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第128話「2018年 大学合格実績が伸びた注目校(2)

2018年8月10日

前回の国公立大の実績が伸びた学校に続き、今回は私立大学の実績が伸びた学校をご紹介します。また難関大合格実績を伸ばしたいくつかの中堅レベルの私立中高と公立中高一貫校について個別の状況を見てみます。

すでにご承知と思いますが、2016年以降文科省の地方創生政策の一環による23区内の私大の定員厳格化により、以前は定員より相当に多い合格者を出していた多くの難関私大が合格者数を大幅に削減しています。たとえば早稲田大学と青山学院大学の直近4年間の合格者総数を見ると

  2015 2016 2017 2018 2015-2018
早稲田大学 18,414 17,976 16,087 14,621 -3,793
青山学院大学 9,277 8,833 7,722 6,708 -2,569

さらに早慶上理大合計・GMARCH大合計で見ると

  2015 2016 2017 2018 2015-2018
早慶上理 48,777 47,899 45,483 44,335 -4,442
GMARCH 87,262 90,063 84,252 76,191 -11,071

といった具合です。

これだけ合格者が削減されれば当然倍率アップ・難易度アップとなるため首都圏の多くの私立中高でここ数年の難関私立大学の合格実績が下がっていますが、ある意味で当然のことと言えるでしょう。

1.2013年~2018年の5年間で早慶上理大合格者数を伸ばした学

ここでは大学定員厳格化の中でも早慶上理大の2013年から2018年の5年間で合格者数を伸ばした学校を見ていきます。なお開校年度が2014年以降の公立一貫校は5年間の伸びを見ることができないので除いています。また多くの難関私大合格者を出している学校でも, 2018年の合格者が2013年の合格者と同数以下の場合は入っていません(桜蔭や駒場東邦・豊島岡女子学園など)。

(東京 国私立中高)

  2013 2018 増加率(%)
開成 445 513 15.3
東京学芸大附 387 388 0.3
本郷 277 312 12.6
筑波大附 273 281 2.9
頌栄女子学院 273 283 3.7
國學院久我山 189 211 11.6
渋谷教育学園渋谷 182 187 2.7
東京都市大付 115 171 48.7
広尾学園 68 140 105.9
青稜 91 111 22.0
田園調布学園 86 108 25.6
淑徳 65 97 49.2
東京都市大等々力 15 97 546.7
順天 58 92 58.6
宝仙学園 27 83 207.4
東京女学館 78 80 2.6
学芸大国際 43 74 72.1
明治学院 41 60 46.3
青山学院 54 57 5.6
明大明治 6 56 833.3
八王子学園八王子 46 53 15.2
足立学園 40 50 25.0

2018年の早慶上理大合格者数が50名以上の学校で,伸びが大きく注目されるのは

広尾学園の72名増で105.9%増
東京都市大等々力の82名増で546.7%増
宝仙学園の56名増で207.4%増
明大明治の50名増で833.3%増

の4校が100%を超える増加で注目されます。

明大明治は増加率が833.3%という驚異的な数字ですが、もともと入学レベルが非常に高い学校で,早慶上理大の増加は学力レベルが上昇したためではなく,ほとんどが併設の明治大学へ進学していた生徒の進路希望が変化してきているためです。
東京都市大等々力の546.7%増も大変なものですが、これは学校自体のレベル上昇によって早慶上理大の合格実績が大幅に上昇したものです。

  2013 2018 増加率(%)
淑徳巣鴨 10 49 390.0
駒込 25 41 64.0
明大中野 27 39 44.4
多摩大目黒 11 34 209.1
佼成学園 21 28 33.3
実践学園 9 24 166.7
法政大学 9 22 144.4
昭和女子大附昭和 9 22 144.4
聖ドミニコ学園 6 20 233.3
日本大学第一 15 18 20.0
香蘭女学校 14 18 28.6
中央大附 11 18 63.6
玉川学園 14 16 14.3
三田国際学園 2 15 650.0
明大中野八王子 9 10 11.1
星美学園 5 10 100.0
文化学園杉並 4 10 150.0
文教大付 7 9 28.6
明星学園 7 8 14.3
富士見丘 2 8 300.0
城西大城西 2 7 350.0
帝京 3 5 66.7
武蔵野女子学院 2 5 150.0
日本学園 0 5
和光 2 4 100.0
京華女子 0 4
玉川聖学院 1 3 200.0
東海大高輪台 0 2
国士舘 0 2
村田女子 0 1

2018年の早慶上理大合格者数が50名以下の学校で,伸びが大きく注目されるのは

淑徳巣鴨の39名増で390%増
多摩大目黒の23名増で209.1%増
実践学園の15名増で166.7%増
法政大学の13名増で144.4%増
昭和女子大附昭和の13名増で144.4%増

あたりでしょう。ただしこの辺のレベルの学校は高校入学者が多く高入生の実績がかなり入っているものと思われます。(大学合格数の中入生と高入生の内訳はほとんどの学校で非公表です。ただし昭和女子大附昭和は高校募集をしていません)

(東京 公立一貫校)

  2013 2018 増加率(%)
都立白鷗 61 104 70.5
都立武蔵 90 95 5.6
千代田区立九段 67 73 9.0
都立立川国際 15 71 373.3

都立大泉高附中・都立富士高附中・都立南多摩中等・都立三鷹中等の4校は2013年にはまだ卒業生を出していないので直近5年間の比較はできません。

(神奈川 私立中高)

  2013 2018 増加率(%)
洗足学園 128 217 69.5
横浜共立学園 142 171 20.4
公文国際学園 92 169 83.7
神奈川大附 89 102 14.6

2018年の早慶上理大合格者数が100名以上の学校は上記の4校だけでいずれも完全中高一貫校です。増加率では公文国際学園の83.7%が大きいのですが、増加人数も合わせて見ると洗足学園の伸びは非常に目につきます。

  2013 2018 増加率(%)
平塚学園 29 45 58.6
日本大学 11 39 254.5
日本大学藤沢 11 20 81.8
横浜創英 4 13 225.0
東海大相模 2 10 400.0
聖ヨゼフ学園 2 8 300.0
アレセイア湘南 0 7
関東学院六浦 0 4

早慶上理大合格者が100名以下で最も多いのが平塚学園の45名ですから、上位4校とはかなり差があります。

(神奈川 公立一貫校)

県立相模原と県立平塚の開校は2009年、横浜市立南高附中の開校は2012年なので2013年には卒業生が出ていません。また横浜市立横浜サイエンスフロンティア高附中と川崎市立川崎高附中はまだ1期生が卒業していません。

(千葉 私立中高)

  2013 2018 増加率(%)
昭和学院秀英 236 304 28.8
専修大学松戸 101 108 6.9
日大習志野 54 57 5.6
八千代松陰 35 55 57.1
麗澤 37 40 8.1
日出学園 11 16 45.5
千葉敬愛 5 13 160.0

(千葉 公立一貫校)

  2013 2018 増加率(%)
千葉市立稲毛 58 80 37.9

県立千葉中高は2013→2018年の5年間で436→311名と大きく減少,県立東葛飾高附中の開校は2016年です。

(埼玉 私立中高)

  2013 2018 増加率(%)
淑徳与野 119 134 12.6
大宮開成 112 177 58.0
昌平 22 50 127.3
開智未来 0 50

(埼玉 公立一貫校)

埼玉の公立一貫校は2校ありますが(県立伊奈学園・さいたま市立浦和)、どちらも2013年から2018年にかけて早慶上理大合格者が減っています。

2.難関大学合格実績を伸ばしている学校

ここでは直近3年間で難関私大合格実績を伸ばしているいくつかの中堅レベルの私立中高と公立中高一貫校をケーススタディーとして見ていきます。

・鎌倉学園(鎌倉市)

  2018 2017 2016
東大 3 2 1
国公立 79 71 62
早慶上理 209 175 146
GMARCH 373 360 338

攻玉社
鎌倉学園
鎌倉学園は仏教主義(禅宗)の男子校で、有名な建長寺の敷地の中にある緑豊かな学校です。神奈川の中堅レベルの男子校の中では最上位の学校と言ってよいでしょう。
上記のように東大・国公立大・早慶上理大・GMARCH大とすべての領域で実績を伸ばしています。どこかが増えればどこかが減ることが多いのですが、伝統校で少しずつながらこれだけ着実に実績を伸ばすのは珍しいことです。

・八王子学園八王子(八王子市)

  2018 2017 2016
国公立 52 39 36
早慶上理 64 51 35
GMARCH 223 201 188

多摩地区の学校の中ではJR西八王子駅から徒歩5分と非常にアクセスの良い学校です。2010年に中学が開校し、今春中学1期生が卒業しています。
中学募集が105名,高校募集が310名ですから高校卒業時には400名以上(500名を超える年もある)となる大規模校です。高校は東京西地区の都立トップ校(都立国立・都立西・都立八王子東・都立立川など)との併願受験者が大量に受験しています。
この春卒業した中学Ⅰ期生は82名で国公立大合格者25名ですから国公立大合格者全体の52名の約半数は中入生です。早慶上智大合格者は4名、MARCH大合格者は22名でした。

・大妻中野(中野区)

  2018 2017 2016
国公立 11 10 6
早慶上理 26 37 37
GMARCH 103 89 90


大妻中野
大妻中野
女子大附属の中堅校では最も進路実績が伸びている学校の一つです。併設大(大妻女子大)への進学者は例年10~15%(今春は14%)です。
国公立大は10名→11名(うち東大1名)とGMARCHは89名→103名と伸びていますが早慶上理は37名→26名と相当な減少です。合格者を大幅に削減した早稲田大の合格者減が響いたのかと思いきや、実は早稲田大は6名→11名とほぼ倍増,慶應大も5名→6名と増えていて減っているのは上智大の14名→5名,東京理科大の9名→4名ということでした。
早慶上理という括りでみると相当な減ですが、実は早慶は増えており内容的にはむしろプラス評価と言えます。

・東京都市大等々力(世田谷区)

  2018 2017 2016
国公立 49 32 31
早慶上理 109 63 50
GMARCH 196 161 178

東京都市大等々力は2010年に中高同時に女子校から共学化した学校です。共学化以来毎年のように応募者が増えて入試レベルも毎年のように上昇。
また高校の共学1期生が卒業した2013年に女子校時代にはほとんどいなかった難関私大への合格者を出し、中学の共学1期生が卒業した2016年にはさらに大きく実績を伸ばしました。さらに中学共学3期生(143名)・高校共学6期生(33名)が卒業した今春は国公立大・早慶上理大・GMARCH大すべて過去最高をマークしています。
なお過年度生ながら開学以来初の東大合格者が出ています。また上記の表を見ればわかるようにその国公立大・早慶上理大の伸びは非常に大きいものがあります。中学共学1期生・2期生の入試では女子校時代のレベルのイメージで受験した受験生も多かったのですが、3期生の受験の時は受験生の学力層が大きく上がり合格者・入学者のレベルもアップ。その結果が6年後の大学入試結果にも表れているわけです。さらに生徒のレベルアップだけではなく、教員も経験を積んでレベルアップしています。
現在の東京都市大等々力は生徒のレベルアップ・教員のレベルアップの良い循環ができている好例と言えましょう。

・都立南多摩中等教育学校(八王子市)

  2018 2017 2016
東大 5 3 1
国公立 49 41 34
早慶上理 105 62 45
GMARCH 129 126 91


都立南多摩中等教育学校
都立南多摩中等教育学校
都立南多摩中等教育学校は2010年に開校し2016年に1期生が卒業しました。上記は1期生から3期生までの3年間の進路状況ということになります。都立中高一貫校10校の中では地味なイメージが強い学校です。
しかしこの3年間で東大が1名→3名→5名と着実に伸び、国公立大も大きく増えています。また多くの学校で減らしている早慶上理大が大きく増えています。特に合格者数を大きく削減しほとんどの学校が合格者を大幅に減らした早稲田大の現役合格者が26名→56名と倍以上に増えているのは驚異的です。

・県立相模原中等教育学校(相模原市南区)

  2018 2017 2016
東大 9 6 7
国公立 75 66 59
早慶上理 99 121 95
GMARCH 149 165 121

県立相模原中等教育学校は2009年に開校し2015年に1期生が卒業しました。上記は2期生から4期生までの3年間の進路状況です。1学年160名ですが6年間で若干減りますから2期生から4期生までの卒業人数は154名・156名・154名です。
 東大合格者6名→9名も目につきますが,むしろ国公立大66→75名で学年の半数近くが国公立大へ進学しているというのが最大の注目点です。難関私大は早慶上理・GMARCHともに減っています。減少の要因として難関私大の合格者数絞り込みの影響もありますが、生徒の国公立大シフトが強くなってきていると言う要因もありそうです。

(おわり)

[次回予告] 「動き出した2019年中学入試(3)」

2019年入試の全容がほぼ明らかになったので,今までお伝えできなかった学校の動きをお伝えしていきます。

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