コラム「そうだったのか!中学入試」
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第119話「2018年中学入試予想第1弾 7月大手公開模試に見る志望動向の予備的考察(1)

2017年9月4日

今回は7月の大手公開模試の志望動向から2018年入試を展望します。
7月という時期から、まだまだ志望校が流動的で、とりあえずお試しで志望校を記入した受
験生が多いものと思われますので、あくまで予備的な考察として見てください。
各模試には実施日の違いのほか受験者層や地域的な偏差があり、この数字がそのまま本番入試につながるとは限りません。また各模試会社によって判定校・判定試験回が異なり、すべての学校、すべての試験回を判定対象とする模試もありますが、主要校のみを判定対象としたり、受験生の多い試験回のみを判定対象とする模試、あるいは志望者数が少ない学校・試験回は、公開データが割愛されたりする模試もあります。
そのためすべての模試のデータが揃う学校・試験回は少なくなるので、ここでは3社以上のデータがある学校・試験回について見ていきます。

また今回は比較的早い時期から志望が固まっている受験生が多い難関校・上位校を中心に東京の男子校と女子校について見ていきます。

*学校名の後ろの数字は2016→2017年の志望者数の対前年同月比(%)推移。

1.大手公開模試7月受験者数の5年間推移

まず2013年から2017年までの大手公開模試7月受験者数の5年間の推移を見てみます。

42,282→40,932→41,766→42,077→42,307名

見ての通り2014年に模試受験者数がかなり減っていますが、その後の3年間は少しずつ増えてきて、2017年7月では2013年をわずかながらも上回っています。対前年比では0.5%増です。次に男女別に受験者数の推移を見て見ます。

男子 21,786→21,087→21,593→21,581→21,905名
女子 20,497→19,845→20,173→20,496→20,402名

2016年は男子が横ばいか微減で女子は1.6%増えていましたが、今年はちょうど昨年とは逆に男子が1.5%増で女子は0.4%の微減です。

1.男子校の志望動向

まず最難関レベル3校から。

開成 98→100%
麻布 114→102%
駒場東邦 88→92%


麻布
麻布
麻布(港区)の2016年7月模試の志望者は14%の大幅増で、実際の入試の応募者は6%増でした。2017年7月も2%増(2015年7月志望者をもとにすれば16%増です)ですから前年以来の高い人気を維持しています。

駒場東邦(世田谷区)はこの3年間の東大合格者が82→57→52名と減っているのが影響しているのか、前年の12%減に続き8%減と志望者が減っています。

この3校に続くレベルの学校では,

武蔵 103→90%
海城 1回 96→101%
2回 97→95%
早稲田 1回 99→116%
2回 113→99%

武蔵(練馬区)は7月模試の志望者が2015年・2016年と2年連続で増えていましたが、今年の10%減は受験生のエリアが重なり入試レベルも近い海城(新宿区)1回,早稲田(新宿区)1回の志望者増加と関係しているでしょう。

海城(新宿区)は2015年から2016年で東大合格者が56→30名と大幅減となりましたが、2017年春は49名と回復しています。そのせいか7月模試の志望者も前年の4%減から今年は1%増とやや回復しています。

早稲田
早稲田
早稲田(新宿区)は早稲田大学係属校で約半数は早稲田大学へ進学し、残りの半数は東大などの国公立大や慶応大などの難関私大に進学している半付属校です。今春の現役進学では早稲田大に推薦で147名、一般入試合格者を含めて例年よりやや多い159名が進学(卒業生305名)。東大合格者は38→30名、国公立大合計は87→68名と国公立大の実績はやや下がっていますが、7月模試志望者は16%増と大幅に増加しています。これは2020年以降の大学入試改革に対する不安感で半付属校の良さが見直されているためかもしれません。早稲田の志望者の大幅増加は、地理的にもレベル的にも近い武蔵や海城に影響が及んでいる可能性大です。

次はこの3校に続く中堅~上位の8校の志望状況です。

1回 92→103%
2回 95→93%
本郷 1回 108→95%
2回 112→105%
3回 95→81%
桐朋 1回 99→104%
2回 167→99%
城北 1回 102→110%
2回 99→104%
3回 95→100%
攻玉社 1回 93→98%
2回 84→108%
特選 66→106%
世田谷学園 1次 104→131%
2次 127→93%
3次 110→124%
巣鴨 Ⅰ期 105→101%
Ⅱ期 89→87%
Ⅲ期 0→215名 (新設)
東京都市大付 1回 91→105%
2回 99→91%
3回 88→114%
4回 86→103%

(港区)は今春入試で応募者が減りましたが,チャレンジ層が本郷,世田谷学園や攻玉社に回ったためと思われます。7月模試では1回の志望者数がやや復調しそうです。2回は2年連続の志望者減ですが,1,000名を超える受験者がありますから難易度に影響することはないでしょう。

応募者増がここ数年続いていた本郷(豊島区)が志望者の減少に転じているのが注目されます。人気が下がったわけではないでしょうが、やや敬遠されているのかもしれません。

桐朋(国立市)は2016年入試より2日に2回を新設し672名の応募者を集めました。

昨年の7月模試の2回の志望者は67%の大幅増でしたが,今年は1%減と前年並み。つまり昨年激増した志望者数が今年も変わっていないと言うことです。御三家や駒場東邦などトップ校との併願者が増えていてかなり厳しい入試になりそうです。


城北
城北
城北(板橋区)はこの3年間で東大合格者が8→11→16名と伸びています。これにより本郷から志望者を引き戻しているのかもしれません。そのためか7月模試の志望者は1回~3回とすべて増えています。

攻玉社(品川区)は2017年入試で応募者が大きく減りましたが7月模試の志望者では2回と特選の志望者が復調しています。今後は芝や世田谷学園との競合関係が注目されます。

世田谷学園(世田谷区)は応募者減が続いていましたが2017年入試では復調、さらに7月模試の志望者は1次・3次の志望者が大幅に増加しています。

巣鴨(豊島区)は2018年入試で2/4に3期入試を定員40名で新設します。そのためⅠ期・Ⅱ期は120→100名と20名ずつの減員となりますから、Ⅱ期の志望者減で易化するとは言えませんので注意が必要です。新設のⅢ期はこの時期で215名の志望者を集めていますから日程から見て入試当日の欠席者が多いと予想されますが、ある程度の倍率になる可能性大です。

東京都市大付(世田谷区)は2000年入試から6年連続で応募者が増加していましたが、さすがに2016年入試・2017年入試では減少に転じています(それでも都内男子校では応募者数トップ)。7月模試の志望者は2回以外で志望者数が復調しそうな状況です。なお2015年から導入されたグローバル入試は模試データ件数が少ないので割愛しています。

次に有力私大付属男子校の志望状況を見ていきます。

早稲田高等学院 108→107%
学習院 1回 106→107%
2回 98→132%
立教池袋 1回 86→118%
2回 106→95%
明大中野 1回 107→111%
2回 99→114%

2020年にセンター試験廃止・新テスト導入で大学入試が大きく変わることに対する不安から大学付属校への志向が高くなっているようです。また地方私大、中堅私大の多くが定員割れしている問題を改善するために、入学者が定員を超過した大学には補助金をその分削減するという文科省の方針が示されて、今まで定員を超える入学者を入れていた多くの大都市圏の難関私大が合格者を絞り込んでいますから、これも付属校志向を強める可能性があります。また多くの付属校も以前のように併設大学のブランド力に頼るだけではなくグローバル時代を迎えて新たな取り組みを始めており、中学・高校の教育内容の独自性をしっかりと発信するようになってきています。

早稲田大学高等学院(練馬区)は慶応系の付属校と並びほぼ全員が早稲田大学に進学する完全な付属校です。7月模試の志望者は7%増です。このままいけば2年連続の応募者増になりそうです。

学習院(豊島区)は併設大への進学は半分弱で、残りは国公立大や早慶上智大などの難関私大へ進学する進学色の強い半付属校です。前年7月模試の1回の志望者は6%増でしたが,実際の2017年入試の応募者は9%減でした。今春の大学合格実績はあまり良くはないのですが、7月模試の志望者7%増から見て前年の反動もあって2018年入試の応募者は増えるのではないでしょうか。

立教池袋(豊島区)は前年7月模試の志望者は14%減でしたが実際には今春入試の1回の応募者が微減でした。7月模試の1回志望者18%増ですから2018年入試の応募者は確実に増えると思われます。青山学院の男子との競合がありますが両校とも増える可能性大です。なお2回は最近他校でも取り入れられるようになったプレゼン入試です。

2.女子校

まず最難関レベルの3校(女子御三家)から見ていきます。

桜蔭 103→97%
女子学院 102→112%
雙葉 106→87%

桜蔭(文京区)は2018年入試より定員が240名から5名減員をして235名となります。現在1クラス48名で5クラスですが1名でも減らして教育環境を改善するというのが狙いです。わずかな減員ですから難易度に影響するほどのことはなさそうですが,補欠の繰り上げには多少の影響がありそうです。2017年入試では269名を正規合格で出したうえ,補欠18名が全員繰り上がり,さらに追加合格が13名出て合計31名が繰り上げになりました(2016年は18名の補欠発表があり16名が繰り上げ合格)。繰り上げ合格者数の急激な増加の背景を探ると,今まで桜蔭に合格しても慶應中等部か筑波大附を選ぶ受験生はいましたが,近年東大合格実績を大きく伸ばしている渋谷教育学園幕張を選ぶ受験生が急速に増えているのが大きな要因と思われます。定員減にはこのような状況への対応という側面もあるかもしれません。7月模試の志望者の3%減は定員減を反映したものではないと思われ、主に女子学院への流れによるものと思われます。


女子学院
女子学院
女子学院(千代田区)の7月模試志望者は12%増で2/1入試のトップ校で唯一の増加です。また12%増というのはミッションショックの年を別とすればトップクラスの学校には珍しい大きな増え方です。以前は教育の具体的な内容について知られていませんでしたが(情報発信していなかった)、近年では広報活動にも力を入れ、文科省が提唱する以前からアクティブラーニング型授業や中1からのオールイングリッシュによる授業などの取り組みが知られるようになって、学校に対する受験生・保護者の評価が変わってきている可能性があります。7月時点ではおそらく桜蔭、雙葉、フェリス女学院などから女子学院への流れがあるものと思われます。

雙葉(千代田区)は定員100名、併設小学校からの内進生と合わせて1学年が180名程度の小規模なカトリックミッション校で固定ファンの多い学校です。近年では国公立大や医学部志向が強くなっていますが、今春の大学合格実績では慶応大67→49名、早稲田大90→70名、上智大34→32名で早慶上智大合計が191→151名と21%の大幅減です。そのためか7月模試の志望者は6%増→13%減と大幅な減少です。受験生が女子学院へ向かっている可能性大です。

次に御三家に続くレベルの8校を見ていきます。

豊島岡女子 1回 90→110%
2回 93→102%
3回 94→103%
鷗友学園女子 1次 107→94%
2次 81→118%
吉祥女子 1回 100→108%
2回 96→103%
3回 91→117%
学習院女子 A 135→128%
B 116→121%
頌栄女子学院 1回 84→128%
2回 91→111%
立教女学院   93→121%
白百合学園   110→92%
東洋英和女学院 A 104→91%
B 116→78%

豊島岡女子(豊島区) の2016年7月模試の志望者は3回とも減っていましたが、2017年7月の志望者は今春の東大合格者が41→21名と半減したにもかかわらず3回とも増加しています。

鷗友学園女子(世田谷区)は2016年入試より3回入試から1日、3日の2回入試に変わりました。今春入試の1次の応募者は2%増でした。7月模試の1次の志望者は6%減ですが、これは1次の合格者を261→241名と絞って倍率が1.7→1.9倍と上がった反動がありそうです。今春入試の2次の応募者は6%減でしたが、7月模試志望者の18%の大幅増です。これは1次とは逆に2次の合格者を44→74名と大幅に増やし倍率が6.2→3.6倍と大きく緩和したためでしょう。

吉祥女子(武蔵野市)は7月模試の志望者が3回の入試すべてで増えています。2/1の1回は、鷗友学園女子から流れている受験生がいるのでしょうか。

学習院女子(新宿区)は4割前後が国公立大や難関私大に進学しています。今春入試の応募者はAが9%増、Bは22%増でした。7月模試の志望者はAが35→28%増、Bは16→21%増とA・Bともに好調を維持しています。


立教女学院
立教女学院

立教女学院(杉並区)は創立140年目のプロテスタント系ミッション校で、都内の女子校では入試が1回だけの学校6校のひとつです。2016年7月模試の志望者は7%減でしたが、実際の入試の応募者は248→288名と16%増でした。2017年7月模試の志望者は21%増と大幅に増加しています。定員は帰国入試が20名、一般入試は約110名と小規模募集校ですから難易度の変動が予想され要注意です。

白百合学園(千代田区)はカトリック系ミッション校です。今春の東大合格者は11→4名と減りましたが、医学部合格者は現役で国公立大5名、私大51名、計56名です(卒業生172名)。2016年7月模試の志望者10%増でしたが2017年7月の志望者は8%減。定員が一般募集70名、帰国生募集12名と少数募集の学校ですから難易度への影響があるかもしれません。

東洋英和女学院(港区)はプロテスタント系ミッション校です。2015年、2016年と国公立大実績の伸びとテレビドラマの影響で人気が急上昇しましたが、2017年入試ではAの応募者が306→261名、Bは549→518名と相当な減少でした。さらに7月模試のAの志望者は4%増→9%減、Bは16%増→22%減の大幅減となっていて、このまま行くと難易度変動もありそうです。

(つづく)

[次回予告] 「2018年中学入試予想第1弾 7月大手公開模試に見る志望動向の予備的考察(2)」

次回は東京の共学校、神奈川・千葉・埼玉の中学校の志望動向をお伝えします。

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