コラム「そうだったのか!中学入試」
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第123話「2018年中学入試状況について(1)全体状況

2018年5月1日

首都圏全体の応募者数、受験者数などについては大手模試会社などから数値が発表されていますが、推定値を含むために各社で多少の誤差があります。本稿では比較的受験者層に偏りがない首都圏中学模試センターの集計した数値を用いて見ていきます。

1.一都三県の延べ応募者数・受験者数の全体状況

(( )内は前年人数、%は前年比。なお千葉県には男子校はありません。)

(1)応募者数

東京 男子 36.380(36,416) 99.9% 
女子 39,894(40,574) 98.3%
共学 64,865(61,225) 105.9%
141,139(138,245) 102.1%
神奈川 男子 10,095(10,244) 98.5%
女子 11,665(12,641) 92.3%
共学 23,479(23,345) 100.6%
45,239(46.230) 97.9%
千葉  女子 2,243(2,393) 93.7%
共学 23,583(23,089) 102.1% 
25,826(25,482) 101.3%
埼玉 男子 4,218(4,269) 98.8%
女子 4,264(4,232) 100.8% 
共学 36,296(34,053) 106.6%
44,778(42,554) 105.2%
国立   4,369(4,176) 104.6% 
公立一貫校   17.302(18,059) 95.8% 
一都三県 287,886(284,545) 100.8%

(2)受験者数

東京 男子 26,992(26,804) 100.7%
女子 27,715(26,780) 103.5%
共学 44,625(40,499) 110.2%
99,332(94,083) 105.6%
神奈川 男子 8,739(8,720) 100.2%
女子 7,861(8,890) 88.4%
共学 15,704(15,317) 102.5%
15,704(15,317) 102.5%
千葉  女子 1,761(1,886) 93.4%
共学 20,647(19,669) 105.0%
22,408(21,555) 104.0%
埼玉 男子 3,485(3,394) 102.7%
女子 4,071(4,021) 101.2%
共学 28,055(25,980) 108.0%
35,611(33,394) 106.6%
国立   3,526(3,456) 102.0%
公立一貫校   16,628(17,429) 95.4% 
一都三県 218,743(212,068) 103.1%

一都三県の応募者数・受験者数は各都県の在住する応募者数・受験者数ではなく、各都県の所在する学校の応募者数・受験者数です。千葉・埼玉の学校(特に共学校)は入試日程の関係で東京・神奈川の受験生が大量に「試し受験」しています

応募者数の前年比を見ると、神奈川と公立一貫校以外は増加です。また受験者数の前年比で見ると公立一貫校以外はすべて増加しています。公立一貫校の応募者・受験者が減っているのは不人気のためではなく、難易度が高く受験者層が絞られてきているためです。 また応募者数の増加より受験者数の増加の方が多いのは、WEB出願が増えて出願者数が減る学校があるからです。(直前まで出願可能になり、ほぼ出願者数と受験者数が等しくなるため)

2.一都三県の小6卒業生数と推定受験者数(実数)、推定受験率の5年間推移

  小6卒業生数 推定受験者数 推定受験率
2014 303,694 42.800 14.1%
2015 300,391 43,200 14.4%
2016 297.634 43,700 14.7%
2017 291,961 44,150 15.1%
2018 284,428 45,000 15.8%

2015年から2018年にかけて首都圏の小6卒業生数は少しずつ減っていますが、逆に推定受験者数は4年連続で少しずつ増加し推定受験率も当然上がってきています。
これはリーマンショックや東日本大震災で一時的に下がっていた受験率が経済状況の緩やかな回復に伴って受験率も回復してきたということに加え、2020年の大学入試改革や社会のグローバル化、AIの急速な普及に代表される社会の大変化とそれに伴う教育状況の変化を見越した保護者が、これに対応する学校改革に取り組んでいる多くの私立一貫教育校に大きな期待をかけたためと思われます。
上記の受験者数は私立・国立受験者のみですが、公立一貫校受検者17,429名を合わせると約4,500名の重複を除いて約58,000名と推定されますから、首都圏ではほぼ5人に1人が中学受験をしていることになります。
なお少子化の中で2019年、2020年の2年間は例外的に一都三県の小6卒業生は増える見込みです(東京はその後も増加)。

3.2018年入試の特徴

(1)共学化

今年共学化したのは、東京では目黒区の八雲学園、杉並区の文化学園大杉並の2校、神奈川では横浜市南区の青山学院横浜英和の3校で、いずれも女子校からの共学化です。
共学化は学校自体が大きく変わるとともに入試状況にも大きな影響を与え、応募者・受験者が急増しますがこの3校の入試状況はどうだったでしょうか。

①八雲学園

  応募総数 応募総数 合格総数 平均倍率
男子 0→275 0→138 0→97 *→1.42
女子 1092→623 740→289 326→214 2.27→1.35
1092→898 740→427 326→311 2.27→1.37

八雲学園は2017年の春に共学化を表明しました。女子校のイメージが強かったためか、女子の応募者・受験者は相当に減っています。今までかなりいた絶対女子校という受験者には逃げられ、男子の応募者・受験者は学校が期待したよりやや少なく男女合わせての応募者・受験者は女子のみだった前年を下回っています。男女合わせて定員144名に対し入学者は男子36名・女子88名で計124名と定員に20名足りませんでした。なお合否判定は男女同一基準です。
男子の併願校は当然ながら共学校が多く、日大日吉・三田国際学園、東京都市大等々力などが多かったようです。

②文化学園大杉並

  応募総数 応募総数 合格総数 平均倍率
男子 0→122 0→66 0→56 *→1.18
女子 300→441 180→300 128→166 1.41→1.81
300→563 180→366 128→222 1.41→1.65

文化学園大杉並も2017年に共学化を表明しましたが、併設の文化学園大学はすでに共学化されていて、中高もいずれは共学化すると予想されていました。
男子の応募者数は予想の範囲ですが、女子の応募者は予想以上だったとのこと。 例年の入学者は80名前後ですが、今年は男子23名・女子69名で合わせて92名と例年よりやや多く、男女比はちょうど1:3でした。合否判定は男女同一基準です。 男子の併願校は中央線沿線の共学校が多かったようです。

③青山学院横浜英和

  応募総数 応募総数 合格総数 平均倍率
男子 0→338 0→237 0→97 *→2.44
女子 1070→985 763→611 227→214 2.27→1.35
1092→1323 740→848 227→311 2.27→2.73

本校は蒔田(まいた)の丘の上にある創立138年目のプロテスタント系の女子校でしたが、2016年に同じメゾジスト系プロテスタント校の青山学院大学の係属校(別法人です)となり、今春の共学化により現校名に変更されました。共学化に伴い応募者が急増する学校が多いのですが、本校の場合は青山学院大学の係属校となることが公表された2014年以降人気が京上昇し応募者が激増しています。そのため今年の入試では難化を敬遠され女子の応募者は8%減でした。また注目の男子の応募者は338名でした。併願校は中央大附横浜中、法政大第二などの共学の附属校、進学校では鎌倉学園や逗子開成などの男子校が多かったようです。合格者数を前年の女子227名から男女合わせて311名と37%増やしたのですが手続き率が高く、入学者は定員160名に対し男子44名、女子210名で計254名と大幅に超過しています。

(2)大学付属校人気

首都圏の有名大学付属校は早慶大付、MARCH大付、学習院・日本大・東海大付などほとんど全部が人気上昇しています。2020年の大学入試改革への不安から付属校人気が上がっているものと思われますが、さらに文科省の方針で東京の大学への入学者の集中を避けるために定員を超えた入学者があればペナルティを課すことになり、昨年から早慶上智大、GMARCH大などが合格者を絞り込んで実質的に難化しています。この状況も付属校人気を後押ししているものと思われます。

(3)新タイプ入試の拡大

従来中学入試と言えば国語・算数の「2科入試」、あるいは国語・算数・理科・社会の「4科入試」のどちらか、または「2科・4科選択入試」でしたが、2~3年前からそれ以外の「新タイプ入試」が登場し急速に拡大しています。
大きく分ければ一般生に対する「英語入試」、公立中高一貫校の入試を意識した「適性検査型入試」また学校によって試験名称は様々ですが「思考力入試」[表現力入試]としてまとめることができます。

「英語入試」

2018年入試では「英語入試」の実施校は95→112校に、受験者数では約1,000名→1,400名以上と大きく増えています。当初は実施校の多くが女子校でしたが、このところ共学校、さらにわずかですが男子校でも導入する学校が出てきています。ただし御三家や早慶・MARCHなどの難関大付属校ではまだ実施校がなく、実施校のほとんどは中堅および下位レベルの学校です。また実施校は増えてはいますが実際の応募者は首都圏私立中の応募者の3%とまだまだ受験の主力とは言えない水準です。
しかし2019年度に慶應湘南藤沢が「英語入試」を新設することを早くに表明していて、上位校にも大きな影響を与える可能性があります。なお同校WEBサイトによれば出題レベルは英検2級~準1級でサンプル問題も公表されています。

「適性検査型入試」

これはある意味では「思考力入試」や[表現力入試]の一種ともいえますが、明らかに公立中高一貫校志望者が併願することを想定(期待)した入試です。ターゲットになる公立中高一貫校を絞って出題形式・出題傾向を完全に合わせている学校もあります。
公立一貫校との併願者が受験することで受験者数が増えるのはもちろんですが、公立受検者の上位層は中堅私立中の受験者より高学力層が多く(俗にいう地頭が良い子)、入学してくれればトップ層を形成します。そのため特待生入試を兼ねていることも多くなっています。

(つづく)

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