は5%減でしたが、今年の9月志望者は前年・今年と東大合格者数が回復したせいか増加に転じています。

早稲田(新宿区)は学年の約半数が早稲田大学へ内部進学し、残りの約半数は東大や慶應などの難関大を受験して進学している半付属校です。前年は1回の応募者が7%増だったためか、今年の9月志望者は易化している駒場東邦に流れている可能性があります。

(港区)は2018年入試で応募者が増え2.9→3.2倍と倍率上昇。9月模試の1回の志望者数は敬遠されているのかやや減少しています。


本郷
本郷
本郷 豊島区)は近年人気が高く前年に続き志望者が増えています。2018年入試では模試志望者増にもかかわらず実際の応募者が減りました。倍率上昇が予想されて敬遠されたのでしょう。
2019年入試では東大合格者が10→17名と大きく増えたこともあり応募者増となる可能性大です。






以下の6校については模試データのみ掲出します。

城北 1回 100→110→(102)%
2回 96→104→(88)%
巣鴨 Ⅰ期 102→101→(99)%
Ⅱ期 91→87→(88)%
桐朋 1回 106→102→(81)%
2回 112→93→(100)%
攻玉社 1回 98→98→(99)%
2回 108→118→(85)%
世田谷学園 1次 131→120→(96)%
2次 93→97→(90)%
東京都市大付 1回 105→101→(114)%
2回 91→101→(113)%

次に有力私大付属男子校の志望状況を見ていきます。

早稲田高等学院   108→107→95%
学習院 1回 106→107→(108)%
2回 98→132→(120)%
立教池袋 1回 86→118→(105)%
明大中野 1回 107→111→(123)%

2020年にセンター試験廃止・新テスト導入で大学入試が大きく変わることに対する不安から大学付属校への志向が高くなっています。また入学者が定員を超過した大学には補助金をその分削減するという文科省の方針が示されて、今まで定員を超える入学者を入れていた多くの大都市圏の難関私大が合格者を絞り込んで難化していますから、これも付属校志向を強めているでしょう。
また多くの付属校も以前のように併設大学のブランド力に頼るだけではなくグローバル時代を迎えて新たな取り組みを始めており、中学・高校の教育内容の独自性をしっかりと発信するようになってきています。

早稲田大学高等学院(練馬区)は慶応系の付属校と並びほぼ全員が早稲田大学に進学する完全な付属校です。実際の応募者が2年連続で増えており、特に今年は407→478名と17%の大幅増のため敬遠傾向が出ており、9月模試の志望者は5%減です。


学習院
学習院
学習院(豊島区)は併設大への進学は半分弱で、残りは国公立大や早慶上智大などの難関私大へ進学する進学色の強い半付属校です。2017年入試の応募者は9%減でしたが、2018年入試の応募者は303→394名と30%の大幅増でした。
9月模試の志望者から見て2019年入試でも応募者の増加が続きそうです。






立教池袋(豊島区)の模試志望者数から応募者増が予想されましたが、今春の1回入試の応募者は前年と全く同数でした。9月模試の1回志望者やや増加です。なお2回は2/5のため模試データがありません。

明治大学附属中野(中野区)の2018年入試の応募者は1回・2回とも微増でした。9月模試の志望者動向から見ると1回は大きく増加の可能性があります。2回は2/4のため模試データがありません。

2.女子校

まず最難関レベルの3校(女子御三家)から見ていきます。

桜蔭   103→97→104%
女子学院   102→112→102%
雙葉   106→87→116%
豊島岡女子 1回 90→110→(100)%
2回 93→102→(98)%

桜蔭(文京区)は2018年入試で女子学院の応募者が84名の大幅増の中で応募者が17名の増加でした。9月模試の志望者数から見るとさらに受験者が増えそうです。

女子学院(千代田区)の2018年入試の応募者は12%増でした。9月模試では志望者が微増でまだ勢いが続いています


雙葉
雙葉
雙葉 (千代田区)は内進生約80名を除き定員100名の小規模なカトリックミッション校です。
近年では国公立大や医学部志向が強くなっていて、今春の医学部・薬学部合格者数は51名です。
2018年入試では受験生が女子学院へ流れたのか応募者が366→307名と大幅に減少しましたが、9月模試の志望者を見ると大きく回復しそうです。





豊島岡女子(豊島区) のこの3年間の受験者数は1回が約1,000名、2回が約500名です。9月模試の志望者数から見てこの水準が続きそうです。

上記4校に続くレベルの8校を見ていきます。

?友学園女子 1次 107→94→(101)%
2次 81→118→(119)%
吉祥女子 1回 100→108→(118)%
2回 96→103→(100)%
学習院女子 A 135→128→(118)%
B 116→121→(134)%
頌栄女子学院 1回 84→128→(91)%
立教女学院   93→121→111%
白百合学園   110→92→105%
東洋英和女学院 A 104→91→(95)%
B 116→78→(91)%

?友学園女子(世田谷区)は2回入試に変わって3年になります。2018年入試の1次は以前の倍率を回復し2.0倍でした。9月模試の志望動向から見て好調を維持しそうです。

吉祥女子(武蔵野市)の2018年入試1回の応募者は466→571名と23%の大幅増でした。9月模試の志望者数から見るとさらに増えそうな勢いです。

学習院女子(新宿区)は4割前後が国公立大や難関私大に進学しています。今春入試の応募者はAが10%増、Bは13%増でした。9月模試の志望者からみて2019年入試でも好調を維持しそうです。

頌栄女子学院港区)は1884年(明治34年)に設立された頌栄学校を前身とする創立134年目の伝統校でプロテスタント系のキリスト教学校です。都営浅草線高輪台駅徒歩1分と抜群のアクセスながら緑に恵まれた歴史を感じさせられるキャンパスです。
以前は帰国生が多く英語教育に強い難関私大の文系進学者の多い学校でしたが、近年は東大・東工大・一橋大などの国公立大にも多くの合格者を出し、医学部などの医療系学部や自然科学系学部などの理系学部合格者が30%を超すようになっています。
2017年春の東大6名の躍進のせいか2018年入試の受験者1回が32%増、2回は27%増と大幅に増加しました。さすがに9月模試の志望者には敬遠傾向が出ていますが、難易度は高めで安定しそうです。


立教女学院
立教女学院
立教女学院 (杉並区)は創立141年目の米国聖公会系のミッション校で、女子学院についで都内最古の女子校の一つ。
新宿より西側の女子校では最もブランドイメージの高い学校です。併設の立教女学院短大への進学者はほとんどいませんが、姉妹校の立教大学へは推薦入学制度により100名前後が進学します。2017年入試の応募者16%の大幅増。2018年入試は前年並みでした。9月模試の志望者数から見るとさらに増加する可能性があります。




白百合学園(千代田区)はカトリック系ミッション校で小規模な学校です(今春卒業生171名)。2018年の東大合格者は8名ですが、医学部医学科合格者が非常に多く、国公立大が東大理Ⅲ・京大医学部など7名、私大20名、また医学部・歯学部・薬学部の医療系3学部への進学率は24%になります。2018年入試の応募者は18%の大幅減でしたが、9月模試の志望者数から見てかなり回復しそうです。なお帰国生を除くと募集が60名と極端に少ないのですが例年合格者は100名以上出しています。

東洋英和女学院(港区)はプロテスタント系ミッション校です。2017年入試ではA・Bともに相当な減少でしたが2018年入試の応募者はほぼ前年並みでした。9月模試の志望者はAが5%減です。またBは2/3が日曜日になるため2/2に変更され競合校が増えるので志望者9%減です。

(つづく)

[次回予告] 「9月公開模試から見る2019年中学入試動向(2)」

 今回に続き9月模試の志望者から東京の共学校および神奈川・千葉・埼玉の男子校・女子校・共学校の志望動向を見ていきます。

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