コラム「そうだったのか!中学入試」
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第114話「動き出した2018年中学入試(1)

2017年4月26日

2018年入試に向けた新たな動きが少しずつ判明してきています。入試要項の大勢が判明するのは夏前ですが,例年重要な変更は4月から5月の早い時期に発表されることが多く,今回はその中の一端をお伝えします。

1.「新タイプ入試」導入校の拡大

入試改革には共学化やコースの改編,新コースの立ち上げなどの学校自体の構造改革にかかわるもののほか,入試日や定員配分あるいは入試科目の変更などがあります。
しかしここ2~3年の大きなトレンドとして,従来の国語・算数・社会・理科の4科目入試あるいは国語・算数の2科目入試などとは異なる,「総合問題型」,「論述型」,「思考力入試」,「英語入試」,「プレゼン入試(自己アピール入試)」など様々な新タイプ入試の導入校の急速な拡大によって入試の多様化が進んでいます。またもう少し前から広まっていた公立一貫校併願者を対象とする「適性検査型入試」も含めて考えることができるでしょう。
ここでは詳述しませんが,この背景には「大学入試改革」への対応があることは言うまでもありません。

(1)「英語入試」の急速な拡大

首都圏の中学入試で帰国入試ではなく一般入試で何らかの形で英語を試験科目として実施した学校はこの4年間で15→33→64→95校と急速に増えています。(学校数では95校ですが入試回では186回です)すでに小学校で英語が導入され,さらに新学習指導要領により2020年から英語が正式の教科化が予定され(2018年より先行実施),カリキュラムが本格化し国語・算数などと同様な評価対象とすることが決まっていますから,今後さらに「英語入試」(名称は学校によって様々ですがここでは「英語入試」と統一しておきます)が拡大していくことが予想されます。

現在行われている「英語入試」が対象として想定している受験生は次の2つです。

①海外滞在体験はあるが帰国入試の資格要件(海外滞在期間,帰国時期など)を満たさない受験生を対象とする場合。

②海外滞在経験はないがインターナショナルスクールや英語塾・英会話教室などで英語学習歴のある受験生を対象とする場合。

それでは「英語入試」はどのように行われているのでしょうか。実は定員の多い生徒募集のメインとなる入試は従来通りの2科入試や4科入試で,「英語入試」は定員の少ない一部の入試への導入です。
また「英語入試」といっても様々な形態があり,なかには英検などの資格が受験要件だが入試では英語を課さない学校もあります。
英語1科入試,国算英の3科入試,英語による面接,英語によるプレゼンテーション,リスニング,暗唱などがありますが,多くは選択で英語でも受験ができるというパターンです(たとえば国算2科,国算英3科,国算社理4科からの選択など)。

これだけ導入校が増えた「英語入試」ですが,御三家やそれに次ぐような上位校ではまだ「英語入試」を導入している学校はなく,導入校はほとんどが中堅以下の女子校と共学校で男子校での導入は東京都市大付の「グローバル入試」と聖学院の「英語選抜」だけです。「英語入試」導入校は増えているのですが,応募者数から見ると5名以下の学校も多く10名を超える学校はわずかです。

その中で多くの応募者を集めている学校は(英語入試を複数回実施校は合計人数)、

女子校では,

山脇学園 96→118名
大妻中野 21→33名

共学校では

三田国際学園 65→167名
広尾学園 54→92名
かえつ有明 6→42名

などで,いずれも2016→2017年で大きく増えていますが,学校の顔ぶれを見ればわかるようにいずれも近年学校自体の人気が上がっている学校です。

(2)「思考力入試」の拡大

これは知識量を問う問題やトレーニングで身につけた解法によって解く問題ではなく,資料文・表・グラフ・画像などを読み込んで課題を解決するタイプの問題で科目横断型・総合型の問題です。ほとんどは論述型の出題ですから,思考力と同時に表現力も問われることになります。なお名称は学校によって様々ですがここでは「思考力入試」と統一しておきます。なおこのタイプの入試導入は,ICTの導入やアクティブラーニングの導入等の授業改革とも連動している場合が多いようです。

「思考力入試」導入校は増えていますが,その中で多くの応募者を集めている学校は(思考力入試を複数回実施校は合計人数)、以下のような学校です。

東京都市大等々力 「思考力・協働力入試」366名
かえつ有明 「思考力入試」55名
「思考力特待入試」93名
「アクティブラーニング思考力特待入試」113名
計261名
桐蔭学園 「AL入試」234名(中学と中等教育学校の合計)
東洋大京北 「『哲学教育』思考・表現力入試」162名
桐朋女子 「論理的思考力and発想力入試」122名

などの学校は100名以上の応募者を集めています。その他では、

淑徳巣鴨 「未来力入試」 98名
工学院大附 「思考力入試」 74名
桜ヶ丘 「思考力入試」 40名
東京成徳大 「思考力」 27名
十文字 「思考力型特待入試」 25名
富士見丘 「思考力入試」 16名
二松学舎大附柏 「思考力入試」 14名
目黒星美学園 「発想力入試」 6名

などです。

2.共学化

学校自体が大きく変わり,入試にも重大な影響を与えるのが共学化です。現在公表されている2018年からの共学化する学校は次の3校で,いずれも女子校からの共学化です。


青山学院横浜英和
青山学院横浜英和
青山学院横浜英和(横浜市南区)もとは横浜英和女学院というプロテスタントミッションの女子校でしたが青山学院大学との提携により系属校となり人気急上昇,入試の難易度も大幅に上昇しているのはご承知の通りです。共学化は早くに公表されていましたが,いよいよ満を持して2018年より共学化で,応募者が急増するのは必至です。すべて4科入試となることは決まっていますが,入試の詳細は4月末に公表予定です。

八雲学園(目黒区)
この4月に2018年からの共学化が発表されました。2018年からの共学化に伴う入試や教育内容の変更についての詳細は5月に公表予定。

総定員144名は変わりません。男女別定員は設けない予定とのこと。高校募集も共学化予定ですが2018年に同時共学化は行いません。現在高校共学化の時期については検討中です。


文化学園大杉並
文化学園大杉並
文化学園大杉並(杉並区)2012年に併設の文化女子大学が共学化され文化学園大学と校名変更されましたが,いよいよ2018年より中高とも同時に共学化され,「新テストに強い進学校」をコンセプトとした21世紀型教育を推進する学校に生まれ変わります。

また中学のコースは以下のように変わります。中学の難関進学コースと総合進学コースは廃止。中1ではコース分けをせず,中2からダブルディプロマコースと一貫コースに分かれます。ダブルディプロマコースは以前からあったものですが,海外大学進学や早慶上智・ICUを進路目標とし,本校で「欧米型授業」を受けて,日本と海外両方の高校の卒業資格を取得できるユニークなコースです。

中学の定員140名は変更ありませんが入試日や各回の定員,選考方法などの入試要項は検討中とのこと。5月中旬以降の公表となるようです。

3.コース制改編

駒込学園(文京区)
2018年の募集は「国際先進コース」と「本科コース(AGSコース)」の2コース制になります。両コースに上下はなく,中途のコース変更が可能です。「Sアドバンス」「アドバンス」は「本科コース(AGSコース)」に統合されます。AGSコースはアカデミック・グローバル・スタディーズコース。
1回、3回に3科入試(英国算)を新設。英語は英検4級程度。適性検査型入試は思考力と数的処理の2本立てとし、理社総合は廃止。

「国際先進コース」は「特奨入試」とし奨学制度が4段階から6段階に増設されます。

1回 2/1午前 40名 4科・2科・3科
2回 2/1午後 40名 4科・3科・適性検査2科(思考力・数的処理)
3回 2/2午前 25名 4科・2科・3科
4回 2/4午前 15名 4科・2科

*各回で「国際先進コース」と「本科コース(AGSコース)」を募集


実践女子学園
実践女子学園
実践女子学園(渋谷区)総定員を280→240名と40名減員したうえで一般クラスとGSC(グローバルスターディズクラス)の2本立て募集から一般クラス募集に一本化します。GSCクラスの募集は停止となりますが,英語を中心にGSCで培ってきたノウハウを全クラスで展開していくことになります。
入試日程は大きく変更となります。入試科目も2科入試中心とし、「1科入試」、「思考力 表現入試」を導入します。1科入試は英検などの検定で英語力が確認された受験生を対象に国語1科目で選考する入試です。

1回 2/1AM 2科80名
2回 2/1PM 2科20名 1科10名
3回 2/2AM 2科50名
4回 2/2PM 2科20名 1科10名
5回 2/3PM 2科20名
6回 2/4AM 思考力表現力入試10名

*これ以外に11月中に帰国入試20名

大妻中野(中野区)3コースから2コース制へ
「大妻中野カリキュラムポリシー」を柔軟に活用していくために,コースをシンプル化します。具体的には,「コアコース」の募集を停止して,「アドバンストコース」(5クラス)と「グローバルリーダーズコース」(1クラス)の2コース制に変わります。

またこれに伴い入試について以下のような変更があります。

①2/1午前の1回アドバンスト入試、2/3午前の4回アドバンスト入試を4科入試→2科・4科選択入試に変更。
②新思考力入試の入試日を2/4→2/1午前に変更。
③2/3午後に「算数入試」を新設

したがって日程別にすると以下のようになります。

2/1午前 第1回アドバンスト入試(2科・4科)
新思考力入試
第1回グローバル入試(英国算)
2/1午後 第2回アドバンスト入試(2科)
2/2午後 第3回アドバンスト入試(2科)
2/3午前 第4回アドバンスト入試(2科・4科)
第2回グローバル入試(英国算)
2/3午後 算数入試

*帰国入試は10/21シンガポール会場、11/25、1/13の3回

4.入試日変更

巣鴨(豊島区)  2/4に3回入試を新設

Ⅰ期 2/1 120→100名
Ⅱ期 2/2 120→100名
Ⅲ期 2/4 40名(新設)

*合格発表は全て当日午後5:00。入試科目は全て4科。
入学手続締切は2/5(月)午後3:00。


鎌倉学園
鎌倉学園
鎌倉学園(鎌倉市)2/1午前に参入
従来の2/5の3次を廃止して,2/1午前に定員60名で2/1午前に参入します。

1次 2/1 午前 4科 60名(新設)
算数選抜 2/1 午後 算数選抜 20名
2次 2/2 午前 4科 80→50名
3次 2/4 午前 4科 50→40名

*合格発表はすべて当日19:00,入学手続締切は全て翌日16:00
なお2/1参入によりライバルの逗子開成1次と真正面からの競合になります。

大妻多摩(多摩市)「プレゼンテーション入試」,「合科型試験入試」入試日変更
「プレゼンテーション入試」は帰国生・国際生を対象の入試でしたが,2018年より
国内の一般生にも拡大の上,入試日を2/2→2/4午前に変更します。

逆に「合科型試験入試」の入試日を2/4→2/2午前に変更します。また定員も前年は4科型と合わせて40名でしたが,2018年より4科型の定員40名,「合科型試験入試」の定員10名とはっきり分けた表示になります。

1回 2/1午前 4科 50名(国際生入試と合計)
午後 2/1午後 2科 20名
2回 2/2午前 4科型40名,合科型10名
3回 2/4午前 4科型20名,プレゼンテーション入試若干名

5.完全中高一貫化

三田国際学園(世田谷区)開智日本橋学園(中央区)は2018年より高校募集を停止して完全中高一貫校になります。(高校からの少数の帰国生募集は残る可能性があります)

6.その他
 
中村(江東区) 「英語ポテンシャル入試」新設
 2016年入試より「ポテンシャル入試」を実施しており(2/2と2/5の2回,定員は合わせて20名)。志願書・活動報告書・作文・面接(自己アピールを含む)で総合的に選考されますが,一種のプレゼンテーション入試と言ってよいでしょう。
2018年入試ではこの「ポテンシャル入試」に加えて「英語ポテンシャル入試」を新設します。志願書・活動報告書・作文・リスニング・面接(一部英語含む)による総合選考となります。入試日は「ポテンシャル入試」「英語ポテンシャル入試」ともに2/2と2/5で,定員はそれぞれ2回で各12名,計 24名です。


都立白鷗高附
都立白鷗高附
都立白鷗高附(台東区)「海外帰国子女及び在京外国人枠入試」新設
東京都教育委員会から「都立白鷗高校附属中学校の教育内容の充実に係る検討委員会報告書」が公表されましたが,そのなかで「入学者決定方法」について,
「『国際的に活躍できる人材』を育成していくために,中学校の入学者選抜においては「海外帰国子女及び在京外国人枠」を設置。あわせて「特別枠」については廃止を含め見直しが必要。」

という提言がありました。都立白鷗高附の特別枠は区分Aと区分Bがあり,区分Aは国語・算数・英語のいずれかの分野で卓越した能力を持つことを証明する資格,あるいは検定結果のある者。区分Bは日本の伝統文化について,囲碁・将棋,邦楽,舞楽,演劇のいずれかの分野に継続的に取り組み,上級の資格や卓越した能力のある者です。

正式発表は6月になりますが,4/23の「公立一貫校を知る会」において以下のような入学者選抜に関する変更の情報が学校よりアナウンスされています。

①2018年入試から「海外帰国子女及び在京外国人枠」を設置する。作文は日本語または英語(立川国際と同じ)。面接は(流暢でなくてもよいが)日本語と英語で行う(立川国際は日本語または英語)。「海外帰国子女及び在京外国人枠入試」の日程は立川国際中等教育学校と同一になると思われます。

②2018年入試から「特別枠」のうち区分Aは廃止する。区分Bは配点を変更(実技点の比重を下げる)したうえで存続させる。

③一般枠の適性検査に適性検査Ⅲを導入する(今までは適性検査Ⅰ・Ⅱだけでした)
これは理数的な領域についてもしっかり見ていこうという意図です。

桐蔭学園(横浜市青葉区)2年間かけて共学化・中学校募集停止・コース改変
桐蔭学園は現在男女併学校(ほぼ別学と同じ)ですが,2018年より高校が完全共学化,2019年には中学が完全共学化します。また学校としては男子校である桐蔭学園中等教育学校と併学の中学校・高等学校の2系列の学校がありますが,2019年には中学校の募集を停止して中等教育学校を共学化して一本化。高校は共学化のうえ理数科(女子は理数コース)をプログレスコース(難関国公立大・医学部対応),普通科(女子は普通コース)をアドバンスコース(国公立大・早慶等難関私大対応)に改編すると言う大改革です。(両コースともに普通科です)
また中等教育学校後期課程進学に際しては上記2コースからの選択になります。

2年後の2019年中学入試については定員,入試日程,試験科目など現時点では検討中とのことです。

(つづく)

[次回予告] 「2017年 大学合格実績が伸びた注目校(1)」

大学合格実績が伸びといっても、東大などの難関国公立大が伸びた学校,早慶上理大・GMARCH大などの難関私大実績が伸びた学校,現役合格率が伸びた学校など様々な切り口で見ていくことが可能です。 次回は難関大が伸びた学校を中心に見ていきます。

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