コラム「そうだったのか!中学入試」
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第100話「2017年中学入試予想 第2弾 9月公開模試から予想する入試動向(1)」

2016年11月21日

前回は7月の大手公開模試の志望動向から2017年中学入試を予想しましたが,なんといっても7月という早い時期のため予備的なものにならざるをえませんでした。夏期講習を経て9月に入り本格的に志望校選びの時期になり、模試受験者も7月より約1,400名増えて43,495名でした。前年との比較では男子が1.4%減,女子は0.7%減でトータルでは1.0%減ですからほぼ前年並みです。

今回は東京の主要校を見ていきます。なおコメントは7月模試以降の動きのある学校を中心にしています。今回は第99話の記述を前提にしていますので,まだ読んでいない方は第99話を先にお読みください。

なお今回の模試データを見ていくには以下の点を注意しなければいけません。

①9月段階では志望校が絞り込まれつつあるが,まだ流動的な要素があること。最終的に絞り込まれてくるのは 11月~12月段階です。

②昨年は公開模試4社のうち2社の模試実施日が重なりましたが,今年は模試実施日の重複はありませんでした。学校によってはこれが志望者の前年比に多少影響している可能性があります。

*学校名の後ろの数字は志望者数の対前年同月比(%)、またMは男子、Fは女子です。

1.男子校

まず最上位レベルの6校から見ていきます。最上位の男子校では9月に入りやや安全志向が目につきます。

開成 98→95%
麻布 114→106%
駒場東邦 88→83%
武蔵 103→97%
海城 1回 96→99%
2回 97→91%
早稲田 1回 99→92%
2回 113→108%

ご覧のとおり海城1回以外の5校は7月から9月で減っていますが,なかでも気になるのは駒場東邦(世田谷区)の9月模試の志望者が17%減で,2015年入試の応募者は5%増でしたから多少減ってもおかしくありませんが,さすがに17%減は大きくここまで減ると難易度にも影響がありそうです。

武蔵(練馬区)はここ数年隔年で増減していて2015年入試の応募者は7%減,2016年の応募者は15%の大幅増でした。9月は前年比3%減ですが7月からの増減の動きを見ると海城との間で綱引きがあるのかもしれません。

海城(新宿区)1回は7月から9月にかけて6校中唯一模試志望者が増加していますが,まだ前年比は1%減でようやく前年並みになったところです。東大合格者数が56→30名と減った影響があるのかないのか注目されるところです。今後も武蔵や早稲田との関係でまだ動きがありそうです。

次に上記6校につぐグループの学校を見ていきます。

本郷 1回 108→91%
2回 112→106%
3回 95→91%
城北 1回 102→100%
2回 99→96%
3回 95→101%
巣鴨 Ⅰ期 105→102%
Ⅱ期 89→91%
桐朋 1回 99→106%
2回 *→112%
1回 92→88%
2回 95→92%
攻玉社 1回 93→91%
2回 84→77%
特選 66→64%
世田谷学園 1次 104→118%
2次 127→108%
3次 110→117%
東京都市大付 1回 91→89%
2回 99→80%
3回 88→99%
4回 86→82%

本郷(豊島区)の1回は7月から8月で大きく減っていますが、ここ数年毎年のように応募者が増え,7月模試では志望者が8%増とさらに増えそうな状況を見てチャレンジ層が敬遠したものと思われます。大学合格実績は確実に伸びていて,東大が9→9→11名,国公立大合計では91→88→101名です。したがってこのグループの学校の上位層の支持を集めそうですから,難易度が低下することはないと思われます。

桐朋
桐朋
桐朋(国立市)の今春入試から2回入試になり,新設の2回の応募者は672名でした。7月模試の1回の志望者は微減でしたが9月の志望者は6%増。さらに2回は12%増ですから厳しい入試になるのは必至です(2015年の2回の対前年比の*印は新設のため)。なお今春の2回は学校の予想をはるかに超えて御三家などの最上位層が多く併願していたとのことですが,2017年入試ではさらに上位層が増えるものと思われます。

世田谷学園(世田谷区)は2017年入試では1次を60→70名に増員し(2次は40→30名に減員)10名の特待生選抜を行います。この入試改革や東大合格者が7→4→7名と回復したためか,3回の入試すべて模試志望者が増加しています。特に1次の大きな増加は第一志望者が増えていることを示しており, この2~3年応募者減少傾向が続いていましたが7月模試と9月模試の志望状況を見る限り完全復活を遂げているようです。倍率や難易度も数年前の水準に戻りそうです。

次に有力私大付属の男子校の志望状況を見ていきます。

早稲田高等学院 106→96%
学習院 1回 98→91%
2回 97→109%
立教池袋 1回 92→97%
2回 103→104%
明大中野 1回 117→101%
2回 102→106%

早稲田高等学院(練馬区)の9月の模試志望者が相当に減って前年比マイナスとなっていますが,第一志望者が多くコアの志望者は変わっていないと思われ,難易度の変動はほとんどないと思われます。2016年入試で応募者が8%減でしたから今後の模試で志望者が増加に転じる可能性大です。

立教池袋(豊島区)はここ数年隔年現象がみられ,2016年入試では応募者増でしたから2017年入試では減少する可能性がありますが,7月から9月の志望動向を見ると1回・2回とも増えており,最終的には前年並みになる可能性があります。

2.女子校

まず最難関レベルの3校(女子御三家)から見ていきます。3校とも9月に入って男子同様に安全志向が見てとれます。

桜蔭 103→97%
女子学院 102→94%
雙葉 106→98%

次に御三家に続くレベルの8校を見ていきます。

豊島岡女子 1回 90→88%
2回 93→97%
3回 94→87%
鷗友学園女子 1次 107→105%
2次 81→84%
吉祥女子 1回 100→103%
2回 96→84%
3回 91→92%
学習院女子 A 135→135%
B 116→110%
頌栄女子学院 1回 84→80%
2回 91→90%
立教女学院 93→95%
白百合学園 110→136%
東洋英和女学院 A 104→96%
B 116→93%

鷗友学園女子(世田谷区)は2016年入試より1日、2日、4日の3回入試から1日、3日の2回入試になりました。今春入試の1回の応募者は595→452名と24%減で定員を160→180名に増員していますから倍率は2.0→1.7倍に緩和しました。ですから7月・9月の模試志望者が前年比プラスは当然予想されるところです。逆に今春入試の2回の応募者470→517名と10%増で倍率は5.6→6.2倍に上昇しましたから,7月・9月の模試志望者が減るのも予想されたところで,今後の豊島岡女子2回との関係も注目されます。

白百合学園
白百合学園
白百合学園(千代田区)はカトリック系ミッション校で2015年は入試日を2月2日に移動した女子学院と入試日が重複し応募者は32%減でしたが,2016年は女子学院が1日に戻り応募者は55%増と大幅に回復しました。今春の卒業生は171名で難関大合格実績が非常に高く,東大が8→11名と増え,その他東工大2名,一橋大2名,北大2名,阪大1名など国公立大計34名,早慶上智大は117名,また医療系大学進学者が医学部13名を含めて23%もいます。さらに7月模試の志望者で10%増,9月では36%の大幅増です。募集定員が60名の小規模募集校ですから厳しい入試が予想されます。

学習院女子(新宿区)は併設の学習院女子大(同じ敷地です)には1名しか進学していませんが学習院大学には110名(56%)が進学していて他大学進学は69名(35%)ですが,主な他大学は国公立大が東大,京大,東工大が各1名など計5名,早慶上智大が42名のほか東京女子医大2名、東京医大2名などですからかなりの実績と言えましょう。2016年入試でAの応募者が22%の大幅減となった反動で7月・9月と志望者35%増が続いています。

東洋英和女学院(港区)は130年以上の伝統を持つプロテスタント系ミッション校です。
2015年入試で応募者が急増しましたが,2016年入試ではAの応募者が18%減,Bは4%増でした。7月模試の志望者はA・Bともに増えていましたが9月で減少に転じています。7月模試の志望者増加を見た受験生が敬遠したためと思われます。

大妻 1回 107→106%
2回 95→97%
3回 98→90%
大妻多摩 1回 68→89%
午後 88→98%
2回 77→73%
3回 86→70%
大妻中野 1回コア選抜 91→98%
2回アドバンスト選抜 97→90%
3回 105→97%
4回 107→87%

大妻(千代田区)の1回は前年の応募者はミッションショックからの戻りで17%減でしたが模試志望者は7月が7%増,9月は6%増と堅調です。逆に前年44%増だった2回は3%減ですが,この程度の減少では一昨年の応募者を大きく上回るのは確実です。

大妻多摩(多摩市)の1回と2/1午後入試の7月模試志望者は相当に減っていましたが9月模試の志望者は大きく回復してきました。3回は4科入試と合科型入試の選択になりますが30→20名と減員されるため志望者は30%減です。なお2/2に「プレゼンテーション入試」が新設されますが,まだ志望者が少ないので上記の表では割愛しています。

大妻中野
大妻中野
大妻中野(中野区)は宮澤雅子校長を先頭に積極的な学校改革・入試改革で注目を集める学校です。まだ志望者が少ないので上記の表では割愛していますが,2/1の「グローバル入試1回」に加え2/3に「グローバル入試2回」と2/4に「新思考力入試」が新設され,3回ある帰国入試を除いて試験回数が5回から7回になります。上記の表では各回とも少しずつ減っていますがこれは1回・2回の定員減と試験回の増加で志望者が分散しているのが要因でしょう。「グローバル入試」は国語・算数・英語による入試,「新思考力入試」は合科型・論述型の入試で,新しいタイプの入試の今後を占ううえでも注目されます。

共立女子 A 100→108%
B 96→99%
C 91→54%
東京女学館 1回 91→93%
2回 108→123%
3回 95→93%
4回 93→100%
国際 78→73%
品川女子学院 1回 93→89%
2回 97→88%
3回 97→91%

共立女子(千代田区)はAの志望者が7月から9月で大きく増えて8%増,Bは前年並みですが,今春入試から算数と合科型論述テストになったCは9月で大きく減って46%減です。これは新タイプ入試で敬遠されたわけではなく入試日が2/4→2/3に変更となり,大妻3回や区立九段などの公立一貫校などの有力校と入試日が重複したためでしょう。

東京女学館(渋谷区)は2/1午前の1回を50→30名に減員,2/1午後の2回を20→40名と増員します。9月模試の志望者で1回の7%減、2回の23%増は,この定員の増減によるものでしょう。

3.共学校

都内の上位共学校は早慶大やMARCH大の付属校が主力です。大学付属校では,しばらく吹き荒れた大学付属校への逆風も弱まり、多くの学校で回復基調が見てとれますが,各校の志望状況を見ると女子の増加が目立ち,男子は女子ほど顕著ではないか一部は減っている学校もあります。

慶應中等部 M 100→95%
F 108→104%
早稲田実業 M 108→90%
F 98→87%
明大明治 1回 M 101→107%
F 98→108%
2回 M 100→112%
F 124→126%
青山学院 M 120→106%
F 121→119%
中央大附 1回 M 100→96%
F 127→120%
2回 M 97→103%
F 118→130%
法政大学 1回 M 106→90%
F 108→112%
2回 M 83→83%
F 108→108%
3回 M 87→84%
F 107→112%

慶應中等部(港区)は男女ともに7月から9月にかけて模試志望者がやや減っています。その結果,女子はまだ前年比4%増なのに対し男子は前年比マイナス5%になっています。今後も多少の増減はあるでしょうがコアな第一志望層は変わらないでしょうから,難易度の変動はほとんどないでしょう。なお2017年入試より2次の合格発表が掲示に加えてWEBでも発表されるようになります。

早稲田実業(国分寺市)は今春入試では男女とも前年並みの入試状況でした。7月から9月にかけて男女とも模試志望者が相当に減っています。減少が大きい男子は桐朋に回っている可能性がありそうですが,女子の減少分は吉祥女子や立教女学院などに分散しているようです。

明大明治
明大明治
明大明治(調布市)は2016年入試より男女の入学者の比率が7:3から6:4になるように変更しています。その結果1回の合格最低点は男子203点,女子211点,2回は男女とも181点でした。模試志望者は7月から9月で男女とも1回・2回両方で増加しています。
今後も青山学院などとの綱引きがまだ続きそうです。

青山学院(渋谷区)は2015年入試の応募者が相当に減りましたが2016年入試で男子が280→360名,女子は288→465名と男女ともに大きく応募者が増加しました。さらに7月の模試志望者は男女とも大きく増えましたが,9月の志望者は男子が大きく減り女子はわずかに減っています。男子は上記の明大明治1回との競合がありそうです。

中央大附(小金井市)は2016年入試で男子が1回で170→226名,2回は191→232名と大幅に増加しました。9月模試の志望者は男子の1回が微減,2回はやや増加,女子は1回が20%増,2回は30%増と大幅な増加です。女子の志望者は今後減ってくる可能性が高いと思われますが,それでも1回・2回ともに前年をかなり上回りそうです。

法政大学(三鷹市)は2016年入試の応募者で男子が増加,女子が減少と傾向が出ていましたが, 9月の模試志望者では3回の入試とも前年とは逆に男子の減少,女子の増加が鮮明に出ています。

次に進学校系の学校を見ていきます。

渋谷教育学園渋谷 1回 M 96→99%
F 111→94%
2回 M 99→88%
F 112→107%
3回 M 99→81%
F 76→73%
国学院久我山 1回 M 128→154%
F 158→175%
1回ST M 123→116%
F 139→125%
2回 M 113→133%
F 95→104%
2回ST M 123→119%
F 122→132%
3回 M 117→119%
F 108→119%

渋谷教育学園渋谷(渋谷区)は2015年の東大合格者が14→33名と大躍進し2016年入試では男子の応募者が大幅に増加しました(2016年の女子は2015年のミッションショックからの戻りのため1回が大幅増,2回は大幅減)。2016年の東大合格者も30名でこの2年間30名台をキープしましたが,男子は前年の倍率アップと難化で敬遠されているのか減少傾向が見えます。女子は男子より難易度が高く,チャレンジ層が鷗友学園女子や吉祥女子との間で揺れ動いているのか各回とも7月から9月にかけて志望者が減っていますが入試状況が緩和することはないでしょう。

国学院久我山
国学院久我山
国学院久我山(杉並区)は5回の入試すべてで志望が増えていて難化の可能性大です。細かく見ると2016年入試では2/1と2/2の午前入試の一般クラスの応募者が減り,午後入試のSTクラスの応募者が増えていましたが,今年の模試志望者は9月に入って男子は午後入試のSTクラスから午前入試の一般クラスに志望が移っているようです。また女子の模試志望者は5回中4回で大きく増えています。

広尾学園 1回 M 101→129%
F 114→129%
2回 M 98→97%
F 129→121%
医サ M 128→140%
F 132→121%
3回 M 83→74%
F 177→106%
三田国際学園 1回 M 118→111%
F 113→110%
2回 M 156→140%
F 118→104%
3回 M 139→162%
F 135→141%
4回 M 213→168%
F 169→149%
5回 M 173→195%
F 175→174%
東洋大京北 1回 M 113→111%
F 103→100%
2回 M 112→120%
F 127→125%
3回 M 100→148%
F 207→234%

広尾学園(港区)は2016年入試ですべての入試回の応募者を大きく増加しました。模試志望者を見ると1回はさらに勢いを増していて7月から9月にかけて模試志望者が大幅に増えています。また2/2午後入試の医進サイエンスコースの男子は上位層がさらに増えているようです。

三田国際学園
三田国際学園
三田国際学園(世田谷区)は2015年4月に共学化・校名変更して爆発的な人気となりました。2016年入試では共学初年度をはるかに上回る応募者が集まり大激戦となりました。今年の模試志望者を見るとまだ勢いが続いていて共学3年目の2017年入試では前年を大きく上回る応募者を集めるのは確実で,難易度も上昇するものと思われます。

東洋大京北(文京区)は三田国際学園と同じく2015年4月に共学化し大人気となりましたが,共学2年目の2016年入試では中学の定員を減員したため応募者が減りました。2017年入試では定員が5名と少なかった4回入試が廃止されます。入試回が減ったこともありますが,模試志望者は3回とも増えていて今春減った応募者が2017年入試では再び増加に転じそうです。

(つづく)

[次回予告] 「2017年中学入試予想 第2弾 9月公開模試から予想する入試動向(2)」

2017年入試を9月模試の志望動向から予想します。今回の東京に続き次回は神奈川・千葉・埼玉の注目される学校を中心に見ていきます。

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